2014.06.04
水辺を楽しむためのプログラムガイド
アクアスタジオ(現:日本シティサップ協会)の挑戦(後)
ライフスタイル編

さんぽの達人
大阪の水先案内人は本日も水上にて
こんにちは。水主の糸井です。
もう6月。そろそろ太陽と雨がせめぎ合う季節がやってきます。
せっかくなので、雨が来る前に陽気な水辺をおさんぽしてみませんか??
前回から2回に渡りご紹介する大阪を代表する水辺の団体「日本シティサップ協会」。
第1回の「道具(GEAR)編」に続く第2回となる本稿では、
日本シティサップ協会の前身であるアクアスタジオのプログラム「水上さんぽ」を通した事業の変化をお送りいたします。
まちなか「水上さんぽ」の達人である奥谷 崇さんが代表を勤める日本シティサップ協会は、その前身のアクアスタジオの時代より、常に水辺を「ライフスタイル」の場として機能するよう挑戦するべくプログラムを変更してきました。
その軌跡をご紹介していきます。
※現在は団体の名称が2013年11月より「日本シティサップ協会」となっておりますが、
今回は日本シティサップ協会に至るまでの変化の過程を見ていきますので、その前身の「アクアスタジオ」としてご紹介していきますのでご了承ください。
日本シティサップ協会として、その前身であるアクアスタジオの頃から、
より柔軟に参加者や周りのニーズに答えるべく道具やプログラムなど取捨選択をして発展し適応ていく姿はまさに「水」という概念そのもの。
20代から始めたスキューバダイビングを皮切りに20年以上水辺の人なのである。
場所:大阪中ノ島(2011年10月)
「ライフスタイル」としての水辺に向けて
ところで、みなさんの生活の中で「水辺」とはどのような立ち居地でしょうか。
いきなりですが、みなさんに質問です。
Q.「海水浴」は年にどのくらいの頻度で参加しますか?
この質問に対して、きっと多くの方は、
A.「年に1~2回」
と、答えることでしょう。
それは、ゴールデンウィークや夏休みなどの大型連休でなんとか時間を見つけて、普段の生活の中の外で楽しめる非日常空間を求めるからである、と僕は仮定しています。
毎日の生活の中、仕事や家庭以外のふとした時間に「水辺」という存在は該当しません。
そのため、水辺で遊ぶことは、すなわち「イベント」です。
例えば、今回対象となっている水辺の街・大阪に来る目的として、ユニバーサルスタジオジャパンや海遊館に遊びに行く、食い倒れツアーなど「イベント型」という非日常の遊びや旅を多くの方がイメージとして実践していることでしょう。
ここを漕ぐことは、「イベント」か、「ライフスタイル」となるのか
場所:大阪道頓堀(2012年4月)
「イベント」というものは、日々の「ライフスタイル」としての日常とは異なる、と僕は考えています。
もちろん「イベント」としての水辺を楽しむ方も多くいらっしゃいますが、
その中で地元の水辺で楽しむというのはより自分の「ライフスタイル」にしていきたいという方が徐々に生まれつつありました。
このニーズの変化にいち早く着目し、「イベント型」→「ライフスタイル型」へと展開することで、次のフェーズに入った日本シティサップ協会。
その具体的な変化を、その前身であるアクアスタジオの頃より生み出されたプログラム「水上さんぽ」の変化から見ていきましょう。
レッスン終了後のボード洗いは、もう見慣れた風景として街に同化している。
ちなみに、筆者はこの後使用した水着等をこのフェンスにて干すという。オシャレな河岸に生活感出すのはアリやナシや
場所:大阪川の駅はちけんや(2014年4月)
ここから熊野への街道の始まりでもあった。その名残の常夜灯とパドルボードという時空を越えた出会い。
場所:大阪川の駅はちけんや(2014年4月)
まちなかで年中「水上さんぽ」するには
