2016.06.14

各地の水辺のプロジェクトが受賞ラッシュ!

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受賞ラッシュ!水辺の時代、本格的に到来!?

こんにちは。ミズベリング・プロジェクト編集部イワモトです。
暖かくなって,一気に水辺が盛り上がっていますが、さらに嬉しいニュースがたくさん飛び込んできました。私たちにもなじみが深い各地の水辺のプロジェクトが、受賞ラッシュです!
今回各賞を受賞されたみなさまをご紹介します。

マーチエキュート神田万世橋が建築学会賞を受賞

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ミズベリング万世橋会議が行われた会場でもある、マーチエキュート万世橋が、近年中に完成した学術・技術・芸術などの進歩に寄与する優れた業績が選ばれる2016年日本建築学会賞(業績)に「明治の鉄道遺構としての万世橋高架橋の再生保存と地域活動」として選ばれました

受賞理由に「 水辺空間再生への活動」がふくまれており、水辺に親水テラスをつくったことのみならず、一般参加のイベントや勉強会を催して現代に「水際の風景と賑わい」を再生させるべく継続的な活動を行っていることが、評価されました。

今回の受賞は、東日本旅客鉄道株式会社、運営されている株式会社JR東日本ステーションリテイリングの三井剛さん、設計を担当された設計事務所株式会社ジェイアール東日本建築設計事務所の冨加見正二郎さん、みかんぐみの加茂紀和子さん、曽我部昌史さん、竹内昌義さん、マニュエル・タルディッツさんみなさま共同での受賞だそうです。おめでとうございます。

代表して三井さんから受賞コメントをいただきました。

岩本唯史
三井さん、おめでとうございます
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ありがとうございます。このプロジェクトに携わった皆さんのお蔭で、貴重な賞をいただくことができました。
岩本唯史
受賞した感想をお聞かせください。
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実に身の丈に合わない賞をいただいたと恐縮しております。と言うのも、私自身、普段からアカデミックな活動を主体としている訳ではなく、商業事業者としてこの場所の価値向上や地域の活性化を常に考えて行ってきた活動が、日本建築学会様から評価いただけるとは思ってもみませんでした。今回の受賞は多くの関係者の皆さまの“想い”をカタチにした成果ではないかと考えると、携わった皆さまに感謝の想いでいっぱいです。
岩本唯史
受賞理由には、水辺空間再生への活動、というのも挙げられていました。
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歴史ある神田須田町というロケーションや連続したアーチ空間など、この場所の魅力を構成する要素はたくさんありますが、水辺空間という要素も大変大きな魅力だと計画当初から考えていました。しかも魅力的なロケーションにも関わらず、機能性や経済性を重視して水辺の魅力を活かしてこなかった改修前の姿は、東京の街づくりが歩んできた近年の歴史と重なりました。今回私たちは着眼点を場所・地域の持つ価値の再生・向上と定め、その価値に共感いただいた多くの皆さまとともに様々な取組みを行いました。手法としては決して新しいことではないですが、こういった方々のご協力あってのことと思っています。
岩本唯史
全国の水辺関心層の方々へコメントがありましたら、おねがいします。
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今回の私たちの取組みが、微力ながら水辺の魅力を見直すきっかけとなり、更には東京の街の新しい魅力づくりに寄与できればと思っています。

三井剛さん

株式会社JR東日本ステーションリテイリング
代表取締役社長
1995年 東京理科大工学部建築学科卒業
一級建築士

そのほか、建築に贈られる賞のうち、2016年建築学会作品選奨に、鴨川の水辺につくられたザ・リッツカールトン京都が選ばれています。建物のなかにも清流をつくっていたり、鴨川に沿って低く建物をつくっていて、鴨川の川辺とともに映る姿がすばらしいラグジュアリーホテルで、いつかは泊まってみたいものです。

建築学会賞の受賞作品の解説はこちらから(PDF)

中小企業庁の「はばたく 商店街30選」に
沼津あげつち商店街振興組合

2015年3月15日に行われたかのがわマーケットの様子

つづいて、地域の特性・ニーズを把握し創意工夫を凝らした取組により、地域コミュニティの担い手として商店街の活性化や地域の発展に貢献している商店街の取組事例を選ぶ、中小企業庁の「はばたく 商店街30選」に、ミズベリングかのがわ会議でも中心的な役割を担われていた小松浩二さんが理事長をつとめられる、沼津のあげつち商店街振興組合さんが受賞しました。

