2014.09.25

東京から日帰りで行ける!
富士山麓の蒼き湖でカヤックを体験してみよう

夏が終わったって、水辺の季節は終わりじゃありません!

夏が終わったって、水辺の季節は終わりじゃありません!

こんにちは。水主の糸井です。
さて、アツ~い夏が終わってしまいましたね~
みなさん、夏の水辺満喫されましたか?

「あ、今年ミズベで遊んでないじゃん!!?」って方に朗報です。
実は、ミズベのシーズンは夏だけにあらず!
いや、むしろこの残暑過ぎ秋が深まっても水辺の季節であると僕はいつも思っております。

ということで、今回は「夏が過ぎてもまだまだ経験できる水辺」をテーマに、日本の水辺スポットをご紹介していきます。

今回ご紹介するのは、富士五湖の1つである本栖湖。
その湖畔にある「本栖湖いこいの森キャンプ場」です。
ここではキャンプももちろん可能ですが、ネイチャーガイドやネイチャーゲームなど自然とたっぷり向き合えるプログラムもあり、毎年夏は多くの人で賑わいます。
その中で、この本栖湖という水辺を最大限に楽しめるアクティビティを今回ご紹介いたします。

②ブランコ

今回は水辺紹介だが、キャンプ場で楽しめるブランコが個人的に気になるところ

本栖ブルーを求めて

本栖湖は、高さ日本一の霊峰富士、その北部に位置する富士五湖の1番西にある湖です。
湖の水面の標高は900mと高所にあるため避暑地として機能し、また水深は1番深い場所で121mとスケールに富んだ湖なのです。

③本栖湖位置

富士五湖は東京よりから山中湖、河口湖、西湖、精進湖、そして本栖湖がある。

そんな場所へレンタカーで日帰りで遊びに行ってみました。どうやら「本栖ブルー」と謳われるほどの青い湖面が広がっているのだとか。
海や川と異なり流れがないため比較的濁りやすい湖沼ですが、そんな中で本栖湖は透明度20mを越えることもある優等生。
そのため、スキューバダイビングのフィールドとしも機能しています。これは国内では稀。

④ダイビング

透明度が高くないと楽しめないスキューバダイビングだが、ここでは標高900mと高所でのダイビングとなるため、海とは異なる楽しみが生まれてくる。もちろん淡水魚を見ることが出来るのもオススメ。「MOTOSUKO DIVE RESORT」では、このスキューバダイビングを楽しめる。体験ダイビングもやっているのでぜひ。

一時期汚水が問題となっていたようですが、2006年に本栖湖湖面全域において動力船の規制が行われたこと により、レジャー向けのプレジャーボートや水上バイクの乗り入れが禁止されたことにより、今の本栖ブルーが復活したとのこと。

⑤もぐらん

唯一動力船として残る観光船「もぐらん」では船底の窓から水中を眺めることもできますが、やはり自分のペースで水辺を楽しみたいものです。

ならばぜひ本栖ブルーに入ってみたいものですが、
といっても、相手は水辺。より安全で楽しく遊ぶためのギア(道具)が必要です。
そこで、今回ご紹介する「本栖湖いこいの森キャンプ場」を訪ねてみましょう。

本栖湖の水先案内人はいらっしゃいますか?

「本栖湖いこいの森キャンプ場」は、山梨県南巨摩郡身延町の施設で、本栖湖湖畔に位置しています。
その名の通りキャンプ場としても人気のスポットですが、バーベキューコンロや寝袋などのキャンプ用品だけでなく、ライフジャケットやシュノーケルセットなど水遊びをサポートするためのギアもレンタル可能です。

⑥受付

受付横にあるボード。
どうやらカヤックだけでなく、マウンテンバイクやSUP(パドルボード)も借りられるようだ。
もちろんガイドツアーなども多種あるので、どれに参加するか悩ましいところ。
本栖湖いこいの森キャンプ場アクティビティ

⑥レンタルギア

水遊びをサポートしてくれるギアを発見。
秋には水温にあわせて「ロングジョン」(写真右手)というウェット地のミズベウェアも借りられるのもうれしいところ

その中でオススメすべきは、「カヤック」とのこと。
早速、カヤックをレンタルに受付を訪ねてみました。
すると、ファンキーなお兄さんが対応。
「こんにちは。スタッフの吉森です。ここ「いこいの森」では、我々がガイドをするカヤックツアーもやっていますが、カヤックレンタルも可能ですよ。水中を眺めるならシュノーケルのレンタルも可能ですが、基本的に遊泳禁止なので必ずライフジャケットは着用してください。また、午後になると風が強くなってきますので、ゆったりカヤックを楽しみたいなら午前のほうがいいですよ。シャワーもこの施設に完備してありますので、終わったら使用してください。」
カヤックと、ついでにシュノーケルセット、もちろんライフジャケットも借りて、吉森さんに簡単なレクチャーを受け、いざ水上へ!