アクアスタジオでの遊び方は、「水上さんぽ」という言葉に帰結しています。
この水上さんぽの内容は年々変化していき、現在のスタイルとなっております。
その変化に一因したものは、アクアスタジオの道具へのこだわりです。
前回の記事「アクアスタジオ(現:日本シティサップ協会)の挑戦① 道具(GEAR)編」でご紹介したように、
アクアスタジオは道具へのこだわりを持って活動を展開していきました。
そして、この道具へのこだわりにより、新たなニーズが生まれてくるのです。
それは前述したように、
「非日常空間である水辺をイベントの場として求めてくる人」から
「ライフスタイルの一環でパドルボードを楽しむ人」へと派生してきたことが要因です。
まだアクアスタジオが生まれた当初は、まずSUPという奇抜な傾き者を都会の中で受け入れてもらうために「水上さんぽ実行委員会」を立上げ、各水辺でツアーを開いてきました。
しかし、代表である奥谷さんの求めるところは、この「まちなかで水上さんぽ」という奇抜な活動を「ライフスタイル」として定着させ事業として次の水辺の世界に繋いでいくことです。
よって、「イベント屋」で終わらず、参加者やその背後にある街の動きを把握しニーズに合わせて事業を展開していくこと。ここを目標に常に敏感かつ柔軟に対応し変化してきました。
もちろん道具も前の章でご紹介したように柔軟に対応するべく変化してきたのですが、
ツアーそしてアクアスタジオに対する参加者のニーズの変化を見るべく、
次に手軽に参加できる「水上さんぽ」の変化を見ていこうと思います。
「水上さんぽ」
「水上をおさんぽするように手軽に楽しむアクティビティ」として、普段見慣れた街を水面から眺め再発見していこうという概念で「水上さんぽ」が生み出されました。
「水上さんぽ」の歴史も試行錯誤を繰り返しながら現在のスタイルになっています。
この3段階で現在の事業スタイルになったのだと考えられます。
その中で時間帯の選定のため、メインの営業時間を変化していったこと。ここがアクアスタジオの注目すべき点であると僕は思っています。
つまり、営業時間変更前は依頼を受けた時間帯で「水上さんぽ」レッスンを行っていましたが、営業時間変更後は早朝~朝に重点を置き時間をシフトしていきました。
その「水上さんぽ」を時間帯別で参加してみましたので、レポートを入れながらその変化を紹介していきます。
「朝んぽ」
朝の水上さんぽである「朝んぽ」。なんとも可愛らしい名前で好感を持てます。
2010年12月よりテストも兼ねて水曜日と土曜日と開催してきましたが、
2012年3月に僕が初めて「水上さんぽ」をしたときには、すでに毎日(ツアー依頼を受けた日)開催していました。
このときは、朝9時に集合。集合する拠点のすぐ近くに「若松の浜」という天満警察署の前にある浜。
ここには大阪天満宮の鳥居があり、この浜から7月24日神鉾を流すという神事により日本三大祭の1つ「天神祭」が幕開けとなります。
そのため活動場所は神社の敷地内。神社のご好意により、ここを拠点とすることできたので、今のアクアスタジオの形となってきました。
場所:大阪堂島川若松の浜(2012年3月)
運搬兼着替え場所として使用していたという。桟橋も利用には申請が必要なのだが、使う度に申請しなければならない。
しかし、毎日のように開催するというスタイルであったため、担当部署である大阪府西大阪治水事務所に週に1度の申請でOKと言われ、徐々に行政上の手続きが簡略化されるといううれしい傾向に。(2012年10月訪問当時)
場所:大阪堂島川若松の浜(2012年4月)
朝まずは水上に出る前に簡単な講習(漕ぎ方、立ち方、もしものときの落水予防策など)を行い、いざ出発。
前述したように、いきなり立たずにまずは膝立ちから「水慣れ」していきます。
「必ず立つというわけではありません。楽しんでいただければいいんです。余裕が出てきたら立ってみましょう。」
