2018.09.25

おしゃれなリ・BARと次のステージ構想 少子化と定住化対策を水辺で解消する!

平成24年度から始まったおしゃれなリ・BARは、それまで日野川に訪れる事が少なかった20代から30代をターゲットとして、水辺でBARをオープンする事で、日常の水辺を上質な空間に仕立てることにチャレンジしました。当初、水辺や道路を利用した「オープンカフェ」が全国的に動き始めた頃で、福井県内ではアルコールが主体となるイベントはほとんどありませんでした。かつて訪れたニューオリンズのフレンチクォーター地区にあるバーボンストリート。そこには京都の町屋造りのような長細い建物にライブハウスやBARが軒を連ねています。音楽とお酒、会話と笑顔が交錯し街には熱気とエネルギーが渦巻いていました。あの熱気が水辺でできないものか。ミシシッピから日野川へ。そう思い、今思えば県内でかなり尖ったコンテンツを打ったのかもしれません。素敵な装いで多くの若者が集まり、飲んでおしゃべりして、川風を感じて音楽に酔う。夏の夜に一夜限りのリ・BARが誕生した瞬間でした。

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あれから7年、一夜限りから3日間への営業へと発展し、現在では5日間営業する規模にまで成長しました。リ・BARは営業活動によって少子化・定住化対策を解消するエコノミー活動。助成金や補助金はありません(什器等補充に迫られ過去に一度だけ補助金を利用した事がありますが)。天気などによって赤字になることもあります。だからこそ、出店者も運営側も必死になるのです。お客様がどのように水辺でゆったりと過ごせるのか、水辺を楽しめるのか、水辺を好きになるのか。日野川には出店者もお客様もリピーターが多くやってくるようになりました。本当に水辺が好きな人たちが生まれているのです。

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行政との取り組みにも大きな変化があります。当初、20mもの大型テントの設置にとてつもない費用がかかっていましたが、市役所が河川公園のさらなる利活用のために、地中内にアンカーを設置しました。これで大型テントの設置費が軽減されたほか、他のイベント時にもテント設営には大きな効果がありました。そして昨年度は、日よけテントを始め、BBQエリア、上下水道、駐車場と、一気に設備ができました。これによって毎週多くの人が日野川を利用することになりました。

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これらの河川公園の改修には、「リバビズ大学in日野川流域交流会」が過去に提出した「River Renovation Report」で提案した日野川河川公園の13のバグと解消法が根底にあります。つまり、市民団体と行政が同じテーマに向かい共同することで、水辺のリノベーションを進めているのです。現在では、市設営の日よけテントには民間投資によるテーブルセットなどが置かれ、利用者の人が自由に利用しています。これを「小さな小さなPPP/PFI」と呼び、公民連携を仲良く進めています。

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今年のリ・BARは、このような設備のお披露目も含めたオープンでした。あいにくの天候もあり、例年より入場者が伸びな悩みましたが、出店者もお客様も笑顔が絶えず、今年も水辺ファンが大勢集まったことは今後の方向性の大きなヒントになります。

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おしゃれなリ・BARは一年に一度ではなく、毎月・毎週と常にオープンしている空間に仕上げて行きたいと考えています。水辺ではかつて多くの生業がありましたが現在はそのほとんどが消滅してしまいました。私達は不易流行で、水辺で新たな経済を再起動する事が1件でも少子化と定住化対策へとつながることを信じ、エコノミー活動を続けています。今後は水辺にBBQやBARだけでなく、ビジネス、教育、医療、介護そして観光などのエッセンスを水辺に注ぎ込み、水辺からつながるまちづくり、つまり川のあるまちへと発展させて行きます。いつまでも生き活きと流れる日野川を次の50年に。魅力あるオモロいまちをこれからも次へと繋いでいきます。

この記事を書いた人

田中 謙次

越前市生まれ。子どもたちへの川の体験活動や安全指導者でありながら、ランドスケープデザインで「おしゃれなリ・BAR」などリバー・シェアリング・エコノミーに取り組んでいる。氣づきと共感を大切に、不易流行で目指すは田舎ならではの上流社会。

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