2022.03.02

ミズベがアシタの日本をきっと元気する!「アシタノミズベ会議」リポート

聴いたら元気になるラジオ!「アシタミズベ会議」はじまるよ!

TBSラジオ×ミズベリング「アシタミズベ会議」

このたび、ミズベリングは、これまで毎年開催していたフォーラムを、「アシタミズベ会議」と題し、ラジオとYouTubeライブに会場をうつして開催。

「アシタミズベ会議」は、2022年2月10日に公開生収録を行い、2月22日にTBSラジオ「アシタノカレッジ」内でオンエアされました。

水辺の規制緩和から10年
ミズベリングの活動は日本を元気にできるのか
そのためにできることは何か

こんなことをテーマにはりきって放送された「アシタノミズベ会議」

以前、この放送に至るまでついて、記事「TBSラジオ×ミズベリング「アシタミズベ会議」ができるまで」でお伝えしましたが、今回こちらの記事では、2時間近く放送されたラジオ内容の一部をピックアップしお伝えします。

アシタノミズベ会議2/10の収録風景

番組を彩るスペシャルゲストの紹介

おなじみアシタのカレッジのジングルとともに始まった「アシタノミズベ会議」。
番組の司会進行を務めるのは、古賀涼子さん。
防災士の資格もあり、以前「アシタノカレッジ」に防災士として出演されています。近年の豪雨災害の状況からも、川の防災について、みんなで考える時期にきている、と感じているそうです。

フリーアナウンサー、防災士の古賀涼子さん

そして、一緒にもりあげてくださるスペシャルゲストをご紹介。

「アシタノカレッジ」パーソナリティ、キニマンス塚本ニキさん。普段は「アシタノカレッジ」では、司会・進行されていますが、今回の「アシタノミズベ会議」では、水辺をリスナーと一緒に水辺を学びます。

「アシタノカレッジ」パーソナリティのキニマンス塚本ニキさん

またもう一人のゲストは、アロマセラピストで、アロマや植物を取り入れながら在宅介護者の心のケアや多世代間交流を通じて地域を繋げるプロジェクトに取り組み、2018年に立ち上げた一般社団法人「はっぷ」代表理事をつとめる 大橋マキさん。アムステルダムの運河沿いに暮らしたこともあり、現在は葉山で海と山に囲まれて暮らされているそうです。

アロマセラピスト、一般社団法人「はっぷ」代表理事の大橋マキさん

ちなみに、2月10日の収録の様子は、You TubeLIVEで配信されました。

生配信中も盛り上がるYou Tubeのコメント欄

ミズべがキテル!

まずは、トークテーマ1は「ミズべがキテル!」。ここ数年で、水辺がいろいろ変わってきていることについて、水辺に関わるお二人から解説がありました。

まずは、水辺の変化を創造的にもりあげてきた、ソーシャルデザインの取り組み『ミズベリング』について、ミズベリングディレクターである岩本唯史さんから説明がありました。
まだまだ、十分に活用されていない日本の水辺。ミズベリングは、水辺に対する社会的要請の中で生まれた、新しい水辺の活用の可能性を切り開くための官民一体の協働プロジェクトのことです。

ミズベリングディレクター、株式会社「水辺総研」代表取締役の岩本唯史さん

そして国土交通省水管理・国土保全局河川環境課の熊木雄一さんから、それに関連して、「かわまちづくり」制度の説明、また2011年度の河川空間のオープン化以降は、民間事業者による営利目的の利用も可能となったことの説明がありました。「かわまちづくり」制度は「かわ」と「まち」を一体になって整備できる制度。これにより、河川をどんどん活用してくことが可能になったそうです。

国土交通省水管理・国土保全局河川環境課の熊木雄一さん

海外の水辺〜なぜミズべがキテルのか?

次に、海外の視点から「なぜミズべがキテルのか?」掘り下げていきます。

まず、日本の水辺も変わってきている中、司会の古賀さんから、こんな水辺に関するニュースの紹介がありました。

2024年パリオリンピック、開会式をセーヌ川での開催!
昨年12月13日に大会組織委員会が発表された内容によると、夏季五輪では毎回、各国の代表団がスタジアムで入場行進を行ってきたが、パリ大会ではその伝統が破られることに。200以上の国・地域の選手団を乗せた160隻以上の船が、パリ中心部のオステルリッツ橋とイエナ橋の間およそ6キロ航行予定だそう。


(セーヌ川開会式イメージ/出典https://www.facebook.com/Paris2024)

セーヌ川での選手団の入場行進、きっと壮観でしょうね。実現が楽しみですね。海外でも水辺がキテる!

