2016.12.06
博多天神を流れる那珂川会場のSUPイベント「MIZBERING FUKUOKA CITY CUP」に参戦
博多街中の水辺を使い倒そう。博多の水辺特集パート2。
2016年7月15日、博多天神の水上公園のリニューアルオープンにまつわるストーリーを前回の記事にてご紹介いたしましたが、それで終わらないのが博多の水辺。
7月16日(土)~7月17日(日)にかけて開催された博多の水辺イベント「the MIZBECK garden」の中で開催されたSUPレース「MIZBERING FUKUOKA CITY CUP」とSUPポロ大会が7月17日に開催されました。
「the MIZBECK garden」という水辺イベントは、リニューアルオープンで盛り上がる水上公園に隣接した河川敷の天神中央公園を会場にオシャレな飲食ブースにて多彩なイベントが体験できました。
そして、このイベント最大の目玉であるSUPイベント「MIZBERING FUKUOKA CITY CUP」。午前は博多天神という街中を流れる那珂川を使ったSUPレース、午後は天神中央公園前の水域を使ったSUPヨガにSUPポロと盛り上がりました。
この大がかりな水辺イベントを誘致した方が前章でご紹介した西日本鉄道の花村さん、そして企画実行したチームが「福岡シティサップクラブ」という水辺1年目のルーキーズなのです。
ミズベリングファンクラブ福岡キャプテン花村さんと「福岡シティサップクラブ」の水辺ルーキーズで臨む博多SUPイベント
誕生してまだ1年も経っていない状態でこの大がかりな水辺イベントを企画し実行に至ったスタッフの皆さんにお会いしたのは、2016年3月3日に東京渋谷ヒカリエで開催したミズベリングジャパンのブースにて。私は福岡チームが展開していた梅酒祭りブースにてほろ酔いながらこのSUPイベント「MIZBERING FUKUOKA CITY CUP」を知りました。
このイベントを誘致することに成功した方が前回の記事でもご紹介した西日本鉄道の花村さん。
属人的に水辺と関わるためミズベリングファンクラブ福岡のキャプテンとなった花村さんは、このSUPイベントの運営費用の捻出のために福岡地域戦略推進協議会(FDC)はじめ地元企業に協賛をお願いして回り、イベント運営の基盤を整えることに成功しました。
「福岡シティサップクラブ」は、博多の街中を流れる那珂川を拠点にライフスタイルの一環としてSUPを楽しむ機会を提供する組織としてファンクラブ内に立ち上げられ、大阪街中SUPの先駆者である日本シティサップ協会や福岡近郊の福間海岸にて長くウインドサーフィンやSUPの活動をしているシーガルインのサポートを受け、2015年末から博多での水辺活動を急速に展開してきました。
実はこのメンバーの多くが地元福岡で活躍するイベント会社ティーアンドイーのスタッフで企画運営は手慣れたもの。
ただ、イベント企画運営に長けた彼らでも立ち上げ1年目にして臨むSUPイベントは当然初めてのこと。普段以上に議論と準備を尽くしてイベント当日を迎えることとなりました。
MIZBERINGとSUPの全国的競技団体のコラボイベント
このSUPイベントは異なる2つの流れで構成されたイベントです。
1つはミズベリングという名前を冠し都市を流れる那珂川をイベント会場にすること、もう1つはSUPA公認のレースであるということです。
日本スタンドアップパドルボード協会(SUPA)は、日本国内でSUPを普及・発展するべく安全の啓蒙やスキルアップを軸に安全で楽しいSUPライフを促進するべく立ち上げられた協会で日本各地でレースを展開しています。
さて、日本全国で行われるSUPA公認のレースですが、その多くはビーチからスタートし沖に打ったブイを回航してスタート地点に上陸しビーチを走りゴールするという自然海岸を舞台とした競技となっていますが、今回のレース会場となる水辺は博多の街中を流れる那珂川ということで、普段とは勝手が違う会場設営に手慣れたはずの協会側も流石に苦労された様子。
理由として挙げられるのは2つ。1つは自然海岸と異なり大都市への洪水対策によりせり上げられた河川護岸のためアクセスポイントが制限された都市河川のハード面と、もう1つは行政への許可申請や那珂川水面を利用する船会社など多くのステークホルダーとの調整が必要となる都市河川のソフト面。
この2つの理由により、レース会場設営用の船が発着する桟橋は制限され規定された時間通りに運航しなければなりません。また川の流れ以外に海から潮流の影響もあり設営は何度もトライ&エラーあり。
このように特異な環境の中でSUPレースを運営するというのは、企画するスタッフも当日水上にてサポートやレスキューするスタッフも普段以上のハードワークとなったのでした。
また、2016年3月3日のミズベリングジャパンにてレース開催を宣言し後戻りできないという状況のなかで、企画、関係者への調整を同時進行で実施。
さらに運営者を悩ませたのが上流のダムの存在。実は上流で雨が降ると放流せねばならない事態になり、その場合レースを中止にしなければならなかったのです。福岡シティサップクラブの現場統括する川内さんはこのダムの担当部署へ何度も足を運び交渉し、ついに大会開催へと漕ぎ着けることに成功したのです。
緊急参戦!謎のブルーマン@博多~SUPレース開幕~
朝7時から続々とレース参加者たちが受付し、大会運営本部と合わせ福岡県柔道整復師会の出張整骨院ブースが設置され、国家資格保持者である柔道整復師による施術やアイシングなど身体のケアができるという理想的な競技イベントとなっているのです。もちろんレース前にきっちり肩回りや股関節を解してもらい準備万端。
朝8時半から開会式が行われ選手のみなさんが揃いました。
この水上イベントは午前のSUPレースと午後のSUPポロやSUPヨガなどの体験と時間帯で分かれています。
まずは午前のSUPレースに参戦してみました。
那珂川でのコースは、水上公園先端付近に浮かんだスタートラインから上流を目指し、住宅街が多く周辺にある住吉橋先でブイを回航。下って河口付近で那珂川の支流である博多川との合流地点で折り返し、天神中央公園前にてゴールとなる1周3kmのコース。※6kmクラスは同コースを2周。
いざ水上に出ると分かることは、上流から下流方向に流れが比較的強いということ。前日の降雨による増水の影響だけでなく、潮位差による潮流の影響で当日の満潮時刻7時32分以降どんどん下流方向へと向かう下げ潮が加速し始めていました。
さぁスタートラインにつき、いよいよレース開始。と緊張感高まる中、天神中央公園の大会本部前、当イベントのメインスポンサーでもあるJ-wave実況席から歓声があがります。
水面に目を移すと、何故か博多に登場した謎のブルーマン。SUPに乗って、まさかこのレースに参戦するのか?!
