2016.06.08

野川 ペットボトル漂着調査

みなさんこんにちは、今回私は、川に捨てられてしまうゴミがどういった場所に溜まりやすいのかを調査してみました。この調査では、川でよく見られるゴミとしてペットボトルを実際に川で流すことによって、ゴミが溜まりやすいポイントを明らかにしたいと思います。

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調査

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東京都内を流れる野川の国分寺市、小金井市の境界から下流へ300m程度を調査区域としました。国分寺市と小金井市の境界をスタート地点とし、500mlの空きペットボトルを流します。ペットボトルが10秒以上とどまった地点を漂着ポイントとして、その地点の特徴を確認します。確認後、漂着ポイントから水平に川の中央からペットボトルを再び流し、これらの作業を調査区域で繰り返すことで、ペットボトルが漂着しやすい場所の特徴を調べていきたいと思います。

では、スタートです。

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早速漂着しました。スタートから約3m地点です。流れが遅い場所で、だんだんと岸に近づいていった後に、岩にひっかかってしまいました。こんなにも早く漂着してしまうとは思っていませんでした。この先、たくさんの漂着ポイントの発見が期待できそうです。ゆらゆらと流れるペットボトルは、この他にも岸から伸びた枝や、飛び石、段差、他の漂着ゴミなど様々なポイントでひっかかりました。漂着しそうな場所にしなかったり、反対に意外な場所で漂着したり、漂着したと思いきや流水に向きをずらされながら障害物を突破してしまったりと、見ていて面白かったです。

他に落ちていたゴミ

ペットボトル(大中小それぞれ一本ずつ)、タバコ、シャンプーボトル、ビニール袋、お菓子の袋、ブレスレット、食べ残し道中これらのゴミが散見されました。この中でも特に袋系のゴミが多かったです。袋の中に水が入り沈むことで目立ちにくく、且つ河川内のいたるところで確認されました。これらの確認したゴミは回収しました。

まとめ

調査区域の300m内で22ヶ所の漂着ポイントを確認しました。それらの特徴から、こんなことがわかってきました。

・流れが遅い場所だと少しの障害物でも漂着してしまう。逆に、速い場所では少しくらいの障害物であれば通り抜けていく。

・流れが遅いとだんだんと岸に寄っていってしまい、その結果岸に漂着してしまう。

・岸から川に飛び出ている草や枝にも漂着しやすい。

・河川中の飛び石も流れる方向に対して幅が広いものは、ゴミをひっかけやすくなっていた。

・浅い場所だと流れが速くても障害物にひっかかる地点が確認された。

・既に漂着物が溜まっている場所は、それが障害物となり他のゴミもひっかけやすくなっていた。

こういったポイントにゴミは漂着し、溜まりやすいと考えられました。今回調査した区域は、直線だったためカーブの部分やその他の河川構造物が見られる場所で調査を行うと、より詳細な結果を得られそうです。

ゴミの溜まりやすいポイントを確認しましたが、こういった要素は河川の自然環境を豊かにするために必要なものです。こういた場所をなくすのではなく、ゴミが溜まりやすいということを理解したうえで川との付き合い方を考えていくことが大切だと思います。

最後に

調査中は、川に来ていたたくさんの方々に挨拶など、お声かけいただきました。何をしているのか尋ねられたり、この時期の川の楽しみを教えていただいたりしました。そういった何気ない会話をすれ違う方々とできた点も、この調査の収穫だと思います。そんな人の温かさに触れられる川に、みなさんも足を運んでみてはいかがでしょうか。ここまで読んでいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

五月女恭輔

東京学芸大学 修士1年 好きな川:栃木県宇都宮市を流れる姿川

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