2015.04.08

港町ヨコハマ発、夜の京浜工場地帯へ
工場夜景クルーズへようこそ。

 

週6日運航中!港のプロが夜へと誘う工場夜景ツアー出航。
みなさま、カメラのご用意を忘れずに

こんばんは。
4月になり、水上から桜を眺める花見も終わりを告げる季節となった関東にて、同時に花粉症にも苦しめられている水主の糸井です。
みなさま、花粉症に負けず今年も水辺を堪能していますか?

さぁ、私が今年最初にお送りするのは、神奈川県横浜発の工場夜景クルーズであります。
そのクルーズの出発地となる横浜ですが、実は漕ぎ手である私がメインのフィールドとして活動している水辺です。
ここは、シーカヤックやSUPだけでなく、多くの船舶が行き交う巨大港湾都市横浜の水辺。

その横浜から北へと隣接している川崎までの水域が、首都圏のインフラを担う京浜工業地帯と呼ばれるスポットです。
その水辺を夜に船から堪能できる工場夜景クルーズは、現在大人気のツアーとして多くの旅行会社が取り上げていますが、その盛り上げの一翼を担っている工場夜景クルーズ船「サンタバルカ」船長の永井さんに水先案内を担当していただき工場地帯の夜へとガイドしていただきました。

港ヨコハマから始まる京浜工業地帯の中核へ

日本最大の港町横浜という水辺は、東京湾の湾奥に位置し、東に向けて鶴が翼を広げたようにして多くの船舶たちの入港を歓迎しています。

 

京浜工業地帯地図
横浜港から川崎港にかけての水域が今回対象となる水辺。
羽田空港の北には東京港があり、東京港・川崎港・横浜港の3港で京浜港として稼動しているが、
その工業地帯としての機能に特化した水域が、京浜工業地帯と呼ばれるスポットである。

横浜港周辺でよく見かける船の種類としては、我々の生活を支える日常用品を主に運ぶコンテナ船、資源として液化天然ガスや液化石油ガスを運ぶ大型のタンカー、横浜港を中継して各港へと運ぶ貨物船、5000台もの乗用車を輸出する自動車専用船など物流に携わる船。
夜は宴会場となる屋形船や朝釣り人を乗せて沖合いへと走る遊漁船などのレジャー船、横浜港を清掃する清海船や港湾内の工事などで活躍する警戒船など日々港湾の環境に携わる船舶、そして私がよく利用するシーカヤックなど、さまざまな船舶が往来しています。
この船舶たちが入港後に着岸し、乗客や船員が無事に上陸でき、そして物資の荷卸が機能する。これが港という古来から人々が水辺へと繰り出し、その彼方で求めてきた水辺への出入り口なのです。そのため、多くの賑わいが生み出され大きな水辺の街へと発展していきました。
特に物流における機能に特化し大量輸送をより効率的に行うため、幕末に開港した横浜は、現在のみなとみらいの「象の鼻」という港湾施設を起点に沖へ沖へと展開していきました。
その結果、横浜から東京方面に向けて北東へと物流機能が伸び、川崎港、多摩川河口へと連なる水域が埋め立てられ、多くの工場が誘致されたのです。
それが、日本最大の臨海工業地帯である京浜工業地帯の中核を担うスポットであり、今回対象となる水辺であります。

京浜運河鳥瞰

京浜工業地帯鳥瞰図。
写真左手が横浜方面、右手が神奈川と東京の県境である多摩川の河口。
港拡大のため埋め立てられた人工島、そして多くの運河が見える。

さぁ、そんな水辺をシーカヤックで漕いでみると、ある課題が見出されてきます。
それは、ゆったり余裕を持って港というものを観て廻るには、ハードルが高いのです。

この水辺、物流機能が所狭しと立地し、そのどれもが企業や行政により管理されていて上陸禁止のため休憩する場所がありません。
そして、多くの船舶が通航する航路というものが張り巡らされています。
道路では車より歩行者が優先されるものですが、この港湾区域における船が通る航路という場所は大型船が最優先であり、その航行を妨げることは望ましくありません。
特に横浜港北部に位置する鶴見から川崎にかけての水域を漕ぐことは、まさに砂漠を旅するようなほど過酷なのです。