と語る奥谷さん。
SUPでなく、あくまでパドルボードとして運営を行っているので、立つことが目標でなく楽しむことが目標なのだ。
この日は雨模様。阪神高速の下で雨を凌ぎながら練習。
場所:大阪堂島川(2012年3月)
ここから堂島川を横断し、中ノ島に渡ります。
ちょうどバラ園にかかる橋周辺が観光船や水上バスが入ってこない安全地帯なので、
ここでいよいよスタンドアップにチャレンジ。
ターンの練習や水上でボケッと佇んでみたりと、こんな形であっという間に1時間半の「おさんぽ」は終了します。
ここでは観光船や水上バスが入ってこないため安全に講習ができる。
写真は、水都大阪2012。
専門学校の講師としても活動している奥谷さんは、課外授業として学生たちをスタッフ教育をしている。
学生も学内だけでなく時間を作って学外のいろんな人と触れ合うこと。これも大切だ。
場所:大阪中ノ島公園ばらぞの橋前(2012年10月)
現在では、「朝んぽ」の時間は朝9時集合での1時間半の講習でなく、「まちなかサップ教室」として朝7時からの会と朝8時半からの会の各1時間を2回というスタイルに変更し展開しています。
「夜んぽ」
「夜んぽ」は、夜の水上さんぽ。
夜なんて水上を漕ぐなんて真っ暗で怖いじゃないですか、と思う方。
実は大阪の夜の水辺は明るいのです。
なぜなら、橋の上などの陸路がライトアップされているのと並行して、
川面がライトアップされているのです。
ライトアップが見事。写真で見える橋は、歩行者橋「中ノ島ガーデンブリッジ」
場所:大阪大江橋(2013年10月)
川面がライトアップされているならば、橋の主役は川ということです。
本来橋の主役は人や車が通行する道ですが、ここでは水路を照らします。まさに水辺の街ならでは。
ならばぜひ漕いでみましょう。ということで夜んぽに参加してみました。
夜17時半に拠点である「中ノ島ベース」に集合。
ちょうど「中ノ島ベース」は大阪弁護士会館の前に立地していました。
※弁護士会館でトイレを拝借
まずベースで夜間航行の講習です。
自動車や自転車と同じく無灯火での航行は危うい。船でないパドルボードも自主的にそれに倣います。
場所:大阪アクアスタジオ中ノ島ベース(2012年3月)
※PFD:Personal Flotation Deviceの略
場所:大阪アクアスタジオ中ノ島ベース(2012年4月)
朝と同じく天満宮の「若松の浜」から出発。
本来は初心者講習と同じコースを通るのですが、このときは特別に堂島川を遡り少し長く漕ぐことができました。
右:夕凪の水面反射
大阪の橋脚下を漕いでいく。ちょうど風もなく汐も止まり水面が美しい凪。これぞ水都大阪の夜。
場所:大阪堂島川難波橋下(2012年3月)
この夜んぽのいいところは、この景色以外にもう1つあるのだとか。
それは、会社終わりのお姉さんたちにとってちょうどいいアクティビティである、ということです。
理由は、日焼け対策。
日中はたっぷり紫外線を浴びてしまいますが、夜間の紫外線が治まった水上では気にせず遊べるということで、人気があるそうです。
※川の色が汚いというのも闇夜に反射する光のおかげで分からないというのもメリットの1つでしょうか。
正直、陸路からでは噴水の存在すら見落とすが、水上さんぽでは一種のアトラクションだ。
もちろん筆者はこの下を通り濡れるのが好き。
場所:大阪中ノ島剣先噴水下(2012年4月)
しかし、2013年より「夜んぽ」の毎日開催はなくなり、満月の日(大潮という潮流が最も速い日)にのみ開催となりました。
毎日の「夜んぽ」から月に1度満月とともに水辺に漕ぎ出す。これもまた月齢とリンクした面白い遊びなのでしょう。
代わりに活動の主体は朝へとシフト。
朝んぽ。あるニーズを受け、この時間帯を早めるという変化を2013年から行ってきます。
