2014.03.03

80年にも渡る長期プロジェクト
「すみだ川アートプロジェクト」

80年後の隅田川のために、
アートを通してできること。

アートのチカラで、隅田川再生をめざす

ご存知だろうか?80年もの長期にわたるアートプロジェクトが、東京を代表する河川、隅田川で展開されている。
その名も「すみだ川アートプロジェクト Sumida River Art Project/SRAP」は、重要な地域資源である隅田川に着目し その再生を願い“80年後の隅田川のために、アートを通してできること”を追究する活動。
地域市民、アーティスト、そして隅田川沿いに本拠を構えるアサヒグループ芸術文化財団やアサヒビールなど、さまざまな立場の人々が集い、みんなでたのしむ「川の手文化の発信」を続けている。

隅田川を、アートする

SRAPスタート当時は「隅田川」をテーマにプロジェクトを実施、展覧会形式で活動を報告するスタイル。初回となった2009年は参加型アーティスト集団「wah(ワウ)」を迎え、「隅田川でこんなことがあったらいいのに」というお題に隅田川両岸や浅草・両国界隈を歩きながら道行く人々にヒアリングをし、300件を超えるアイデアの中からとびきりおもしろいものを選び、実際に再現してみた。集まったアイデアも、「実際に入れる湯船をつくる」「川の上でゴルフをする」「隅田川で採れた食材で鍋を囲む」など、発想には広がりがあり自由でユニークだ。

湯舟上から、湯舟とボートST

翌年は「未来へ号」で車上生活を続けながら、「未来へ」というメッセージを発信する表現活動を展開しているアーティスト、遠藤一郎氏がプロジェクトメンバーに。東京湾河口から隅田川の源流である甲武信ヶ岳まで約173㎞、流れを遡りながら採集したものたちを地上に並べ、「隅田川いまみらい郷土資料館」を企画し、隅田川が置かれる環境について考えた。

隅田ゴミ落とし物 自然採取の図

“誰もが表現を楽しむ場”づくり

SRAP3年目以降は、より地域の結びつきを重要視した方向に舵を切る。毎月1回、寄り合いが開かれ、“みんながやりたいことを、みんなでたのしむ”ための話し合いを重ねながら、企画を進めるようになっていく。つくりあげたいのは、“誰もが表現することを楽しむ場”だ。2011年から開始された、隅田川に浮かぶ船や隅田川テラスなどを舞台に、300名以上の一般参加者がみんなで自由に音楽と表現を楽しむSRAP最大のプログラム『アンサンブルズ・パレード/すみだ川音楽解放区』も、“みんなで楽しむ場”を追求することから生まれた。ダンスやバリガムラン、バリ舞踊も登場。最後の締めくくり、一人一人の魅力とエネルギーが結集する全参加者による即興大合奏は必見だ。

どうなる!?SRAP2014

第6回目を迎える2014年は「江戸を遊ぶー江戸の食(仮称)」と銘打ち、隅田川に親しみ、遊んだ江戸の人たちをいまに翻訳し、隅田川をアートで遊ぶさまざまなプロジェクトを実施する。
おりしも昨年は “和食”がユネスコ無形遺産に登録され、脚光を浴びている。隅田川と江戸の食はどう結びついてきたのか、現代のアートとどう結びつくのか。今年のSRAPも目が離せない。

【すみだ川アートプロジェクト2014】

会期
2014/6/14(土)~7/31(木)
詳細
http://www.asahibeer.co.jp/csr/soc/activity.html

■すみだ川アートプロジェクト事務局

問い合わせ
すみだ川アートプロジェクト事務局(アサヒ・アートスクエア内)
所在地
〒130-0001 東京都墨田区吾妻橋1-23-1 スーパードライホール4階
TEL
090-9118-5171
FAX
03-5608-531
E-MAIL
aas-srap@arts-npo.org
備考
※11:00-18:00/火曜定休

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ミズベリング

ミズベリングとは、「水辺+リング」の造語で、 水辺好きの輪を広げていこう!という意味。 四季。界隈。下町。祭り。クリエイティブ…。 あらためて日本のコミュニティの誇りを水辺から見直すことで、 モチベーション、イノベーション、リノベーションの 機運を高めていく運動体になれば、と思います。

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