ニューヨークでは、ミズベがキテる!

ここでさらに世界の水辺に目を向けて、ニューヨーク在住の都市建築家、重松健さんと一緒に、ニューヨークの水辺について学びを深めていきます。

Laguarda.Low Architects共同代表、inspiring dots主宰の重松健さん

新しい交通手段としての水上交通
ニューヨークでは新しい水辺スポットが続々を登場しているそう。
「新しい交通手段の一つとして、地下鉄やバスと同じ価格帯で、フェリー網をつくろうとニューヨーク市が取り組みました。その結果、年間の利用者が60万人から1000万人になり、皆、普通にフェリーを通勤で使うようになりました。
陸上交通から忘れられた水辺でしたが、ニューヨークでは、水辺で再び魅力をとりもどしていて、水辺の開発も活発になっています」(重松)

ワクワクする水辺空間を作って、川もきれいになっていく仕組み
また、新しいスポット続々、新しい文化続々です。
「イーストリーバーでは、川に浮かぶ泳げるプラス型のプール「+POOL」を学生ベンチャーが作りました。これは、毎日200万リットルほどの川の水を浄化していく仕組みになっています」(重松)
イーストリーバーは泳ぐとお腹を壊すような川(!)らしいのですが、「水質改善しようと議論する前に、まずは皆で楽しめるワクワクする水辺空間を作って、その流れで資金も集まって、川もきれいになっていく仕組みもつくる、というお手本のようなプロジェクトだ」と重松さんは言います。


ニューヨークのイーストリバーに浮かぶ+POOL(出典:https://pluspool.org

ドラマチックな場所としての水辺の価値
その他にもあちらこちらの水辺でやりたい放題(笑)だそう。
「リトルアイランド、という島が最近オープンしました。もともと桟橋でしたが10年前ぐらいにハリケーンサンディで桟橋が流されてしまって。そこに、水上の劇場や公園として使える人工島をつくりました。あと、我が家の近所の水辺の公園でも、ワクチン摂取70%到達記念で、コールドプレイがフリーの水辺のコンサート開かれました。ドラマチックな場所としての水辺の価値は相当大きいと思います」(重松)

Little Island(出典:https://littleisland.org)

水辺の開発を起こし、同時に治水対策のお金を捻出
そんなニューヨークでは、水辺の災害へも、クリエイティブに災害と向き合っています。
「ハリケーンサンディの被害によって、マンハッタンの大半の部分が水没し、一部地域は2週間ほど停電しました。その後、川沿いは公園として整備し、スーパー堤防のような、川へのアクセスを殺さないランドスケープにしていく動きがあります。
しかし、理想はそうなのですが、それは大変コストが掛かることです。そこでフェリー網を作り水辺に人を集めたり、オフィスや住宅など水辺の開発を同時に起こすことによって、治水対策のお金を捻出して、限られた予算で堤防を作る以外の選択肢を選べるようにしています」(重松)

ここで、ニキさんから、「ニューヨークには様々な人がいると思いますが、水辺のエチケット・マナー(ルール)はどうなっているのでしょうか?」と質問が。

「完璧なルールをつくってからGOサインを出していては、この今の時代の変化のスピードについていけません。NYは良さそうとおもったら、どんどん実験してみる。そのとき多少、法と違っていてもやってみて、それで市民みんなハッピーなら法律かえようよ、となります。今後の時代はそれが求められています」(重松)

既存のルールを守ることより、今の市民のハッピーが優先。さすがニューヨーク、柔軟で合理的な考え方ですね。

川に人格?!海外のミズベ事情

ニキさん大橋さんは海外での生活経験もあるとのことで、海外の水辺の良いことでの思い出もお話しいただきました。

ニキさんが3年ほど住んでいたニュージーランドのハミルトンでは、ワイカト川という川があったそうです。
「流れが早い川だったから、入ったりはしないけど、日常的に散歩したりしていました。マオリの文化では、タニファ、水の精霊がいると信じられており、勝手に川に入ると、タニファに連れて行かれるよ、と言われています。ほどよい距離を保ちながらも水辺が生活の一部にあったんです。」(ニキ)