それが次に紹介する「早朝さんぽ」です。
「早朝さんぽ」
朝9時スタートにしていた朝んぽを、さらに時間を早めることで「早朝さんぽ」として派生し、現在「朝んぽ」の前に展開されています。
それは、出勤前に「水上さんぽ」をしたい、というニーズが生まれてきたそうです。
アクアスタジオがメインで使用するボードを、前の章でご紹介した「Red paddle」ボードに変えてから、ボードを所有し毎日のように漕ぎたい方々が多く集まってきました。
これがアクアスタジオの「ボードオーナー」の方々です。
レンタルと異なりボードを所有するということは、所有物に対する愛着がわくこと、持つことで続けるというメリットがあり、ボードを拠点に保管し定期的に通うことも可能となります。
もちろん自分が好きなときに持ち運ぶことができるボードを選んでいるため、辞めずに続ける方が多いのが「インフレータブルボード」の特徴ではないでしょうか。
「朝活」や朝ジョギングなど、出勤前に身体を動かす・議論を交わすなどの動きが昨今多く展開されていますが、まさにその流れに乗った水辺の活動。それが「早朝さんぽ」なのです。
「早朝さんぽ」参加者は、初心者向けレッスンや体験会を通じて何度も経験し、充分に水慣れし漕げる方々。
代表の奥谷さんが水上に並走することなくとも、ボードのオーナーたちで日の出とともに朝凪の水面へと漕ぎ出していきます。
代表の奥谷さんは、「早朝さんぽ」スタート(6時半)のすぐ後に予定している「朝んぽ」(7時)の準備のため、拠点にて待機。
「早朝さんぽ」の開始時間があまりにも早すぎて始発よりも前に車で移動するとのこと(始発電車では間に合わないと言う)
場所:大阪大川はちけんや前(2013年10月)
さらに「早朝さんぽ」の実施が促された要因として、拠点の移動がありました。
2013年7月に「中ノ島ベース」から「川の駅はちけんや」という「天満橋駅」歩いてすぐの好立地に移動することで、より参加者もアクセスしやすくなったことも一因しています。
後背地には多くの人が利用し行き交う「天満橋駅」が存在するという羨ましい立地。
はちけんやの指定管理者として水辺の安全を担う団体「大阪水上安全協会」。
ここから写真に写る雁木の管理運営をアクアスタジオが任されている。
場所:大阪大川(2013年10月)
月に1度「八軒家市」が開催され、マグロの解体ショーも。
にぎわいがある水辺に来たら、漕いだ後に美味い肴で飲みたくなるもの。
場所:大阪川の駅はちけんや内(2012年12月)
せっかくなので、初めてこの4月に「早朝さんぽ」に参加してみました。
朝6時半からスタートということなので、6時過ぎには川の駅集合。
この日は、オーナーの方3名と一緒の水上さんぽ。
各自着替えやボードの準備なんかを行い、いざ「早朝さんぽ」スタートです。
今回は中ノ島一周という、普段オーナーのみなさんがタイムトライアルをしている水域へと案内されました。一周7kmほどということで、ちょっと汗かくにはちょうどいいかなという距離でしょうか。
今回の「早朝さんぽ」のコース。地図右手(東)から左(西)へ流れる大川(旧淀川)が中ノ島にぶつかり、2つの河川となる。地図下(南)の土佐堀川と地図上(北)の堂島川海が近いため、潮の流れと川の流れと、どちらも感じられる下流域という環境を味わえる。
まず川の駅はちけんやから、土佐堀川を下り西へ向かいます。
ちょうどこのルートは、最後の将軍である徳川慶喜が1868年に大坂大脱出を図ったルートでもあります。
我々は別に逃亡を図るわけではないので、あわてずゆったり漕いでいきます。
ゆっくり後ろ(東)から太陽があがり、背中が徐々に熱くなる。
朝を快適に始められることが1日をより良くするための秘訣なのだと実感
筆者は必ずしも朝弱いわけではないが、ここの朝は早い!
