2015.12.28

川の楽しみ方いろいろ~河口から見る日の出~

みなさんは日の出といえばどこで見ることを想像しますか?富士山などの山に登って見たり、海岸から見たりすることが定番だと思います。しかし、都内に住んでいる方だと、どちらも簡単には行くことのできる場所ではありません。そこで、今回はより身近な多摩川八景の1つである、多摩川の河口から見る日の出について紹介していきたいと思います。

多摩川八景とは、多摩川への関心を高め河川環境整備の方向性を探ることを目的として行われた「あなたが選ぶ多摩川八景」というコンテストにおける住民投票に基づき公表されたものです。多摩川の美しい風景の中から50ヶ所が多摩川50景として選定され、さらにその中から特別に美しい8ヶ所を選んで「多摩川八景」としています。 多摩川八景は、多摩川の見どころを凝縮した場所で、多摩川を代表する美しい風景が詰まっています。上流から奥多摩湖、御岳渓谷、秋川渓谷、玉川上水、多摩大橋付近の河原、二子玉川兵庫島、多摩川台公園、多摩川の河口が多摩川八景に選ばれています。

今回は多摩川の河口近くにあり、初日の出のお参りスポットとして有名な羽田大鳥居を実際に訪ねてみることにしました。河口近くには、額に「平和」の文字が大書されている鳥居のみが建っています。もともとは現在の羽田空港にあった穴守稲荷神社の鳥居だったのですが、戦後米軍が取り壊そうとしたところ、事故が続出してそのまま残されたそうです。その後、羽田空港の沖合拡幅に伴い、再び撤去されかけましたがここでも事故が続出し、撤去は断念され現在地に移設されました。このようなエピソードからインターネット上では羽田大鳥居の呪いと呼ばれ、都市伝説の1つになっているようです。

8月上旬に行ってみると、夜明け前の4時30分でしたが釣りをする人、犬の散歩をする人がいらっしゃいました。まだまだ暑い季節ですが、早朝だったので風が心地よく半袖でちょうど良いくらいの気候でした。また、海鳥が多く生息していて水中の魚を取る様子が見られました。あいにく天候に恵まれず日の出の写真を綺麗に撮ることは出来ませんでしたが、鳥居と河口と日の出を同時に眺めることができました。朝日を浴びることで朝からすっきりと目覚めることができました。元旦以外に日の出を見る機会は少ないですが、是非早起きして日の出を見てみてください。ちなみに初日の出の時には太陽は川面から昇り、鳥居を抜けるようにして昇っていく様子が見られるそうです。

今回は日の出に注目していきましたが、川には様々な楽しみ方があります。一見何もないように感じる川や身近にある川においても、知らなかった風景が広がっていたり楽しみ方があったりすると思います。ぜひ身近な川に注目してみてください。

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多摩川八景の地図
出典:国土交通省関東地方整備局
ホームページ(http://www.ktr.mlit.go.jp/keihin/keihin00482.html)

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羽田大鳥居と多摩川の河口

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多摩川の河口から望む日の出

この記事を書いた人

青野 由奈

東京学芸大学 教育学部 環境総合科学課程 環境教育専攻 学部4年生。 生物について学ぶことが好きで、特に微生物による水質浄化に興味を持っています。

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