PDFへのリンク

地域を代表して、ミズベリングかのがわ会議でも大活躍だった小松さんが受賞式典に参加されました。

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林経済産業大臣とにこやかにツーショットをされている小松理事長

岩本唯史
小松さん、おめでとうございます
komatsu
ありがとうございます!
岩本唯史
受賞した感想をお聞かせください。
komatsu
やはり嬉しいですね。でも実際のところ商店街のみなさんは「え?自分たちが?」という反応です。
私たちは特別なことをしていた感覚はないのですが、今まで商店街を運営されていた諸先輩、そして商店主の奥さまの集まり ‘おかみさん会’のみなさんに改めて尊敬の念を抱いています。
岩本唯史
受賞理由には、「一級河川の狩野川という地域資源を活用 した市民参加型のコミュニティ形成を誘客の方針として定めた。」など、水辺を地域の資源として捉えて、そこを集客やコミュニティ醸成の鍵としたことが挙げられていますが、小松さんはそのことをどう思いますか?
komatsu
沼津の街中には河川がありながら、街の再開発と共にその水辺の魅力が活かされなくなりました。3年前からその資源を活かそうと国土交通省、沼津市、そして商店街などが協力して様々な取り組みをしてきました。
徐々に、水辺に想いを寄せる方が河川敷に集まり、その方たちと商店街の連携も始まりました。市民目線の使い方を商店街として行政と共に考えられたことがポイントだったような気がします。
岩本唯史
全国の商店街の取り組みにとって、水辺を活かすという先進事例になったと思いますが、今後の意気込みやみなさんへのメッセージがありましたら、お願いします。
komatsu
商店街には様々な課題があります。時代と共に変化するものを商店街はフレキシブルに受け入れつつも、あたりまえにある地域の資源という普遍的価値をもっと活かしていかなくてはならないと思っています。
水辺と商店街との動線をイベントなどきっかけに日常の賑わいにつなげ、各商店にももっとメリットがあるようにしたいと思っています。
岩本唯史
ありがとうございました!
小松浩二さん
沼津あげつち商店街振興組合理事長。
伊豆・富士山麓の野菜のセレクトシップREFS(レフズ)を沼津と熱海で運営。
地域メディアの沼津ジャーナルを主宰する。

水都大阪の取り組みが都市計画学会最高賞である石川賞を受賞

「水都大阪のまちづくり」によって、美観と河川空間に賑わいが生まれてきた。

つづいて、2015年度の都市計画学会賞が4/20に発表されました。なんと、最高賞である石川賞に、「水都大阪のまちづくり」(受賞者:水と光のまちづくり推進会議、一般社団法人水都大阪パートナーズ、水と光のまちづくり支援本部(水都大阪オーソリティ)、橋爪 紳也、嘉名 光市)の取り組みが選ばれました。

大阪のこれまでの魅力ある水辺のまちづくりに改めて敬意を表したいと思います。個人的には、受賞者に水都大阪を推進してきたの二つの官民連携組織、パートナーズとオーソリティが入っている事が、とても象徴的だと感じています。