あくびをしながら筆者は漕ぐのだが、凪で中ノ島周辺のビル群が水面に反射する景色に見とれる。
土佐堀川だけでなく、水の回廊全体を回ると橋の多さにびっくりしますね。
さすが八百八橋と言われるだけあり、古くからの橋が多く架けられています。
折り返し地点である中ノ島の最西端。
ここからは大阪中央卸売市場が見えます。
さて、ここからが難所です。
折り返して今度は中ノ島北部を流れる堂島川を漕ぐのですが、
この日は満月の日で大潮という1番流れが強くなる日。
スタート当初は満潮(6時36分)であったため流れもなく穏やかでしたが、
ここから干潮になるにつれ、下げ潮という川の上流から下流にかけて潮の流れが発生するのです。
ちょうど我々は下流から上流にかけてこれから遡らなければならないため、逆流の中を延々と上って行きます。
いや、こりゃ修行です。
それにしても写っているボードオーナーの方、逆流になった途端スイッチが入ったのか、ものすごく速い。
毎日のように漕いでるから、華奢でも問題なく水の上を進めるのだ。すばらしい。
場所:大阪堂島川渡辺橋(2014年4月)
なんとか漕ぎ進め、中ノ島にかかる見慣れた橋「天神橋」が見えてきました。
もう少しでゴールです。
ほっと一安心ですが、ボードオーナーの女性の方々は疲れをみせないのです。
僕よりも華奢ですが、芯の通った方々ばかり。
「あ~今日も一日がんばろうね」
といった感じで、この後仕事場へと出勤していきます。
体幹を鍛えられるため女性にとっても人気であり、ダイエット効果もあるためずっと続けている人が多いとか。
オーナーの方にお話を聞くと、
「ボードを持つことでよく通うようになった」
「夜んぽというものに興味があって参加し、いまでも続いている。」
「いまでは自分にとって大切な場所」
と、オーナーの方々には自身の仕事場でも家でもない自身にとっては大切な場所「サードプレイス」としての役割を担っているのでしょう。
この美しくアーチ状の橋。
ここを越えれば中ノ島最東端の剣先噴水があり、すぐゴールの川の駅はちけんやが見える。
普段ならば1時間~1時間半で一周できるということだが、今回は2時間かかってしまった。それだけ潮流の影響を受けたのだ。
このような形で変化していった「水上さんぽ」。
試験的に水上さんぽを始め、次に毎日(朝から夜まで)開催。
そして、その中からリピーターさん・オーナーさん向けの時間帯を作り、ベストの時間帯を選定し(早朝から朝)事業とし展開していく。
この事業の変更見直しにより、水上さんぽなどの体験会を朝型に展開し、
新規コースの発掘や、行政や各水辺団体との打ち合わせを日中に行うことができます。
そして、週末に大きなイベントを開催するなど、よりシステマティックな事業で負担を少なく効率的に次のステップを見据えることに成功しました。
もともと予約してくださる参加者にとっては、珍しいもの・おもしろ半分で大阪の「汚い」「臭い」というイメージがつく水辺で遊んでみようというイベント感覚だった「水上さんぽ」。
その中から「早朝さんぽ」という「ライフスタイル」をオーナーの人たちが求め、協働で事業展開していくことにより、アクアスタジオが次のステップである「日本シティサップ協会」へと発展したのです。
僕にとっては、この「早朝さんぽ」に参加すること自体がイベントのようなものだったのですが、
オーナーの方々にとっては、自身の身体の調子を測ったり、気兼ねない仲間と会う場でもあるのです。つまり「ライフスタイル」としてすでに「水上さんぽ」が染み付いているのですね。
この日本シティサップ協会に参加するオーナーの方々。みな元気で美しくたくましい人ばかりです。
「毎日漕がないと干上がる」と出勤前30分でもいいから漕ぐ人や
「空港から旅立つ前に朝んぽしていこう」という旅行に行く朝も漕ぐ人、
「旅先には必ずボードを持ち歩く」と時には背負い、時には宅急便で旅先まで連れて行く人。