また、ニュージーランドは世界で初めて、川に〇〇を認めた国だそうで・・・
「ニュージーランドは世界で初めて、川に人格を認めた国。その事によって、人々への川の環境や水質への意識が変わり、川を傷つけることは、人を傷つけることと一緒、という意識が芽生えています」(ニキ)

また大橋さんは、アムステルダムの運河沿いに暮らしていた時、思い出に残っていることがあるそうです。
「プリンセングラハトという運河で野外クラシックコンサートを聴いたことです。息子と一緒にボートに乗りながら、ゆっくり空がピンク色に染まって、川も空のピンク色が写っていて、そこで聴いた音楽が印象に残っています。日常に運河がある、と感じましたね。」(大橋)

また、日常に水辺がある場所ならではの、水辺との向き合い方もあるそうです。
「小学生が運河に落ちたときのために、泳げるようにする授業があると聞いたことがあります。きれいごとだけでなく、どうやって自然に向き合っていくか、子どものころから考えている人たちだと思いました。」(大橋)

皆さんのお話から、世界の水辺から学ぶことがあり、また、海外では日常に水辺があり楽しんでいる様子が伝わってきた、テーマ1「ミズべがキテル!」でした。

あつまれ!ミスべ激愛さん

日本全国でどのようなミズベが生まれているのか?
テーマ2は「ミスべ激愛さん!」と題し、全国各地で活躍する人々=ミズべ激愛さんにお話を聞きました。水辺を愛し、水辺で活動するプレーヤーにフォーカスし、埼玉、大阪、新潟、と繋がります。

荒川を愛しすぎてしまって、荒川下りレースを実現してしまった激愛さん!

まずひとりめは、荒川を愛しすぎてしまって、荒川下りレースを実現してしまった男、ULTRA A80実行委員の藤村育三さんです。

ULTRA A80は、荒川の熊谷〜戸田まで、全長53kmを下る、川下りSUPレースです。スタンドアップパドル(略してSUP)とはボードの上にたってパドルをこいで水上を移動していくスポーツで、海では絶大な人気を誇っています。そして最近は海だけでなく、川を下るホワイトウォーター(水が落差や岩の水流の作用で、空気を多く含み泡立った状態のこと)系のSUPも人気が出てきています。
ULTRA A80は、2021年11月14日に開催され、14名の参加者によって最長7時間半にもおよぶ熱戦が繰り広げられました。

今回はこのレースがどのようにしてうまれたのか、大会を一からつくりあげた、ULTRA A80実行委員会の藤村さん、そして田村和大さん(埼玉県水環境課)、石野剛史さん(埼玉県河川環境課)橋本健太郎さん(SAITAMAリバサポコーディネーター)にお話を聞きます。

(左上)ULTRA A80実行委員会の藤村育三さん、(右上)埼玉県水環境課の田村和大さん、(左下)埼玉県河川環境課の石野剛史さん、(右下)SAITAMAリバサポコーディネーターの橋本健太郎さん

まず、埼玉県内の荒川を使ったレース『ULTRA A80』、その魅力について聞きました。

そもそもやろう思ったきっかけは、藤村さんが山から川を体験した人が少ないと感じたことから。そして、藤村さんは、山と海をつなぎ川を遊んで楽しみを伝え、そして長期的には、川を綺麗にしていきたい、と思ったそうです。
「日本の都市は水辺だらけ。でも水辺での遊び方がわからず、ファーストコンタクトが少ない人が多い。このレースをきっかけに少しでも川辺のアクティビティの例になれば良いと思ってはじめました。
荒川は、山から都市部への移りゆく河川の景色を見るだけでも楽しい、それをレースにして、川って面白いな、を伝えられたらと思って。」(藤村)

ULTRA A80の様子

ULTRA A80のレースコース、全長53km

そして藤村さんは世界で一番長いダウンリバーレースであるミズーリ州レース(なんと550kmのレース!)を体験するために、はじめて日本人で参加したそうです。
「レース参加後、自分も日本でこのようなレースをやりたい、と話して、レースのオーガナイザーに色々教わりました。そのとき、とにかくやってみる、行政と協力する、のが大切、というのを学びました。」(藤村)