謎のブルーマンを追跡しようやく捕捉。接近を試みます。
指示があったようでライフセイバーもブルーマンを追跡してきたようです。全身ブルーのが漕いでいたら流石に危険か。
それでも沿道の皆さんに手を振り博多の水辺をアピール。
なんとかゴール!3kmといえども潮流や川の流れがある河口付近はなかなかハードでした。
遅れてブルーマンもゴール!
午後も那珂川を使い倒す水上イベントでずぶ濡れに
謎のブルーマンが水に染まった後、我々がずぶ濡れになる番のようです。午後は天神中央公園前の水域のみを使った水上イベントです。
その1つがSUPポロというSUPに乗り漕ぎながらボールをパスし水面に浮かぶゴールにシュートする奇抜なマッチゲーム。我々はミズベリングチーム「高気圧ボーイズ」として出場。
ボードメーカーである強豪スターボードチームやSUPポロ好きで各地を転戦するチームだけでなく、地元福岡のミズベリングファンクラブ福岡チームや関東からは京急SUP部など初めてでも楽しめる水上戦です。トーナメントゲームの第1試合が我々高気圧ボーイズであったので、早速初めての水上コートへと降り立ちます。
試合開始と同時に何故か思うように動けないチームメイトたち。敵は経験者のようでその隙を突いて点を取りにやってきます。
いつの間にか3点を許し巻き返すべく奮戦中のチームメイトが落水。ここで朝から加速を始めた潮流が牙を向き流れに翻弄され何とかボードに上がるも戦闘不能に陥る1名。もう1名もこの奇妙なパドルとボードに慣れていけず、私は孤軍奮闘。
ずぶ濡れ完敗でトーナメントゲームから吐き出された我々も今後の参考にと決勝戦までの試合を観察していきます。
この白熱した展開を見せるSUPポロとは対照的に、同じ水域ではボードに乗りヨガをするSUPヨガが静かに行われています。
午前は博多の水辺でも人が多く行き交うキャナルシティから水上公園までの那珂川1.5kmをSUPレースで河川敷や橋一体で動線として水辺アナウンスし、午後は天神中央公園前で行われたSUPポロとSUPヨガという定点でのアクティビティで水辺アピールし行き交う人々が足を止め魅力に引き込まれていきます。
これぞ街中の水辺を最大限に生かした水上イベントですね。
博多の水辺、いかがでしたか??
ハイライトは主催者がドローンや撮影機材を駆使して作成したこの動画をチェックしてみてください。
「福岡シティサップクラブ」もこのイベントだけに終わらず、博多を拠点に安全にかつ大胆に水辺を利活用した活動を継続しています。
福岡の水辺の魅力を発信するミズベリングファンクラブ福岡という母船の中でSUPを博多のライフスタイルに楽しみながら取り入れていく福岡シティサップクラブという水辺ルーキーズの活躍に今後注目必須していきたいです。
まずは9月から本格的にスタートした「福岡シティサップクラブ」のSUP体験会に参加してみましょう。
朝の通勤前一漕ぎだけでなく休日の過ごし方としても、きっと新たな博多の魅力が発見できますよ。
この記事を書いた人
水主(櫓や櫂による舟の漕ぎ手・「かこ」と呼びます)
NPO法人 横浜シーフレンズ理事(日本レクリエーショナルカヌー協会公認校)
帆船日本丸記念財団シーカヤックインストラクター
水辺荘アドバイザー
横浜市カヌー協会理事
東京海洋大学大学院(海洋科学)在学中に、東京や横浜で海や港のフィールドワークをシーカヤックを通して学ぶ間に街中の水辺の魅力に引き込まれ現在に至ります。 大都市の水辺は、多くの旅人が行き交い賑わう場所で、また自然と対峙するアウトドアでもあります。 水辺をよく知ることが、町や歴史や国を知り旅の深みを増す契機となり、 また水辺の経験により自己を顧みる機会となります。 日本各地において水辺の最前線で活動しているプレーヤーの紹介を通して、水辺からの観光、地元の新たな魅力、 水辺のアウトドアスポットに触れる機会を作っていきたいです。 シーカヤックインストラクター(日本レクリエーショナルカヌー協会シーシニア)、一級小型船舶操縦士、自然体験活動指導者(NEALリーダー)。趣味は、シーカヤック・SUP(スタンドアップパドルボード)スキンダイビング・シュノーケリング・水中ホッケー・カヌーポロ・ドラゴンボート、そして島巡り旅。
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