2015.02.02

川の可能性を市民と探るミズベリングかのがわ会議

上流から下流までの狩野川流域60名から頂いたアイディアを、実際にできるか河川管理者と市民による事務局で検討中。

11月15日にミズベリングかのがわ会議が行われた。
狩野川とまちづくりについてのミズベリング記事はこちら。

狩野川を使って何かやりたい、狩野川でこんな事はできるか?
自由に川のことを語り、そして未来につなげる会議。
狩野川の上流から下流に関わりを持つ方、約60名参加された。

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子育て世代にもお越し頂けるよう、会場には積み木やモバイル遊具が置かれ、お子さんたちには川でやりたいことを絵に描いてもらった。

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報告では、風のテラスについての報告を沼津市役所の半藤さん。また狩野川倶楽部の長谷川さんから狩野川流域のレポート。
また世界の川の使い方や、沼津の河川の使用が全国でも注目されていることをミズベリング事務局の岩本さんから。
パネルディスカッションでは国土交通省から沼津河川国道事務所 野坂所長、河川環境課 藤井調整官、そして民間から狩野川倶楽部 長谷川会長
沼津ジャーナルの小松がディスカッションをしながら、上流部から下流部の参加者から意見を聞いた。

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藤井調整官からは今、河川敷への意識が変わろうとしていること。
水辺でワクワクすること楽しいことが実現し、生活を潤す本来あるべき場所にしていくには?
という話題が出た。

狩野川の流域では今どのような事が課題で、どのような可能性があり、何が自分たちはできるのか?
そんなテーマを上流・中流・下流の方から意見を聞いてみた。

【上流部の意見】
・上流の人は下流(沼津)にあまり関心を持っていない
・上流でも水に親しむという感覚がない
・修善寺橋下流の中州をうまく活用し、地元で管理をし小動物の放し飼いはできないか

【中流部の意見】
・中流部は堤防がきれいに整備されているが、イベントでの利用しかなされていないが、日常的に地元の人が楽しめる可能性は持っている
・自転車で上流から走ると徳倉橋より下流は公道を走る必要があり、100kサイクルングのイベントで参加者が増えた現在は徳倉橋で折り返しているので改善はできないか(100kサイクリング事務局)
・自転車で香貫大橋の上流は右側通行の通学生が多く危険。また水晶山のところも道が切れて、住宅街の中を走る必要がありわかりにくいという意見も出た。

【下流部の意見】
・再開発でコンクリート護岸となったのは、最初はショックだったが、様々な利用も行われるようになり、今はその必要があったと感じている。
・以前はイベントの許可をとるのがとても大変であったが、ここ数年は歩み寄って来てくれて頂いていることを実感している
・イベントで人は多く訪れるが、もっと日常の利用が必要と植え込みに花などを植えたりもっと有効活用するのはどうか
・高校時代狩野川で過ごしたボート部の仲間では、川を通した絆が生まれたため、川を中心として一体となれる
・子供と楽しむアウトドアという観点からは、沼津はまだ敷居が高い
・沼津にも小さなこどもたちが遊べる柿田川のようなせせらぎがあったらいい

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世代や場所の違いで要望や不満も出た。
そんな意見を聞きミズベリング事務局の岩本さんからアドバイスがあった。

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ムーブメント極意として
・仲良くなること
・それぞれの立場を尊重すること
・フィードバックすること(できれば紙で)
・オープンであること
=よそものを受け入れること
また行政と市民の調整役も必要ではないかと提案があった。

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川でやりたい事の案を付箋にも書いて頂き、多くの方から意見を頂いた。
会場では藤井調整官からのアドバイスを頂き、またミズベリングかのがわ会議事務局では検証を続けている。
こうして開催されたミズベリングかのがわ会議。
『この会議から何かが始まるかもしれない。』
という期待感で会場は溢れていた。

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川の可能性を市民と探るミズベリングかのがわ会議

ミズベリングかのがわ会議で出された案を、国土交通省沼津河川事務所・沼津市役所 ・建設環境研究所 ・沼津ジャーナルのメンバーでアイディアを現在、検証している。以下に議論の内容とメンバーによる検討内容をざっと報告する。検討の結果を踏まえた沼津ジャーナル・小松としての提案も含めた。

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報告

まず川を使うときの基本的なルールについて。

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Q:川は自由に入っていいのか?
A:法律的には川に入っていけないということはない
ということは誰でも川に入り、泳ぐこともできる。
それは、自己責任で川の知識を知っての上で。
Q:河川敷にハンモックを置き日向ぼっこはできるか?
A:自由使用で毎回片づけをすれば問題ない
我々は、川に近付かなくなり、基本的な事をまず知ることからはじめなければいけなのではないだろうか
川は管理者のお役所のものだけではないはずだ。

ルール

 

誰でも使用ができる権利がある。
でもそこには、危険回避、環境保全など最低限のルールを知らないといけない。
川を心地いい場所、そしてワクワクする場所にするのにはきっとそのルールは難しくないはずだ。

提案1:自由使用
市民レベルの狩野川使用ガイドを制作する

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多くの人と川の楽しさを共有する一つとしてイベントを行う方法がある。
Q:狩野川の水上で屋台はができないか?
A:可能性はある。九州の日田市で2006年から「水面の盆」というイベントが行われている

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Q:ターザンジャンプはできないか?
A:狩野川わくわく倶楽部というイベントで行った
!!