そんな中、藤村さんたちのやる気をサポートするひとたちの協力もあり、このプロジェクトは実現。その一人である、埼玉県河川環境課の田村さん。 埼玉県はこのレースにどんな応援したのでしょうか。
「埼玉県ではリバサポ(SAITAMAリバーサポーターズプロジェクト)という、川との共生や川での新たな魅力・賑わいづくりのサポートするプロジェクトをやっています。この一環でこちらのレースも協力しました。具体的には、許可関係の調整〜どういう許可が必要なのか・どこに相談するのか、の支援ですね。またこちらのレースの魅力などの情報発信の支援もしました。」(田村)

田村さんは当日、リバサポのTシャツを着て収録に臨んでくれました
また、2月22日のラジオ放送時には、SAITAMAリバサポコーディネーターの橋本健太郎さんから「河川域の繋がりを意識して、近い未来、荒川をはじめ様々な場所で川を大切にできるコミュニティをつくっていけると素敵ですね」、そして埼玉県河川環境課の石野剛史さんからは「ULTRA A80の他にも埼玉県ではオーダーメイドで水辺を作る水辺でベンチャーチャレンジを進めています。これからも埼玉の水辺をガンガン攻めていきます!」と、コメントも寄せられました。

こちらの取り組みについて、ミズベリングディレクターの岩本さんは、「広域行政の方がソフトの支援をするのはなかなかできないがそれをやられているところがすごい」と解説。
また、大橋さんからの「(行政内の上長などといった)上に話したりするのが難しかったのでは?」との質問に、田村さんは、「レースは11月に実施したが、レースの話を聞いたときは、夏でした。初めてその話聞いた時、私と藤村さんは握手して、やりましょう!まずやってみないと!」と回答。
これにはスタジオでも、すばらしい、川でなにかやりたいときに、リバサポさんのような窓口がどこの川にもあったらいいですね、と盛り上がりました。

リバサポさんのような窓口がどこの川にもあったらいいですね、と盛り上がるスタジオ

高速道路の高架下の川を愛しすぎてしまって、16年越しの夢実現した激愛さん!

2組目は、高速道路の高架下の川を愛しすぎてしまって、16年越しの夢を大阪の東横堀川に実現してしまった、β本町橋の杉本容子さんの登場です。

「水都大阪」の取り組みで有名な大阪ですが、今回杉本さんは、大阪の水辺の取り組みの中でも一味異なる東横堀川という川の河畔に2021年8月にオープンしたβ本町橋という拠点の取り組みを紹介してくれました。

株式会社ワイキューブ・ラボ代表、一般社団水辺ラボ代表理事の杉本容子さん

まず川の話に入る前に、この地域について杉本さんに教えていただきました。

「東横堀川は、川の上を阪神高速が通っており、東京でいうと日本橋川みたいな雰囲気の場所です。もともとは、大阪城の外堀として掘られた、歴史あるエリアの川。近年はちょっと汚い、怖い、とかのイメージがありました。」(杉本)

東横堀川

そのエリアでまちづくりとして、杉本さんたちは、2006年から様々な活動を行っていました。
「最初は施設(β本町橋)ができるとは思っておらず、16年間地道に掃除したり、老舗さんとイベントやったり、近くにある能楽堂と一緒に能舞台をしたりしていました。2009年にウッドデッキを社会実験として設置して、そこに「使いたい人電話してください」と書いておいたんです。」(杉本)
すると、「ヨガをやってみたい」、「水辺で会議やりたい」など続々と水辺でやりたいことの声が集まってきたそう。

2006年から続けている清掃活動

川舞台で能を

そのことから、使ってみるとより発見がある、ということを改めて杉本さん達は思ったそうです。
「色々な人が使い、それぞれが魅力を発見していくことが、水辺の活性化に一番なんだな、と感じました。」(杉本)
そして、それらの活動を、街のちからとして・日常として継続していきたい、そして、色んな人が使える施設が水辺にあることが街の力になるになるのではと杉本さん達は考えました。そして「ハイブリット公民館」である「β本町橋」を地域の皆で立ち上げることに。
ちなみにβの意味は、未完成・いつも実験してるという意味だそう。

2021年にオープンした、β本町橋

建物は2階建て。都心には珍しく木造で、吉野杉をつかっています。川に面した一階は、カフェ、船の待合、まちの本屋さんなど、どなたでも気軽に入れる屋根付きの公園として運営されています。
まちに面した二階のフロアはレンタルルームとしてセミナーやワークショップなどに自由に使えます。
桟橋の上には、船が止まっていて、ここから発着してクルーズが楽しめ、また水上自転車やSUPの体験もここでできるそう。
公園を使ったマルシェも開催されており、まちの日常の一部となるようなそんな場を目指しているのが、杉本さん達の活動です。

You TubeLIVEで配信された、β本町橋の様子、ぜひ行ってみたい!

