2017.09.22 Fri

佐賀のまちなかの魅力創出の取り組み、次は水辺!
“わいわい!!コンテナ2″で名を馳せた佐賀が次にチャレンジする水辺のまちとしての魅力の再発見の取り組み

佐賀のまちなかの魅力創出の取り組み、次は水辺! <br>“わいわい!!コンテナ2″で名を馳せた佐賀が次にチャレンジする水辺のまちとしての魅力の再発見の取り組み

ついに佐賀でもミズベリングスタート!
「普段使いの水辺」を目指す佐賀チームの「クリークマルシェ」
誕生の鍵は、市民が描いたクリークの未来予想図。

2017年3月に佐賀で開催されたクリークマルシェ。「クリークを使って何しよう?」から始まる佐賀のシビックプライド。

佐賀のまちなかの魅力創出の取り組み、次は水辺!
“わいわい!!コンテナ2″で名を馳せた佐賀が次にチャレンジする水辺のまちとしての魅力の再発見の取り組み

 2017年3月18日(土)、佐賀県佐賀市呉服元町で「クリークマルシェ」が開催されました。
 このイベントを主催するのは、「さがクリークネット」。佐賀市内を流れる複合的水路「クリーク」を再び見つめなおし、新たな佐賀の観光やまちづくりのためにクリークを利活用する街の人々「プレイヤー」が集う佐賀の水辺チームです。
 その活動の基点となる場所が、佐賀城跡の北に位置する呉服元町。佐賀まちおこしの仕掛けとして設置された「わいわい!!コンテナ2」があり、アーケードの撤去や空き店舗への貸し出しも進められ開放感ある呉服元町には、裏十軒川(うらじじゅっけんがわ)という水路「クリーク」が流れています。

佐賀の水辺のキーワード「クリーク」とは?

 あまり耳にすることがない「クリーク」とは、どのような水路なのでしょうか。
 ここ佐賀平野は、世界でも有数の潮位干満差を誇る有明海と隣接しています。その干潮時に出来た澪(みお)を幹線水路として利用したものが、クリークの始まりです。
 もともと佐賀平野は、背後の山々は浅く低く、周辺からの河川流入量が少ないという環境の中、開墾や灌漑事業に伴う人口増加に際し、用水不足が頻発していました。
 そこで、潮位差で発生した澪に、3種類の手法で水を溜め込み循環利用させました。
 まず、雨水を溜め込む手法。次に、上流からの余り水を引き込み溜め込む手法。そして、下流からの上げ潮(干潮から満潮へ向けて発生する潮流)に乗る淡水を巧みに導入して溜め込む手法。この3手法で佐賀の用水不足を補ってきたのです。
 水が豊富な日本にとって、稀な環境で生み出された佐賀のクリーク。
 このようにして、生きるために必要な水を集落が各々自由に引き込んだ結果、佐賀平野を縦横無尽に毛細血管のごとく張り巡らされた全長約2,000kmにも及ぶクリークとなったのです。


佐賀市河川砂防課が作成した佐賀市を流れるクリークのみを抽出した現状の「クリークマップ」を肴に水辺談義。ひとことクリークといえど、その種類は多岐に及び、佐賀の人ですらどこが河川にあたりどこが水路なのか把握しきれていないという

クリークを彩るコンパクトなマルシェ

 さて、現在佐賀のクリークの中心地となっている裏十軒川で行われた「クリークマルシェ」。
 当日は、その両岸、旧佐賀銀行呉服元町支店の駐車場と有田焼の老舗深川青磁に隣接したコインパーキングに、佐賀県内で活躍しているマルシェ常連の約20店舗が展開。小さな2つの会場を小さな橋で結ぶコンパクトなマルシェです。中央を流れるクリークでは、隣町の柳町とを結ぶ和船の乗船体験を実施。コンパクトな水辺一体でにぎわうイベントとなりました。


個性あふれる作り手と直接会話し、作り手の想いが込められた作品や料理を購入することができる日本でも流行りのマルシェ。「クリークマルシェ」では、佐賀県内で出店している店舗でにぎわう。手作りアクセサリーや、10分間のワンコインマッサージ、ハンドドリップコーヒーや佐賀県産食材を使用したバーガーなど、佐賀にこだわりを持つ店舗が軒を連ねた(左)。
和船の乗船体験は、マルシェで賑わう呉服元町と、古民家再生で活躍している柳町とを結ぶ。佐賀の街中に架かる橋はほとんどが低い。その狭い橋脚を巧みな竿捌きで抜けるNPO法人みなくるSAGAの船頭さんに身を委ね、柳町で下船(右)。復路は柳町からウォーキングで呉服元町へと戻る陸路のコース。古い街並みがそのまま残る道沿いには恵比寿様が多く祀られている。

クリークに川床出現。1日仮設で変わる風景。

 2回目の開催となった「クリークマルシェ」。その目玉は、クリーク上に仮設された川床(かわどこ)です。
 桟橋としての機能も有した川床の設置により、1日限定でパブリックスペースとなったクリークの使われ方は、昼夜問わず様々です。
マルシェ川床
当初は、和船2隻を繋げるだけの予定だったが、想定外の仮設川床が一夜にして登場した。もちろん流路を阻害しないように設計されている。和船への乗船場としても機能する。