京浜運河カヤッキング

直角護岸がそそり立ち、すぐ後背地には工場が立地する京浜工業地帯。
鉄鉱石を積んだ船、石油タンカーなどスポットごとに専用の船が航行し着岸するため、休む暇なくパドリングしながら他の船舶をいち早く見つけ回避しなければならない。

もし、ここをシーカヤックで漕ぐとなると、船舶が遵守している港則法や海上安全交通法などの法律を学び、かつシーマンシップを心得て旅することが肝心となってきます。
そんな水域が、この日本では多くの人が住み働く大都市の入り口のすぐ先に存在しているのです。つまり皆さんから近い海を自由に利用するには多くを学ばなければなりません。

ただ、是非ともこの特異な水辺の魅力を皆さんにお見せしたいと考え、ここはパドルを休めて巡ってみようと考えました。
この水辺の入り口となる横浜港ではいろいろな客船や遊覧船のツアーなどのコンテンツがある中、「工場夜景ツアー」という非日常的で面白い企画を行っている「サンタバルカ」という遊覧船が横浜港にはあるのです。

出動前サンタバルカ

横浜港「象の鼻」の桟橋で出動を控えるサンタバルカ。 

夜景クルージング船「サンタバルカ」

イタリア語で「聖なる小船」という可愛い名前のサンタバルカですが、工場夜景ツアーの最前線で活躍する以前は、2010年まで東京で交通船として機能していました。
2010年というと、羽田空港の国際線用の滑走路である「D滑走路」が完成した年ですが、まさにその建設現場へと建設作業員を運ぶために、中央防波堤から建設現場である羽田沖まで朝夕とピストン輸送を行っていました。そのため、このサンタバルカは、ゆったりとクルージングを楽しむ遊覧船として造られたのではなく、私たちが朝夜と利用している通勤電車のように高速での移動のみを目的とした交通船として2008年に建造されたのです。

船室

船内の設備。交通船としての名残が現在も船内の至る所に設けられたつり革や手すりに残っている。

船尾

船室後方はオープンタイプのデッキになっている。
毛布も常備されているので、寒がりな人も安心して夜景を見ることができる。

その船長である永井さんは、40年以上船に関わる仕事をしてきたベテラン船乗りなのです。
そんな船と港、そして海を深く知る船長さんの面白トークも魅力の1つとして取り上げられている工場夜景ツアーに出発!

港町ヨコハマ発、夜の京浜工場地帯へ
工場夜景クルーズへようこそ。

京浜工業地帯、夜の水辺への誘い

工場夜景ツアーの集合場所は、横浜港のシンボルの1つである大さん橋の付け根にあるピア大さん橋という逆さ台形の建物の中です。
そこから、京浜フェリーボートという船会社の担当者が乗客を率いてサンタバルカの乗船口まで案内してくれます。
このサンタバルカは、横浜港を案内する船会社「(株)京浜フェリーボート」に2010年より所属し、この工場夜景ツアーを先導しています。そのため、この桟橋を利用できるのです。

乗船

ピア大桟橋より山下公園側へと突き出している桟橋からサンタバルカへと乗船する。
参加者は、ライフジャケットを着用して乗船。永井船長や他スタッフが手を差し伸べて乗船をサポートする。

舳先と艫のロープを解き、桟橋を離れるサンタバルカ。

永井船長プロフィール写真2_Fotor
ご乗船ありがとうございます。船長の永井です。
このサンタバルカ、乗り心地、船内設備など不備がございますが、予めご了承ください。
今回乗っていただくこの船が交通船というものです。
遊覧船の2倍ほどのスピードで走ります。狭い水路にも入っていけるのが特徴です。