信濃川を愛しすぎてしまって、新潟を水辺のまちに変えちゃった激愛さん!

3人目のミズべ激愛さんは、信濃川を愛しすぎてしまって、新潟を水辺のまちに変えてしまった「ミズベリングやすらぎ提研究会」の鈴木寿行さん、株式会社スノーピークの西條拓一さんです。

「ミズベリングやすらぎ提研究会」の鈴木寿行さん(右)、株式会社スノーピークの西條拓一さん(左)

最近新潟の中心市街では、新しい水辺の楽しみ方が定着して、新潟の新しい文化になろうとしています。新潟では、ミズベリングする、っていうとこのやすらぎ堤で楽しむことを指すそうなのですが、鈴木さんはこの楽しみ方を最初にやりはじめた方です。

鈴木さんは最初、信濃川の万代橋そばの水辺で、イベントとしてお祭りを実行されたりしていましたが、「このまま1日のイベントで終わらせてはダメだ」と感じたそうです。
そして生まれたのが、万代橋サンセットカフェ。鈴木さんはテントとアウトドアテーブルを置いて、河川敷で仮設の飲食店を試験的に始めます。

「当時はこの内容が理解されてないとこもあり、周辺の住民からクレームがくることもありました。しかし年々やっていくなかで、周辺から認められていくようになります」(鈴木)
鈴木さんの地道な営業で、少しずつ理解者が増えていきます。

鈴木さんのお店の成功をみた行政は、もっと大々的に規制緩和しようと、2016年より広範囲のエリアが対象エリアに指定されます。その後、スノーピークが参画します。


スノーピークが参画すると、最初は空間づくりで、自社のテントやタープなどの製品で魅力アップすることに成功したのち、コンテンツについてもスノーピークらしさを発揮。
「焚火を囲んで気軽に語り合うイベント、「アーバン焚火トーク」、外でミーティングできる「キャンピングオフィス」、など、またスノーピークがもともと各地で展開しているイベントなどをやすらぎ堤で実施しました。また、地域の企業の方に提案してもらって、水上のコンサート・水上結婚式など、数多くのイベントを実施してきました」(西條)

ちなみに現在の水辺アウトドアラウンジ「やすらぎ堤」の様子はこちらからご覧になれます。

このように新潟では、新しく水辺の文化ができあがるまでに、まずことを起こす人がいて、その精神を引き継いで、その人の新しいやり方でさらに魅力をつくっていくことが起きています。行政と民間、そしてそこに暮らす人の思いが重なって、今のやすらぎ堤があるのでしょう。

また、ラジオ放送時にリスナーの方からは「こちらのやすらぎ堤、マジでおすすめします!」とコメントが寄せらせていました。とても人気なエリア、というのが伝わってきますね。

テーマ2「ミスべ激愛さん!」トークを通して国土交通省の熊木さんは、
「皆さんの水辺愛が伝わってきました。また積み重ねの苦労があったことも改めて感ています。河川と聞くと難しいと感じる方も多いと思いますが、河川を利活用することは、非常に大事だし、今の時代求められています。そしてそれは、行政だけではできず、激愛さんのような地域の皆さんの活動が不可欠です。また、その活動が水辺だけでなく街へ広がっていくといいですね」(熊木)と語りました。
そして司会の古賀さんも、「三組の水辺激愛さんのお話から、一つ一つ地道に人を育てたり、小さな行動から重ねることで、今回紹介していただいた取り組みがあること、改めて伝わってきますね」と話しました。

河川を利活用することは、行政だけではできず、激愛さんのような地域の皆さんの活動が不可欠、と語る熊木さん。小さな行動から重ねることで、今回紹介していただいた取り組みがある、と古賀さん

番組に寄せられたリスナーさんの推し水辺

そしてラジオ放送時には、聞いてくださったリスナーの皆さんから各地の水辺推し情報がたくさん届きました。

「これから推したい水辺は八王子!暮らしの直ぐそこに水辺があって遊べる、集えるポテンシャルがたくさん。市と議会が一緒になって動き出しています!」
「故郷秋田の八郎潟。生まれたときからハタハタと食べていたけど90年代に禁漁になった。日常にあるものが突然消えたのが印象に残っている」
「地元の四万温泉の川の透明度をみてほしい!」
「広島の蛍の飛ぶ小川やハヤの棲む用水路、市内中心部の穏やかな水辺」

