2014.06.02

ミズベの右も左もわからない!
一大河川マーケット開催、奮闘記。

「たじみ河川敷サンデーマーケット実行委員会」
委員長 木本真義さん

日曜日は、多治見の街の河川敷へ!

2014年6月第1週の日曜日、快晴の青空のもと河川敷に多くの人々の賑わいが出現!岐阜県は多治見市の中心を流れる土岐川の右岸・昭和橋〜多治見橋の間の一部を使って、毎月第1日曜日に開催されるクリエイティブで楽しい青空マーケット「たじみ河川敷サンデーマーケット」がスタートしました。

市区町村ではなく、国が管理する河川敷地内において、それも自治会主催ではない“個人の思いからスタートする河川敷マーケット”は、日本全国でも初の取り組み?!まったくミズベに関する知識もなく思いつきをカタチにした「たじみ河川敷サンデーマーケット」発起人、木本さんにお話を伺いました。

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ミズベから、街はオモシロくなる

日本全国でも例を見ない、市町村が管理しない河川敷地内でのマーケット開催には、さまざまなドラマがあったと思いますがいかがでしょうか。
そうですね、私は水辺に関係する活動などを特に行ってきたわけではなく、「河川敷でマーケットをやろう!」と思いたちはしましたが、水辺に関する知識がまったくゼロのところから始まりました(笑)
まず私自身のことに関してお話しすると、高校時代を岐阜市で過ごしました。濃尾平野を流れる木曽三川のひとつである1級河川、長良川の雄大な風景がうつくしい街です。あの光景は今でも自分の原風景となっていて、同じく濃尾平野を流れる1級河川、土岐川が流れる多治見に来たときに「あ!」と思ったんです。多治見の街の人の流れを土岐川までうまくつなげられたら、この街に新しくてオモシロい流れができるんじゃないかと。そんな思いから「よし、河川敷でマーケットを開こう!」という発想に至りました。
市の中心を流れる土岐川は日ごろから多治見市民の生活の風景の一部として親しまれている。
近隣にある施設「土岐川観察館」では河川への理解を深める講座なども開かれている

とにかく実行!いざ、ミズベ活動

“思いつき”の始まりからイベント開催に至るまで、どのように運営を進められたのでしょうか。
最初は本当に、なにをどう動いていいか、まったくわかりませんでした。でもとにかくカタチにしようと、数枚の企画書を持って市役所や河川に関係しそうな機関などを訪ねてみました。最初は前例がないことなので驚かれましたが、関係各所のみなさまに親身になって話を聞いていただきました。
数枚の企画書からスタートした「たじみ河川敷サンデーマーケット」への取り組み。
開催に向けて、実行委員会では連日にわたる企画打ち合わせが開かれた

そして、河川でイベントを開催するにあたり、水辺での安全管理がいかに大切なことか、どう運営していくことがよりみんなが楽しめるイベントになるか、さまざまな観点から考える必要があるということがわかりました。また、河川敷地の使用は国土交通省の管轄ですが、河川の遊歩道の使用に関しては市役所の管轄だったりと、初めて学ぶことも本当にたくさんありました。関係各所に実にさまざまなことをご教授いただいたこと、多くの方から暖かいご協力をいただいたこと、力強いご支援をいただいたこと、それらすべてがあったからこそ、「たじみ河川敷サンデーマーケット」の開催が実現したのだと感じています。

開催場所の目の前に建物を借り上げ委員会の拠点となる「川の家」としてリノベーション。
マーケット当日は休憩所として開放しトイレ施設の利用提供や救護所としての機能も果たす

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安全面に関しては特に配慮し、警備員や交通整理といった人員の態勢を整えた

前例がない、を理由にしない

ほかの地域で行われている河川敷のマーケットの事例を調べたり資料を集めたりする中で、この「たじみ河川敷サンデーマーケット」が他と異なる点があることがわかってきました。それは、地域行政や自治会などが主体のイベント開催ではないという点です。多くの河川敷マーケットやイベントは地域住民などで形成される協議会などと連携をとって計画が進められるようですが、個人が発起人となって進めている例はよくも悪くも前例がない。「たじみ河川敷サンデーマーケット」の運営も地域住民のみなさまのご理解を得て進めてはきましたが、開催にあたり多治見市に共催としてご協力を得られることとなりました。今後の継続的運営を考える上において、他地域のような協議会の形成と連携は、ぜひとも検討していきたい課題です。

参照事例:目黒川沿い五反田ふれあい水辺広場のケータリングカーの社会実験

当日は35度を超す真夏日にも関わらず、大勢の人々で賑わった
こだわりの強い出店者やアーティストの参加などクリエイティブ色が強いのも
「たじみ河川敷サンデーマーケット」の魅力

ミズベから、多治見の街をオモシロくする!

日曜の土岐川河川敷から、今後の多治見の街の流れが変わっていきそうですね。
おかげさまで、第1回目の「たじみ河川敷サンデーマーケット」は想像以上に多くのお客さまにおいでいただき、大盛況のうちに幕を閉じることが出来ました。多治見の街の中心を流れる土岐川は、この街の財産だと思っています。京都の鴨川散策や多摩川のもみじ市など、ミズベはすばらしい交流の場であり、パフォーマーの発表となりうる場。そういった環境を整えるだけで、人々は必ず集まり、街の活気が生まれる場となると信じています。多治見のミズベに賑わいを!多治見の財産である伝統文化・風景をたのしみ、世代を超えて出会いを交流する場に!多治見の街の人が一同に集い、新たな刺激が生まれる機会を創っていける場となるべく、「たじみ河川敷サンデーマーケット」を継続していきたいと思っています。

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関連リンク

「たじみ河川敷サンデーマーケット」Facebookページ

この記事を書いた人

ミズベリング

ミズベリングとは、「水辺+リング」の造語で、 水辺好きの輪を広げていこう!という意味。 四季。界隈。下町。祭り。クリエイティブ…。 あらためて日本のコミュニティの誇りを水辺から見直すことで、 モチベーション、イノベーション、リノベーションの 機運を高めていく運動体になれば、と思います。

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