と、永井船長のガイドが始まりました。

永井船長写真

サンタバルカ船長の永井 等さん。
17歳にて清水の海員学校を経て商船三井系列の会社へと就職。
航海士として世界各国の港を結ぶ外航船にて活躍後、交通船の業務を行い羽田空港D滑走路での業務を最後に、横浜にて「工場夜景ツアー」を開始。
40年以上も船、そして港に携わってきた永井さんのアナウンスは、水が流れるがごとく流暢に参加者を港、そして工場地帯へと導く。

そう、この交通船の特徴は2つあります。
1つ目は、船室以外の部分がむき出しになっているため、外での写真撮影ができるということ。配置の屋根がないデッキにベンチがあり、参加者の半分がここに座ります。きちんと毛布も常備しておりますが、冬は暖かい服装でご乗船ください。
2つ目は、遊覧船よりもスピードが出るため機動性に優れているということです。他の遊覧船では全体的にまったりと航行してガイドするのでしょうが、このサンタバルカは緩急つけたガイドをします。すなわち、工場夜景がきれいなところでは速力を落とし参加者の写真撮影の時間を設けますが、それ以外の時間は、時速20knot(時速37km)という高速で航行していきます。
そのため、1時間半というツアー時間の中で、横浜の1番奥から川崎の多摩川近くまでの往復35kmもの移動が可能なのです。

さて、今回の工場夜景クルーズですが、行き先は横浜港の北部に広がる京浜運河コースです。

京浜運河全図

今回対象の水辺となる京浜工業地帯の水域マップ。
横浜港の賑わいを見せるみなとみらい地区と山下公園地区から北東へと針路を取り、工業地帯の大動脈である京浜運河を通航。
そして枝分かれする大師運河、続いて塩浜運河をクルーズする。
運河ごとに入港し着岸する船舶の種類が異なり、その後背地も付随して変容してくるため、見所は運河により変わってくるのも注目すべきポイントだ。

出航直後に振り返ると、大さん橋の全容が見えてきます。
「これは海からじゃないと見れないよね~」
とオバサマ方が盛り上がっています。

大桟橋着岸

観光用の客船から世界の港へと繋ぐ大型客船までが連なる横浜港のシンボル大さん橋を海上から見ることが出来る。
写真は日本最大の客船「飛鳥Ⅱ」が大さん橋に停泊しているところ。

写真撮影が終わると、サンタバルカは北上を始めて行きます。
スピードを上げると潮風が頬に当たります。
永井船長のユーモア溢れるトークもフルスロットルへとギアを入れていくようです。

京浜運河から小さな運河へ

1989年に完成した横浜港の入り口ベイブリッジを横目に見て北上すると、大黒ふ頭が右手に見えてきます。

ベイブリッジ

サンタバルカの特徴の1つであるデッキ部分の露出により上空を通るベイブリッジの下腹部を鮮明に見ることが出来る。
※京浜運河コースでは通航せず

「みなさん少し揺れま~す。おっとっとっとっと…アトラクション的な揺れです。」
対向車ならぬすれ違う船の引き波がサンタバルカを揺らします。大きな揺れですが、参加者たちは待ってましたとばかり楽しんでいるのが興味深いところです。

さぁ、そんな船が多く行き交う京浜運河へと入ってきました。
京浜運河という運河は鶴見航路から川崎航路までを繋ぐ約8kmに及ぶ大きな運河です。
これは、幕末に国際港となった横浜港から日本最大の人口を抱える東京までを繋ぐ水路の中核であり、現在でも京浜工業地帯の大動脈として使用されている大きな運河です。
明治時代初頭に東京の新橋~横浜間に鉄道が敷設されても、貨物輸送は海路に頼っていました。
しかし、運搬途上に多摩川河口の羽田沖という難所があり、年間20隻もの事故が続き、大正時代には「ロンドンから横浜間の運賃と横浜から東京間の回漕費が同額」という不経済と非能率を引く起こすリスキーな海。
そこを回避するべく掘削されたのが、この京浜運河です。
そのため、多種多様な船がこの運河を行き交います。

