2020.06.25
水辺で乾杯がこれまでに果たしたこと、そして、これからの水辺で乾杯
5/19(火) 14:00〜。新型コロナウィルス対策で、緊急事態宣言が全国に発布されていた状況のまっただなかの状況で、ZOOM会議がミズベリング事務局主催で行われた。題して、「水辺で乾杯どうする会議」。全国から、水辺で乾杯をどうしようと考え、新型コロナウイルス対策の渦中でもんもんと考えるひとびとが会議に参加してはじまった。
これまでの水辺で乾杯を振り返える
会の冒頭、ミズベリングプロデューサー山名さんが、これまでの水辺で乾杯について、振り返りました。
2015年からはじまった水辺で乾杯。毎年7月7日、川の日(七夕の天の川にちなんでいる)にあわせて、7時7分に全国で一斉に乾杯しようよ、というきわめてゆるいイベントです。
各地で自由に「ここで乾杯します!」という「乾杯宣言」することができ、当日実際に乾杯をしたあとは、「実施写真」を「水辺で乾杯」のウェブサイトに投稿できるようになっています。
ちなみに、決められたルールは極めてシンプル、5カ条を守ればいいだけ。
水辺で乾杯は、これまで述べ4.2万人を超えるひとびとの参加でおおいに盛り上がりをみせていました。
水辺で乾杯で、日本の水辺に生まれたもの
水辺で乾杯が、日本の水辺にもたらしたものはたくさんあります。
①笑顔
水辺という「公共」を共に楽しんでいること。ちょっと変なことに挑戦するから、みんな思わず笑って楽しんでいる。
②つながり
同時に水辺で楽しむことで連帯感がうまれること。面白いことをしようとすることで、ユニーク仲間が増えた。
③風景
水辺という「公共」をわがことのように思うきっかけになる。風景は誰かが作るのではなくて、自分が動けば風景になる、という実感。
このように水辺で乾杯を通して、多くの良い影響があったと思われます。
とは言え、今の状況で乾杯できるのか
引き続いて、山名さんから今回の会議の本題に突入。
今の状況で、水辺で乾杯を開催する場合、悩ましい問題がいくつかあります。
そもそも水辺で乾杯は、密集・密接を誘発するプログラムであり、感染リスクも大きい。水辺で乾杯で、クラスター発生の可能性もある。また、飲酒飲食を勧める内容で、感染拡大のリスクが更に大きい。また、季節的に台風とコロナ対応のふたつのアナウンスが必要になります。
これらの状況から、なかなか、事務局から川に集まろう、とは現段階では、言い難い状況がある、という悩みが披露されました。
各地主催者も迷っている
各地主催者の判断が主軸とはいえ、各地も迷っているようでした。本会議では、各地の水辺からミズベリストが参加し、ニュースではわからない、各地の生の声が紹介されました。
●(長崎)観光客は減った。地域活性化の取り組みを開始している、水辺に乾杯はできそうな雰囲気。
●(大阪)2月から水辺に船がいない。7月にはまた変わっていそう。
●(福井)五人までは飲み会OK。緩和のロードマップが示されている。
●(徳島)みんなが自粛ムードで、水辺で乾杯は、みんなが引き気味。何かいい案があれば。
●(神奈川)海岸情報の案内が混乱中。海岸沿いも場所によって空いている場所と混んでいる場所がある。オープンスペースでなら水辺に乾杯に参加できそう。
●(東京、舟運会社)休業中。仕事の船しか川にいない。他のところの水辺に乾杯にゲリラ的に参加はできるかもしれない。
また、今の河川の使い方の規制に関する話題も。現状、河川管理者は、市民の立入禁止の規制はない。しかし、いろんな場所から人が集まることに関して、市民が不安に思っているのは事実。そういったことに対するケアは必要、という話もあり、一筋縄にいかないことが明らかになりました。
コロナ時代の水辺で乾杯を考える、新しいアイデア
その後、今までの水辺に乾杯から、コロナ時代に対応した、新しいアイデアはないか、白熱したディスカッションが行われました。その中で出てきたアイデアをいくつか紹介します。
自分のお気に入りのパーソナルな水辺で、少人数で、乾杯する。その様子をセルフィーで撮影し、SNSでシェアして、紹介してみる。身近な水辺を発見し、個人と水辺の関係を考え直すきっかけにもなる。ちなみに水辺だったらなんでもOK!風呂場とかもあり!
参加者がそれぞれ、2m間隔を開けて乾杯してみる。ドローンで撮影すると映えそう。
開催日だったら、いつでも乾杯していい。それぞれが時間をずらして、水辺乾杯してみる。
オンライン開催すると、参加のハードルが下がる。集合写真よりもむしろ、少人数の写真がたくさんある方が、今回は面白そう。
また、開催の時期について、海辺などの一部水辺では、7月開催だと観光客で混雑し、乾杯が難しい場所もあるとの声が。開催時期を9月など別の時期にできた方がいいとの意見もあった。
そして、開催する場合、事務局から発信することとして、新しい生活様式に対応した、「新生活様式適応型 水辺で乾杯 五カ条」が必要だろうという意見もあった。地域で状況は違うが、大きな方針だけでもあると、主催者側としてはありがたい、との声も。
ミズベリングのネットワークを使った地域貢献
最後に一つ事例を紹介したい。新型コロナウイルスによる臨時休校中により、オンラインで授業を受ける子ども達がいる。本会議に参加した、ミズベリング板橋では、オンライン環境が十分でない家庭に、使わなくなった
PCの寄付を募って提供を行う取り組みを行っていることを紹介してくれた。
ミズベリングの活動で培われた人的資本やネットワークが、他の領域の活動に広がり、良い影響をもたらした好例である。
これまで事務局では、「水辺で乾杯」を呼びかけることが多くの人々の水辺に対する想いを呼び覚まし、共感の輪をひろげてきた。しかし、新型コロナウィルスへの対策が必要なこの社会の状況で、わたしたちの環境は大きく変わった。この新しい環境下で、ミズベリングの培ったリソースを活かし、地域に盛り上げをどう広げてていけるか、が試される時期にあるとあらためて感じた。
この会議を経て、各地の主催者たちがどのようにコロナウィルス対策と水辺で乾杯に向き合ったのかは、あらためて紹介したい。
今年の水辺で乾杯はスライド作戦
6/11にミズベリングの公式Facebookで以下のような表明が行われました。
”今年の7月7日「水辺で乾杯」はスライド作戦。一斉乾杯アクションは9月9日にずらす方向。楽しみにしてしていた人ごめんなさい。7.7で企画進めている人はそのままで大丈夫。応援します。どうしようか迷ってるところは9月に。その頃には今より安心できることを願って。誰も経験したことのない夏がくる。あなたと私の水辺のディスタンス。”
7/7の開催を否定しないし応援するが、迷う時間を2ヵ月とり、一斉乾杯は9/9にスライドします。
この記事を書いた人
ミズベリングとは、「水辺+リング」の造語で、 水辺好きの輪を広げていこう!という意味。 四季。界隈。下町。祭り。クリエイティブ…。 あらためて日本のコミュニティの誇りを水辺から見直すことで、 モチベーション、イノベーション、リノベーションの 機運を高めていく運動体になれば、と思います。
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