代表して橋爪紳也先生にコメントをいただきました。

岩本唯史
橋爪さん、おめでとうございます
hashizume
ありがとうございます。かつての水都大阪を復活させる、官民連携の都市再生プロジェクト「水都大阪のまちづくり」が賞の対象になりました。2個人3組織での共同受賞ですが、私は、個人として、さらに府市経済界トップに有識者である私が参画した「水と光のまちづくり推進会議」(会長=尾崎裕・大阪商工会議所会頭)の一員として、双方で受章させていただきました。
岩本唯史
受賞した感想をお聞かせください。
hashizume
 2001年に都市再生プロジェクトの認定を受けて以降、道頓堀や中之島周辺の水辺空間の整備をすすめてきました。2009年には、河川法の規制緩和を受けながら、中之島周辺で河川空間の民間利用を推進してきました。その後、河川空間の夜景創出、木津川沿いや道頓堀の遊歩道整備、大正区や中央卸売市場周辺での河川空間の利活用など、産官学連携によるさまざまな取り組みを続けてきました。私は当初より、専門家の立場で、一連の事業に深く関与してきました。活動を継続してきた点が、都市計画の分野においても高く評価されたものと思います。感慨はひとしおです。
岩本唯史
受賞理由には、水辺のかつてない魅力を多数創出されていることもそうですが、それを実現させるプロセスについての言及がたくさんありました。
hashizume
行政が主導したハード整備に加えて、民主導による水辺の利活用の促進、さらには「水の都」というかつての良い都市イメージを回復する契機となった点などを、高く評価していただけたと思います。また官民の有機的連携をめざす、実効性のある推進組織を構築してきた点も、全国に類例のない先進性だと自負するところです。今回の受賞を励みに、さらに先に進みたいと思います。
岩本唯史
ありがとうございました。

medal

日本の都市計画発展に尽力した、石川栄耀(1893年9月7日 – 1955年9月25日)の名前を冠した石川賞のメダル。
「水都大阪のまちづくり」の歩み
2001年 「水都大阪の再生」内閣官房都市再生本部都市再生プロジェクト認定
2002年 「水の都大阪再生協議会」、「花と緑・光と水懇話会」設立
2003年 「水の都大阪再生構想」策定(水の都大阪再生協議会)
2003年 「大阪花と緑・光と水まちづくり提言」(花と緑・光と水懇話会)
2004年 とんぼりリバーウォーク供用開始
2008年 ほたるまち建設
2009年 八軒屋浜・川の駅はちけんや、中之島公園再整備など、一連の整備事業が完了
2009年  水都再生事業の進展を記念する「水都大阪2009」開催
2009年 河川法の規制緩和を受けて、北浜テラス、中之島バンクスなどが具体化
2010年 「水都大阪推進委員会」設立
2011年 「水都大阪水と光のまちづくり構想」策定(水都大阪推進委員会)
2013年 「水と光のまちづくり推進体制」発足
橋爪紳也さん
大阪府立大学21世紀科学研究機構教授。
1960年大阪市生まれ。
京都大学工学部建築学科卒、同大学院修士課程、大阪大学大学院博士課程修了。工学博士。
『「水都」大阪物語』『瀬戸内海モダニズム周遊』ほか、著書は70冊を越える。

また、福岡市の天神地区の取り組みも都市計画学会石川賞を受賞されていました。受賞理由に水辺への言及はなかったものの、水上公園のあたらしい取り組みがすすんでいますし、ミズベリングJAPANでの西鉄の花村武志さんのプレゼンテーションもとても印象深いものでした。
こちらもこころよりお喜び申しあげます。

編集後記いかがでしたでしょうか?
この3つの受賞は、全国数千万のミズベリストたちに勇気と希望を与えるニュースだったのではないでしょうか?水辺の魅力創出が現象として現れて社会的評価を受けたという新しいフェーズへの到達を実感させるに足る出来事でした。
でもまだまだこれからミズベの躍進が続きますよ。これからのミズベの活躍が日本を大きく動かすに違いありません。

 

 

この記事を書いた人

株式会社水辺総研代表取締役、RaasDESIGN代表、BOAT PEOPLE Association理事、水辺荘発起人 、一級建築士

岩本 唯史

公共空間としての水辺がよくなることで、社会がよくなると考える。建築家として建物のリノベーションを主に設計の仕事をしている傍ら、都市をリノベーションするのであれば、公共空間である水辺を外して考えることはできないと考え活動している。BOAT PEOPLE Associationのメンバーとして、いままでさまざまな水辺のトライアンドエラーを繰り返して社会に水辺の空間のあり方とつきあい方を提案してきた。 2005年横浜トリエンナーレ出展作品「Life on Board II」「内閣府都市再生モデル調査事業、FLOATING EMERGENCY PLATFORM」「地震EXPO09(BankART)」「東京アートポイント LOB09-10」など。最近は横浜の水辺を「使い倒す」ことを目的に、水辺のソーシャルスペース「水辺荘」を日ノ出町たちあげ、都市に新しい風景をつくる試みをたくさん行っている。

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