永井船長プロフィール写真2_Fotor
自動車は国によって左側通行であったり右側通行であったりしますが、
船は万国共通で右側通航と決まっています。
そのため、このサンタバルカもこの京浜運河を右側を通っていきます。
反対側は帰りに近くまで寄れますので。

このように、港と船のトークを程よく入れてスピーディに航行していきます。
「こりゃ面白いクルーズじゃん!」とカップルが興味津々。

いつの間にか、京浜運河の終点である大師運河へと到着するとスピードを落とすと、正面に煙突から炎を上げる製油所が現れました。
こちらは東燃ゼネラル石油川崎製油所。

煙突

大師運河から塩浜運河にかけて、このような炎吹き上げる煙突を多く見ることができる。
煙突から見える炎は、石油精製の際に生まれる余分なガスを無害化するために燃やしているため発生する現象。

ここ大師運河には、石油やガス関係の施設が多いようです。着岸している大型船には「No Smoking」の文字が記載されています。つまり火気厳禁。
他にもローディングアームなど石油などの液体漏洩防止に造られた専用の器材なども目に入ってきます。それぞれがこの工業地帯の海側からしか見ることができない景色です。

石油タンカー船

大師運河の桟橋にて停泊する中型のタンカー船。
石油や天然ガス、その他の資源を外国から運んでくるのだ。
どれもが我々の生活において欠くことができない貴重な資源。
その運搬という役割を担っている船舶の仕事ぶりも見ることができる。

大師運河を終え、我々は再び京浜運河を経由して、次の運河へと入っていきます。
次の運河である塩浜運河この工場夜景ツアーの本命があります。

大型船が入れない小さな塩浜運河に入り減速し停船すると、サンタバルカの船首部分へと移動することができます。船首へと夜景好きが集まってきます。スタッフが引率し、手摺に捕まりながら船首の中央にある柵の中へと移動し夜景を眺めます。スペース的には15~16名。

日中の工場地帯は無機質で古びたパイプむき出しの変わった風景が広がりますが、夜は幻想的な世界が広がります。夜景に多くの人が時間や気温を忘れて撮影に没頭します。
船はそのままゆっくりと塩浜運河の奥へと入っていくと、東亜石油のプラントの明かりが。白1色のLEDに彩られた1番新しい石油精製のプラントの明かりに、最接近していきます。

船首

東亜石油のプラントを撮影する女性。
ここまでプラントに接近すると、無機質の姿から生き物のような鼓動が聞こえてくる。

パイプの大きさや形状まで肉眼でくっきり眺めることができ、蒸気が噴出する音やポンプが稼動する音が聴こえ、上空の煙突からは青白い炎が。現在はコントロールルームから管制されているため、人は皆無です。

すると、サンタバルカはゆっくりとプラントを離れ、沖合いまでフルスロットルで航行を始めました。船首にいながら夜風を切り裂くアトラクション。永井船長お得意の「ワイルド航行」が終わり、振り返ると塩浜運河の全景が現れました。

塩浜運河

塩浜運河全景。振り返ると宇宙船のようなプラント群。まだ夜風は冷たいが、プラントの明かりと夜空に輝くオリオン座がくっきりと映える冬から春にかけてもオススメ。

この息を呑むような夜景を堪能した後、我々は船首から船内へと戻っていきます。

こうして京浜運河クルーズは帰路へと着いていくのです。
もちろん帰路にも注目すべきポイントは幾つかあるので、工場夜景の撮影が大好きな参加者たちは、カメラを持ち、その瞬間を待ち構えています。