「これで出勤したい」という斬新な人
「引越ししても毎日漕げる環境が欲しい」と団体を引越先で水辺団体を立ち上げる人、など個人個人で思いは異なりますが、
こんなオーナーの方々と触れるとこちらも元気になります。むしろそんな場だからこそ、「また訪問してリフレッシュしたい!」という思いで何度も訪問していたのかもしれません。
おそらく奥谷さんにとっても同じ思いでしょう。
もともと1人で描いていた大阪での水辺遊び。
続けていくことで多くの仲間ができ、彼ら主導もしくは協働で新たな展開ができるという進化を遂げていきました。
彼らが手軽にボードを背負い、日本各地の水辺にて休みの度に活動している姿を見ていると羨ましく思います。
こんな人たちが全国にあふれてくると、水辺ももっと面白くなってくるのです。
横浜SUP倶楽部は、アクアスタジオの「ライフスタイル」としての水辺、を色濃く引き継いでいる立上げの1人にアクアスタジオのボードオーナーが参加、毎日のように「水上さんぽ」を横浜にて行っている。場所:横浜みなとみらい(2013年9月)
こんな元気なオーナーたちを陽気に束ねているアクアスタジオ代表の奥谷さん。
これから「日本シティサップ協会」として、大阪の水先案内人として、多くの「おもろいオトナの水遊び」を大阪より生み出し水辺を切り開いていくとなるとワクワクします。
現在では「日本シティサップ協会」は、多くのメディアで取り上げられ、都市の水辺の1つの先駆者として注目されています。
されど、常に妥協することなく時代の変化に適応し澱むことなく流れゆくスタイルを貫いたからこそ、いまの協会があるのでしょう。
道具へのこだわりから、ライフスタイルを見つめる。
きっとこだわりがあるからこそ、多くの人が集まりにぎわうミズベになっていくのですね。
そんな賑わう水辺の街・大阪で「水上さんぽ」のご紹介を最後にお届けします。
「まちなかサップ教室」
まったく水上さんぽやったことない人から参加可能のオトナの水遊び
(中学生以上から参加可能で、中学生は保護者同伴にてお願いしています。)
料金は初回4000円。2回目以降3500円となります。
時間は、朝7時から1時間のコースと、朝8時半から1時間のコースの1日2回。
集合場所は、「川の駅はちけんや」です。

ぜひ大阪の水辺朝活「水上さんぽ」、この夏にいかがですか??
関連リンク
日本シティサップ協会ホームページ
日本シティサップ協会Facebookページ
大阪アクアスタジオ中ノ島ベース(2012年3月)
この記事を書いた人
水主(櫓や櫂による舟の漕ぎ手・「かこ」と呼びます)
NPO法人 横浜シーフレンズ理事(日本レクリエーショナルカヌー協会公認校)
帆船日本丸記念財団シーカヤックインストラクター
水辺荘アドバイザー
横浜市カヌー協会理事
東京海洋大学大学院(海洋科学)在学中に、東京や横浜で海や港のフィールドワークをシーカヤックを通して学ぶ間に街中の水辺の魅力に引き込まれ現在に至ります。 大都市の水辺は、多くの旅人が行き交い賑わう場所で、また自然と対峙するアウトドアでもあります。 水辺をよく知ることが、町や歴史や国を知り旅の深みを増す契機となり、 また水辺の経験により自己を顧みる機会となります。 日本各地において水辺の最前線で活動しているプレーヤーの紹介を通して、水辺からの観光、地元の新たな魅力、 水辺のアウトドアスポットに触れる機会を作っていきたいです。 シーカヤックインストラクター(日本レクリエーショナルカヌー協会シーシニア)、一級小型船舶操縦士、自然体験活動指導者(NEALリーダー)。趣味は、シーカヤック・SUP(スタンドアップパドルボード)スキンダイビング・シュノーケリング・水中ホッケー・カヌーポロ・ドラゴンボート、そして島巡り旅。
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