2015.07.31
ミズベが横浜駅西口のお祭りにやってくる!

横浜駅の西口で水辺がテーマのイベントが併設される深いワケ
横浜駅西口。横浜の交通の要衝。かつては三越*1があって、私が子どもの頃近郊からバスで来ると、特別な場所のイメージでとてもワクワクしました。多くの路線バスの発着場所であり、相鉄の始発駅であり、JR、京急、市営地下鉄の一大ターミナル。
そんな西口ですが、近くに水辺があります。帷子川水系の幸川や新田間川*2。川といっても一般の人からしたら、運河とかどぶ川のイメージしかないかもしれません。
実は横浜駅はかつて海だったところを埋め立てたんだそうです。なので、まわりには水路が多い。
かつてこの川が大騒ぎになったことがあります。あざらしのタマちゃんがここにひょっこり顔を出したからです。タマちゃん、西区の住民にもなりましたよね。そうです。あの川を想像してもらえれば、わかりますね。
人がたくさん行き交う繁華街の中心を川が流れている場所って案外少ないんです。大阪で言うと、道頓堀はそうですね。福岡の天神もそうです。でも関東では意外と少ないものです。渋谷も川のそばですけど、あそこはほとんど暗渠ですし、水量もあまりありません。東京で言えば、お茶の水駅とかはそうですけど、谷底に流れる神田川は案外遠いです。水道橋の東京ドームシティに向かう人道橋とかは行き交う人多いですけど、私が思いつく場所ってそこぐらいです。
この川、じつはやっかいものでもあります。
記憶にあたらしいところで、平成16年の台風22号の時にに横浜駅の地下街に水がながれこんだというニュース。あれの原因はこの川の堤防を水が超えてしまったことが原因なんですね。
とはいえ、このまま放っておくのにはもったいない魅力もあります。
まちが水辺とつながり、多くの人に憩いの場を提供したり、環境学習の場を提供したり、そんな可能性があるんじゃないか?という話し合いが、この場所では数回行われてきました。ミズベリング横浜西口会議、というイベントです。
まちのひと、まちづくりに関心があるひと、水辺に関心があるひと、などが集まったミズベリング横浜西口会議では、この水辺がいかにまちを豊かにするかが議論されていました。例えば、「水辺でゆったりしたいよね」とか、「せっかく桟橋があるから、アクティビティが体験できると街にやってくる理由が増えるよね」とか「水辺のアクティビティの販売店が体験会とか開催できたらきっとうれしいよね」とか、この場所でできそうな妄想に話が膨らみました。
そんななかで、西口で毎年おこなわれる夏のお祭りにミズベリング会議から発案されたなにかが実現できないか検討がおこなわれ、SUPやE-BOATの体験会と、帷子川の環境学習なら現時点で実現可能だということで、実施されることになりました。
実は、実現させたいものがあといくつかあったのですけど、行政の許認可の関係で実現が困難になってしまいました。今後水辺の街を実現するためには必要なことなのですが、少し将来へ持ち越しということに。ただ、問題点が明確になったということで、もっと素敵な水辺の街実現へ、一歩を踏み出すことができそうです。
8/1,2、横浜駅西口でお会いしましょう!
*1,*2記事中に固有名詞がまちがっているものがございました。お詫びして訂正いたします。(2015/08/03 筆者)
このすごーく小さい右下の部分に若干水辺の要素が。
公共空間としての水辺がよくなることで、社会がよくなると考える。建築家として建物のリノベーションを主に設計の仕事をしている傍ら、都市をリノベーションするのであれば、公共空間である水辺を外して考えることはできないと考え活動している。BOAT PEOPLE Associationのメンバーとして、いままでさまざまな水辺のトライアンドエラーを繰り返して社会に水辺の空間のあり方とつきあい方を提案してきた。 2005年横浜トリエンナーレ出展作品「Life on Board II」「内閣府都市再生モデル調査事業、FLOATING EMERGENCY PLATFORM」「地震EXPO09(BankART)」「東京アートポイント LOB09-10」など。最近は横浜の水辺を「使い倒す」ことを目的に、水辺のソーシャルスペース「水辺荘」を日ノ出町たちあげ、都市に新しい風景をつくる試みをたくさん行っている。
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