夜景撮影女子

一眼レフカメラを持ち工場夜景を撮影する女性。
背景はJX日鉱日石グループの川崎ガスターミナル。
塩浜運河を過ぎても未だ撮影すべきポイントは数多くあるためシャッターチャンスを逃がすことはできない。
ちなみに永井船長はこの工場を宣伝している女優・能年玲奈をとても気に入っているということがアナウンスから分かる。

海からしか見ることができない海芝浦駅を右手に過ぎ、鶴見川河口を横切り、マーリンルージュを追い抜くと、光り輝くみなとみらいはすぐそこです。
横浜港沖に設置された赤灯台横をすり抜け港を横断し、みなとみらいの入り口までやってくると、永井さんがカウントダウンを始めます。
すると、時計付の大観覧車コスモクロック21のネオンがガラリと変わります。
そう、まるで魔法のように。
乗客からは歓声が上がり船内は大盛り上がり。

続いて、右手に見えるヨットの帆のような形状のヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルに視線を移すと、その最上階中心部に女神様がベイブリッジの方を見て鎮座しています。
この女神様に願い事をすると、願いが叶うとのことで、乗客はそれぞれ思い思いに願い事をかけ始めるのです。

みなとみらい

みなとみらいの入り口から夜景を臨む。
中央にそびえるランドマークタワー、すぐ右手にインターコンチネンタルホテル。
左手にコスモクロック21が見える。
正面を横切る船は大型船の着岸を手助けするタグボート。

乗客が願い目を開けると、船はまた走り出します。
横浜海上保安本部の沖を過ぎ、大さん橋と赤レンガに挟まれた水域を減速して航行すると、横浜港始まりのシンボル「象の鼻」に囲まれた小さな港へ入り着岸。
こうして、永井さんの面白トーク満載の約1時間半のクルーズは、無事終演となりました。
下船後、船長との写真撮影を求める方も多くいらっしゃいます。
「京都から来ました!以前から横浜観光の一環で工場夜景クルーズを考えていたのですが、今回遅刻気味の旅行をなんとかタクシー利用して乗船時間に間に合い、乗船できてとてもうれしかったです。中華街や赤レンガ倉庫だけでない、夜の水辺の観光をまた是非参加したいです。」と、横浜の観光スポットとしても確立されてきているのです。

工場夜景という新たな魅力、そして新たな港の賑わいへ

今回乗船したクルーズは京浜運河の工場夜景ツアーでしたが、他にもサンタバルカには港を巡るツアーが多種あります。
横浜港南部に広がり物流最前線基地のコンテナバースと国内最大級の製油所を見ることが出来る根岸本牧の工場夜景クルーズ。そして羽田空港滑走路下で飛行機の離着陸を間近で見ることができる羽田空港滑走路海上観覧ツアーなど、乗船中カメラを離さずにはいられないような壮大な空間を海から見ることができるのです。

コンテナバース

ベイブリッジの沖に広がる本牧のコンテナ埠頭。
根岸本牧の工場夜景クルーズで見ることができる。
このコンテナという貨物の導入により、1960年代後半より物流革命が起こり、より効率よく荷物が我々の元に届くようになった。
動物のキリンのようなガントリークレーンがコンテナを船舶から積み下ろしする夜の姿が見られる。

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羽田空港に着陸する飛行機をその下腹部から覗くことができる羽田空港滑走路海上観覧ツアー。
その日の風や海の状況により、船長は最も撮影しやすいポイントを選んでくれる。
迫力ある飛行機の離着陸だけでなく、ベテラン船長の腕を垣間見ることが出来る。

もちろん横浜の他社も工場夜景クルーズを行っているのですが、基本的に土日祝日での運航が多いのです。その現状で、サンタバルカが休まずクルーズを行い牽引することで、横浜での工場夜景クルーズを始めとした他のクルーズ会社も競い、この工場夜景クルーズのブームが産み出されました。
工場夜景という港の新たな魅力を伝えるコンテンツを着火場所と時期を得て現在休むことなく活動されている永井さんですが、まだまだやりたいことがあるんだそうです。