他にも「京都の伊根の舟屋にいってみたい」「水辺っていろんな生態系が暮らすから開発に十分な配慮を」など、様々なコメントが寄せられました。

トークセッション 「ミズべの価値」

続いては、“日本のミズべの未来を考える”トークセッションです。
スタジオには、ここから、もうひとかた、ゲストをお招きしました。水ジャーナリストの橋本淳司さんです。橋本さんは、ここまでのトークを聞いて、「激アツの水辺のシャワーを浴びた気分です」とコメント。

水ジャーナリストアクアスフィア・水教育研究所の橋本淳司さん

テーマ3では「ミズべの価値」。水辺のプロや水辺の達人たちによるトークセッションを行います。
水辺にはどのような価値があるのか?水辺のもつ可能性は?一緒に考えました。

ミズベリングがはじまって、どう変わったのか

まず、ミズベリングがはじまって、どう変わったのか、について。ミズベリングディレクターの岩本さんは、水辺で活動する人はミズベリングをはじめる以前からいた、といいます。
「ミズベリングがはじまってみて、各地でこんなにやる気がある人がいたんだということがわかりました。その人達を応援したら、もっとその活動が広がっていったんです。私達はもともとあった水辺の活動の舞台をつくった形。水辺を愛する気持ちを表現する場所が求められていたんだな、と感じています」(岩本)

また、コロナ渦において、水辺の本質的な価値に皆が気づき始めた、と橋本淳司さんは言います。
「コロナになって感じることは、皆が近くの水辺に行って癒やされている。今までに近すぎて気が付かなかった、「水辺の人が本質的に癒やされる価値」を再認識するコロナ渦の二年間だったと思います」(橋本)

またニキさんも以前、水辺で、川にいるカモを眺めながら、癒やされたことがあるそうです。
「私もこのコロナの時期に水辺で癒やされた一人ですが、密にならずに同じ水辺空間を楽しむ、きっかけがもっと作れないかな、と感じました」(ニキ)

また、橋本淳司さんはミズベリングの活動が盛り上がっている理由に、「人間は水の動きの中に暮らしがある」からと分析します。
「人と水の距離は、遠くなったり近くなったりを繰り返している。近代のまちづくりは水から(人を)守るように作られていて、なるべく水を早くまちの外に出す設計になっている。それが最近は少しずつ変わってきていて、やっぱり人間は水の動きの中に暮らしがあるのではないか。水循環、つまり降った雨が海に行くまで、という言葉がありますが、それと共に人の生活があるのでは、という風潮になってきている。そのような流れの中でミズベリングの活動も盛り上がりを見せてきているのではないかと思います。」(橋本淳司)

人間は水の動きの中に暮らしがある、と橋本淳司さん

地域の水辺への期待とは

大橋さんは水辺に暮らす人として、水辺への思いを語ってくれました。
「私は葉山に住んでいるので、逗子海岸ではよくジョギングしたりしていて。逗子の人たちは、海岸つまり水辺をみんなのリビングルームとして使っていると思います。ある人はSUPしたり、サッカーしたり、焚き火したり。みんな思い思いに使っています。その中でクレームなどもあったりしますが、皆で一体感をもって価値を高めていくんだ、という意識付け必要だと思っていて。そのためには皆で見ている景色を共有することが大事なのではないでしょうか」(大橋)

水辺は皆がリビングルームとしてつかっている印象、と大橋さん

それに対して岩本さんは、「地元の人が景色や風土を地域の財産としてどうゆう風に共有するのかも、ミズベリングでは大事にしている。」と言い、大橋さんといった水辺の地域の方からそのようなコメントを聞けて嬉しい、と語りました。

規制緩和から10年、ミズベリングの未来

規制緩和から10年、今後のミズベリングはどうなっていくのか?岩本さん、熊木さんが想いを語りました。

「水というと、きれいな水質などが重要視されて話されがちだが、それ以前に水のそばにいったら癒やされるよね、という人がそこに行くと人間らしくいられる、という本質的な価値を皆さんに伝えていきたいです。そこから水辺を地域のためにどう活かしていこうか、という話がどんどん広がっていくのではないのでしょうか」(岩本)