クリークハンモック
乗船場としての機能だけでなく、川床としても利活用された。ハンモックを載せてみると、街中で寛ぐスペースへと変化。
クリークBar③
19時から始まった夜の部では、川床は「クリークBar」と変身した。マルシェで販売されているドリンクやフードを持ち込み、水上で上映会を楽しむひととき。
スクリーンとなったのは、有田焼の老舗店である深川青磁の白壁。佐賀のクリークに関わった学生の学士論文発表や、佐賀の舟運の歴史を写真で振り返る贅沢な時間となった。映像は、白壁だけでなく、鏡のように穏やかな水面にも映る。細いクリークを街中に有する佐賀ならではの水辺の上映会だ。

佐賀といえばクリーク!佐賀の水辺に育まれたシビックプライドを有するチーム「さがクリークネット」

 このイベントを主催する「さがクリークネット」は、佐賀市街中再生会議のメンバー、佐賀県建築士会、NPO法人みなくるSAGA、佐賀大学、そして市民という多様なプレイヤーによって構成される任意団体です。佐賀平野に2000kmという規模で網の目(ネット)のように張り巡らされた複合的水路「クリーク」を再び見つめなおし、観光やまちづくりの場として利活用し、未来へつなぐ活動を行うことを目的に発足しました。
佐賀カヤック
2015年に桟橋をワークショップ方式で製作し、カヤックでクリーク散策する活動を始めた佐賀の水辺チーム。2016年に「さがクリークネット」としてミズベリングに参画した。

マップで佐賀市内を見ると、水路がまるで街の毛細血管のようになっていることが分かる。こんな水辺は、他に類を見ない。
佐賀のクリークでカヤックを漕ぐと、水路の細さと街の奥深くへと侵入していく稀有な感覚を味わうことができる。

川崎さんPF
佐賀県といえば有田市や唐津市が挙げられ、県庁所在地がある佐賀は、あまり注目されない気がします。ただ、佐賀には、江戸時代に鍋島藩家老の成富茂安が設計し、治水、利水、排水という複合機能を有したクリークという遺産が残っています。昔の人々が、水と向き合い普段から利活用してきたクリークを磨き直すこと。大切なことは、当事者意識を持って、仕事や趣味だけではなく、自らの存在価値を地域に見出す「シビックプライド」という考えです。佐賀に住み携わる人々が、当事者意識を持って佐賀で活動する「佐賀のシビックプライド」を育む場として、クリークを「普段使いできる水辺」として利活用していきたいです。

 と、話す「さがクリークネット」代表の川崎康広氏から、「未来のクリークmap」を提供いただきました。

「普段使いできる水辺」へ。「未来のクリークmap」で考える佐賀の未来予想図。

 「さがクリークネット」は、2016年夏、佐賀の市民たちと共に「普段使いできる水辺」を復活しようと考え、「未来のクリークmap」を作成しました。
 裏十軒川のクリークを対象に、「クリークでこんなことをしてみたい」という想いやアクションを描き入れて、完成した図がこの「未来のクリークmap」。裏十軒川沿いに住む人々へ説明する目的で作成された資料でしたが、「汚いというイメージが強い川で、船やカヤックを浮かべて遊ぶということが新鮮」と好評をいただき、その実現の第1弾として「クリークマルシェ」を開催するに至ったという経緯があったのです。これが、まさに佐賀の水辺の未来予想図。
佐賀「未来のクリークmap」
「未来のクリークmap」
提供:さがクリークネット

クリークマップで弾む佐賀の水辺。ついに「さが水辺ミーティング2017」開催へ!

 このマップを元に、市民や行政など分け隔てなく集い、街を語り合う場所として水辺が自然に機能していく。まさに「さがクリークネット」が目指す「普段使いの水辺」の姿を形づけるべく、ついに2017年10月1日(日)に「さが水辺ミーティング2017」が開催されます。
 この”佐賀版ミズベリング会議”を皮切りに、次のステップへと動き始める佐賀の水辺、要チェックです。
さが水辺ミーティングフライヤー表
さが水辺ミーティングフライヤー裏

  

イベント名 さが水辺ミーティング2017
開催日時 2017年10月1日(日)15時30分スタート
開催場所 わいわい!!コンテナ2前(佐賀県佐賀市呉服元町2番地内)
主催 さがクリークネット

 

Writer's Profile
糸井 孔帥
水主(櫓や櫂による舟の漕ぎ手・「かこ」と呼びます)

NPO法人 横浜シーフレンズ理事(日本レクリエーショナルカヌー協会公認校)
帆船日本丸記念財団シーカヤックインストラクター
水辺荘アドバイザー
横浜市カヌー協会理事

東京海洋大学大学院(海洋科学)在学中に、東京や横浜で海や港のフィールドワークをシーカヤックを通して学ぶ間に街中の水辺の魅力に引き込まれ現在に至ります。
大都市の水辺は、多くの旅人が行き交い賑わう場所で、また自然と対峙するアウトドアでもあります。
水辺をよく知ることが、町や歴史や国を知り旅の深みを増す契機となり、 また水辺の経験により自己を顧みる機会となります。
日本各地において水辺の最前線で活動しているプレーヤーの紹介を通して、水辺からの観光、地元の新たな魅力、 水辺のアウトドアスポットに触れる機会を作っていきたいです。
シーカヤックインストラクター(日本レクリエーショナルカヌー協会シーシニア)、一級小型船舶操縦士、自然体験活動指導者(NEALリーダー)。趣味は、シーカヤック・SUP(スタンドアップパドルボード)スキンダイビング・シュノーケリング・水中ホッケー・カヌーポロ・ドラゴンボート、そして島巡り旅。

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