永井船長プロフィール写真2_Fotor
実は先日たまたま乗船していた男性に依頼され船首にてプロポーズのサプライズをするという機会がありました。
その際、無事プロポーズの了承を得ることができたようで船内は拍手喝采となり、お客様と一体となってお祝いすることができたことが私にとってもとても感慨深い体験だったのです。
それを受けて、縁結びのサンタバルカとしても発信していくことになりました!
今回ご案内した工場夜景のクルーズも現在は人気がありますが、驕ることなくいろいろなプランを若い人たちと練っていくことでよりニーズに応えたサービスになっていくのだと考えています。
もう還暦を過ぎた年齢ですが、あと4~5年は元気に横浜港を楽しく案内していきます。

また、横浜観光の一環で、このサンタバルカのツアーをリピートするお客様も多く、地元横浜だけでなく、遠く関西や東北からも足を運んでくださる方が多くいらっしゃるんです。
何よりも船長がうれしいことは、多種多様な人が乗船する中、船内が一体となって横浜観光を楽しんでいただけるスポットとなっていることなのです。多くの方と触れ合える場となることが常に刺激となり、まだまだ頑張って横浜港を案内する意欲が湧いてくるんだとか。
本来、港の賑わいとは、多種多様な人が行き交い触れ合う場なのです。
このクルーズに参加することで感じたことは、工場夜景ツアーを通して港、そして水辺を学べるクルーズという意味合いだけではありません。
忘れ去れた港の賑わいを参加者一体で考え楽しみ、そして新たなコミュニケーションの場となる。そんな港ならではの雰囲気をこの船内で堪能することができるのです。

多くの指示を得て、今横浜水辺の最前線にて精力的に活躍する永井船長。
そんな船長のオススメのコースは、運航時間以外に行う「貸切コース」とのこと。
10名から15名にて貸切コースであるため、友人や会社の同僚を誘って歓送迎会の場として利用することも面白いでしょう。

港を熟知した永井さんがどんな風景を見せてくれるのか。
春を過ぎこれから暖かくなってくる季節。
夜に潮風を切りながら新たな水辺の魅力を見て学んでいくには最良の季節になってきますね。

最後 (2)

象の鼻桟橋にて永井船長とサンタバルカ

SANTA BARCAホームページ
日本全国の遊び予約サイト旅プラスワン工場夜景ツアー

サンタバルカコース日程

サンタバルカコース日程料金表。

この記事を書いた人

水主(櫓や櫂による舟の漕ぎ手・「かこ」と呼びます)

NPO法人 横浜シーフレンズ理事(日本レクリエーショナルカヌー協会公認校)
帆船日本丸記念財団シーカヤックインストラクター
水辺荘アドバイザー
横浜市カヌー協会理事

糸井 孔帥

東京海洋大学大学院(海洋科学)在学中に、東京や横浜で海や港のフィールドワークをシーカヤックを通して学ぶ間に街中の水辺の魅力に引き込まれ現在に至ります。 大都市の水辺は、多くの旅人が行き交い賑わう場所で、また自然と対峙するアウトドアでもあります。 水辺をよく知ることが、町や歴史や国を知り旅の深みを増す契機となり、 また水辺の経験により自己を顧みる機会となります。 日本各地において水辺の最前線で活動しているプレーヤーの紹介を通して、水辺からの観光、地元の新たな魅力、 水辺のアウトドアスポットに触れる機会を作っていきたいです。 シーカヤックインストラクター(日本レクリエーショナルカヌー協会シーシニア)、一級小型船舶操縦士、自然体験活動指導者(NEALリーダー)。趣味は、シーカヤック・SUP(スタンドアップパドルボード)スキンダイビング・シュノーケリング・水中ホッケー・カヌーポロ・ドラゴンボート、そして島巡り旅。

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