水辺の本質的な価値を皆さんに伝えていきたい、と岩本さん

「河川をよりよくしていきたいのは、官民問わず一緒の想いだと思っています。そのために我々行政としてもできることはやっていきたい。また、民間の皆さんからの提案も積極的に取り入れる環境になってきています。
規制緩和やかわまちづくり施行してから、この10年は、日本の水辺はどんどん変わってきています。整備しておしまい、ではなく、行政や地域の皆さんが水辺に関わり続けられる仕組みづくりをつくっていきたいです。」(熊木)

行政や地域の皆さんが水辺に関わり続けられる仕組みづくりをつくっていきたい、と熊木さん

次は、水辺の仮設スタジオでラジオ!?

トークも終盤に差し掛かり、「ここまで話を聞いてきて、日本の新たな魅力として世界にミズベが発信できる状況になるのでは、とワクワクしてきました。」と、ニキさん。

そこで、司会の古賀さんからの「水辺でやってみたいこと」の質問に、ニキさんから嬉しい発言が。
「そうですね、水辺でやってみたいことがあるとすれば・・・。
アシタのカレッジの仮設スタジオを水辺につくって、放送・発信してみたいですね。リスナーさんも参加してもらって、水辺から発信していきたいです」(ニキ)とコメント。

水辺の仮設スタジオで放送してみたい、とニキさん

その発言に「スタジオつくるなら、水に浮くものにしてほしいですね!」と橋本淳司さん。ニキさんも「絶対やりたいですね。浮かぶラジオスタジオ!」岩本さんも「ぜひやりましょう!」と大盛り上がり。

そんな盛り上がりの中、「アシタノミズベ会議」は、幕を閉じました。

水辺の仮設スタジオからのラジオ放送!たのしみですね。

エンディング〜リスナーさんからのコメント

ラジオ放送のエンディングでは、今回の「アシタノミズベ会議」を聴いていたリスナーさんから多くのコメントが寄せられました。

「川の真上の高速道路を移動して日本橋川がお天道様の下に。そんな計画が進んでいるよ!」
「スカイツリー脇の隅田川の整備はよかったね!のんびり歩くのにはちょうどいい」
「多摩川に遊びに行く途中に氷のアイスを買ってもらって川辺で食べて、そのアイスのカップにたくさんのメダカを採った」などなど。

たくさんのリスナーの皆さんからのコメントを見ると、やはり水辺は暮らしの中で大きな割合をしめているのかも、と感じます。ラジオでリスナーさんからのコメントを紹介していたニキさん。改めて「未来の水辺を想像すると、ワクワクしてきますね。いつか本当に水辺で放送やりたい!」とコメントして番組のエンディングとなりました。

ミズベがアシタの日本をきっと元気する!

さて、2時間に渡り放送したTBSラジオ×ミズベリング「アシタノミズベ会議」。

こちらの内容、詳細は、YouTubeで期間限定で2022年3月31日まで配信されています。
またTBSラジオアーカイブチャンネルからも期間限定で配信されています。ラジオの方では、You TubeLIVEの内容に追加して、ニキさんのトークやリスナーからのコメントが聴けます。また番組内でかかる曲の選曲も、水に関わる素敵な曲ばかりなので、ぜひ聴いてみてください!

詳細についてはこちらの「アシタノミズベ会議」ホームページに掲載されています。
お友達に共有したい、と思った方は、ぜひシェアお願いします。

 

世の中、暗いニュースが多いですが、今回ラジオで紹介した方々のように、前向きに自分の生活を豊かにしようとしている人がいて、また、部門の垣根をこえてサポートする人がいることに、今回のラジオを聴いて改めて知る機会になりました。

この放送を聞いて、皆さんが元気になって、自分自身でも何かできないか考えるキッカケになれば嬉しいです。

ミズベがアシタの日本をきっと元気する!

収録のメンバーでの記念写真、当日は現場にブルーマンも登場!

みなさんありがとうございました!

この記事を書いた人

ミズベリング

ミズベリングとは、「水辺+リング」の造語で、 水辺好きの輪を広げていこう!という意味。 四季。界隈。下町。祭り。クリエイティブ…。 あらためて日本のコミュニティの誇りを水辺から見直すことで、 モチベーション、イノベーション、リノベーションの 機運を高めていく運動体になれば、と思います。

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