ターザン2

渡る

Q:ではこの風雲たけし城的な川渡りは可能か?
A:これもわくわく倶楽部で行った
!!!!

ニンジャ3

川は規制ばかりでなくもっと楽しく使えるようだ。
2014年2月、河川空間が利用しやすくなる「都市・地域再生等利用区域」に狩野川の上土のエリアが中部地方で初めて指定され、かのがわ風のテラスは、BBQや水辺のステージという名目でイベントがやりやすくなった。
やりたいと思ったことをまずは相談し実行に向けて行動するのはどうだろうか?

提案2:イベント使用のノウハウを知る
⇒毎月、誰でも参加自由の狩野川ミーティングを開催する

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川の大きな目的として治水がある。
治水とは水が氾濫しないようハードの整備をすること。
非常事態に備えながらも日常では川をもっと使いやすく市民のライフスタイルの一部となるソフトが生まれやすいハードの整備。このバランスが重要になってくる。
会議の時に出た意見を改めて質問してみた。
Q:自転車が行き来するアンダーパスはできないか
A:川の中に作ろうとすると厳しい規制があるが、川の外側に作れば、自治体と道路管理者(市町か県)の協議のみで設置が可能。
狩野川はとても可能性がある。
Q:風のテラスの植え込み部分をもっと使いやすくできないか?
A:試験的に実現させる可能性はある
どのようにそこを管理するかが課題の一つになる

提案3:パブリックスペースを市民でつくる
⇒風のテラスの植栽帯を開墾するため妄想会議を開催。そして行政に提案をする

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身近な川を見つめていると、その川の素晴らしさがまた見えてくる。
狩野川もまたその一つだ。
この川の素晴らしさは多くあるが、まだまだ有機的に機能していないのが現実のようだ。

付箋紙 (3)-5

行政の連携を求める声もあったがまずは我々、市民ができる事を考え、次のような事はできないだろうか。

付箋紙 (3)-3
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提案4:上流・中流・下流のつながりをつくる⇒上流から川を下り、食材を各場所で調達し、風のテラスで行われるローカルマーケットで販売。
その過程を映像にする。

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沼津ジャーナルでは提案があった中で、まずはできる事を発信していこうと思う。

ライフスタイル

川や水辺を生活の一部にしている方を取材し、楽しみ方を教えて頂こうと思う。
http://numazujournal.net/category/life/

ikiki

今すぐには造れないが、現状ある建物を紹介してく。
まずは風のテラス近隣を紹介していく。

川の体験

小さなころから水に親しむためのせせらぎの場所を探し活用方法を考え、
また水と親しめる下記のようなイベントを紹介していこうと思う。
・ビーチフェス
・ラブリーバー
・カヌーフェスティバル
・狩野川わくわく倶楽部

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プロジェクトを進めるなかでただ盛り上がるのではなく、下記のポイントを大切にしていけたらと思う。
・狩野川を多くの人に生活の一部として活用できるようにし地域の資産価値向上を目指す
・狩野川を観光資源として利用できるようハードとソフトの調整を重ねていく
・子供たちに狩野川や自然で楽しんだ思い出を多く作り、シビックプライドを築いていく
・狩野川からイノベーションを起こし、他の地域資源と魅力を連携させていく

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子どもたちが描いた狩野川の絵

まずは、こんなことをやってみたいう声、
そして行動してみたいという想いが大切だと改めて感じた。
そしてその民意を行政に伝えどうサポートして頂くか・・・。

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川に対していろいろ知りたい方、また下記プロジェクトに興味のある方はご連絡ください。
■プロジェクト1:市民レベルの狩野川使用ガイドを制作
■プロジェクト2:風のテラスの植栽帯を開墾計画
■プロジェクト3:上流から川下りし下流で出店
■プロジェクト4:狩野川流域の物件やライフスタイルを取材

また月一度、川を見ながら上記のプロジェクトも含めお話は如何でしょうか。
第二土曜日の14時に風のテラスに集まり、ミズベリング狩野川ミーティングを行います。
次回は2月14日です。
ぜひお気軽にお集まりください。
(天候の悪い日や寒い日は、リバービューポイントの上土会館で開催)

この記事を書いた人

REFS代表 、沼津ジャーナル編集長、上土商店街理事

小松浩二

学生時代、ユーラシア横断を旅した時に日本の素晴らしさ、そしてどの国でもおいしいモノのまわりには人が集まり笑顔が集まる事を見て食の道に進み食品会社に入社。バイヤー業を務め6年後地元に戻り地域のReal food storyを発信するため、沼津上土(あげつち)商店街で野菜のセレクトショップREFSを起業。畑に行き野菜を仕入れながら畑で写真や映像を撮影し食べる人と食の物語を共有させる小売店を運営。 生産地の畑と、消費地の商店街にて有機的な関係を作るため活動をしている。 商店街で沼津ナイトマーケット、川辺で狩野川ローカルマーケット、沼津港でライジングサンマフェスティバルの実行委員長を務めながら地域の魅力を見つめ発信するためwebにて沼津の物語を発信する沼津ジャーナルを立ち上げる。 山・川・海・街のある沼津。現状活かされてない地域の資源をどのように使えるか提案をしながら実践をしている。

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