2015.10.13

川の端を目指す【玉川上水編】

川の端を目指す

私は、自転車で通学する凡庸な大学4年生である。東京都の小平市に住んでいる。通学にあたり、毎回喜平橋という橋を渡る。その橋の下には、「玉川上水」が流れる。今回は、これまで3年間何気なく渡ってきた橋の下を流れる玉川上水の源流へと、ひたすら自転車でアプローチした。

正直、玉川上水がどんなものなのか、私は知らない。そのような状態で私は玉川上水を左手に、上流へと自転車を漕ぎ始めた。この日は8月のお盆明け。平日の昼間。今日のようなことは大学生のうちにしかできないということくらい、誰に言われずとも薄々感じるものである。素敵な小旅行にしたいものだ。

1枚目.玉川上水の道

こちらの写真は立川市の玉川上水沿いの道である。最近曇りの日が続いていたが、今日に限っては晴天。玉川上水の両脇には木々が植えられており、走る道には木漏れ日が差し込む。散歩コースとして最適なのであろう、ゆったりと足を進めるご年配の方と何度かすれ違う。2枚目.謎のつけ麺屋

立川市の玉川上水沿いをそのまま自転車でなぞっていると、西武立川駅付近におしゃれなつけ麺屋を発見した。ふと自分がまだ昼食をとっていないことに気付く。これは行くしかない。お腹も満たされたところで、再び自転車を走らせる。

3枚目.福生市の公園

走りやすい道が続く。いつの間にか福生市に入っていた。玉川上水をさかのぼるように自転車を走らせると、玉川上水緑地日光橋公園をはじめ、みずくらいど公園、中福生公園、多摩川緑地福生加美上水公園と、次々と綺麗に整備された親水公園が現れた。ちなみにこちらの写真は中福生公園。草丈が見事に切りそろえられており、美しいの一言に尽きる

玉川上水を右手に、羽村市へと入る。左手に大きな川がいつの間にか姿を現した。多摩川である。自転車を漕げば漕ぐほど、右手の玉川上水と左手の多摩川が近付いていく。この旅の終わりが間近であることを予感させる。

4枚目.取水堰

そう、玉川上水は多摩川から水を導いているのだ。江戸時代のはじめ、「玉川兄弟」により玉川上水が作られたとのこと。ちなみにその玉川兄弟の銅像が羽村取水堰には置かれている。玉川上水については、玉川上水沿いや取水堰に設置してある立て看板に、大変わかりやすく記述してあるため、ご興味を持たれた方は是非ご覧になっていただきたい。

取水堰付近には、ありがたいことに休憩所が設置されている。そこには多摩川サイクリングロードを走行してきたと思われるサイクリストの方々が、タオルを顔にかけぐっすり眠っている。さて、帰りは多摩川に沿って帰ってみようか。

日常生活において、川と関わる・川を意識する機会は少ない。もし、身近な川とのかかわりが、ただその橋を渡ることだけだったならば、かつて虹の真下を目指した少年時代のように、川の端を目指す小旅行に出かけてみるのはいかがだろうか。必ずや、素敵な出会いそして学びが待っていることを約束したい。

この記事を書いた人

松田 幸太

松田幸太(まつだこうた)。東京学芸大学教育学部F類環境教育専攻。趣味は自転車と音楽。行ってみたい川はメコン川。

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