⑦吉森氏

本栖湖の若き案内人。彼のガイドする本栖湖は、カヤックレンタルでのツーリングとは一味違う内容となっている。

湖面を滑空してみよう

カヤックはキャンプ場湖畔にずらりと置いてあります。
2人乗りの安定しているレクリエーショナルカヤックを選び、早速本栖湖の中へ足を入れてみました。

⑧出艇

水という境界線を見つめる。

出発後、右隣の湖畔からはウインドサーフィンの基地。
ウインドサーフィンと接触しないよう動向を確認して、目指すのは長崎という岬。
岸から離れると、眼下は青く透き通る本栖湖の上へと離陸。

⑨離陸

この青さが本栖湖。すぐ後ろには深い緑の山々が映え、本来の色というものを考える機会になる。

す~っと朝凪の匂いを吸い込んでいると、すぐ長崎に到着します。
岸に近づくと、だんだん青から解き放たれる。

もう少し青に入り込みたい。そんなときはカヤックに積んできたシュノーケルを装着してみましょう。
カヤックは長崎に置いてライフジャケットはつけたままで、顔を水に浸けて浮かんでみるだけ。

⑩シュノーケル

足がつかない水辺でライフジャケットを装着して浮かんでみるというは勇気がいることだが、きちんとライフジャケットを装着することで浮力をサポートしてくれるのでシュノーケリングなどの水遊びをより安全に彩ってくれる。

⑪本栖ブルー

ついつい海での泳ぎに自信があると、沈んでしまいたくなるほどの青さ。
ただ、ライフジャケットを外すと淡水なのですぐ沈んでしまうため注意。

長崎の岸に戻り足を水中に浸けて空を仰ぐと、目の前にゆっくり見えてくるのは富士山。
そう、ここは絶景ポイントなのです。
早朝の凪の時間であるなら、上手くいくと「逆さ富士」が拝めるんですよ。

⑫富士山

残念ながら「逆さ富士」は捉えられず。千円札の裏側に描かれている富士山の絵はまさにこの本栖湖がモデルなのだ。

そんな富士山に見とれていると、足元がもぞもぞ。
気づくと、足を魚達が突いています。
カジカという魚です。

⑬カジカ

浅瀬で流れが穏やかな水辺を好むカジカ。水棲昆虫などを食べるのだが、なぜか足を食んでくる。最初はビックリしたが5~6cmの体長で可愛らしい。

この本栖湖は、このカジカを始め鮎やブラックバスなど、多くの淡水魚が生息しています。
シュノーケルでも一部観察できますが、ぜひスキューバダイビングのライセンスを持っている方は、本栖湖でのダイビングもチャレンジしてみてはいかがでしょう。

こうして富士山を拝んで、出発地点のキャンプ場前に帰還しました。

⑭湖畔

湖畔に帰ってくると昼食を取るカヤック家族と出会う。家族でも楽しめるカヤックレンタル。親の腕の見せ所ですが、必ずライフジャケットはつけて楽しみましょう。

⑭SUP

もちろんご自分でギアをお持ちの方は持ち込みも可能だ。
駐車利用と施設使用(シャワー・トイレ利用など)の費用だけ負担し、車にマイギアを積んで水遊びも可能。
この写真は、SUP(パドルボード)。鏡面の本栖湖に映える。奥にはうっすらと富士山。

このようにカヤックをレンタルして自分なりに水遊びすることも可能ですが、
「本栖湖いこいの森キャンプ場」ではカヤックツアーも開催しています。
朝から始まるこのツーリングは本栖湖1周11kmをゆったりと漕ぐ贅沢なツアー。
先ほど受付にて対応してくださったツアーガイドの吉森さんにお話を聞いてみました。
「この本栖ブルーを1番味わえるのは、やはりカヤックです。11kmと長距離のイメージを持たれるでしょうが、実際漕いでみると空を飛ぶように朝凪から日が山間に沈み去く夕方まで、水辺をたっぷりゆったり楽しめます。途中、お昼では本栖湖名物の「鹿肉カレー」も堪能できますので、ぜひこの秋のお休みに本栖湖へ!
糸井さんのように日帰りでも楽しめますが、もちろんテントサイトやバンガローなどキャンプ場としても充実していますので、1泊して早朝のカヤックもオススメです。」

⑮鹿肉カレー

本栖湖湖畔の「松風」さんでの民宿他ランチもやっている。ランチで鹿肉カレーを注文してみた。飼育管理されたものでなく、野生の鹿をきちんと処理されているため臭みなく味は絶品!この鹿肉カレーセットで1000円というお値段にもビックリ。

このキャンプ場の運営期間は、毎年4月から11月までと春から晩秋までと期間限定。
本栖湖の冬は長く、今年の2月では大雪にてそのアクセスを絶たれるほどなのですが、それだけ自然と向き合う場所なのです。だから面白い。
この9月から11月までの秋を水辺で感じるならば、この本栖湖は最適。
夏の水辺を追い求めるのもいいですが、ゆっくりと変わり往く季節を日本各地の水辺で堪能するのも味わい深いですよ。これだから日本の水辺探索はやめられない!

⑯いこいの森位置

本栖湖いこいの森キャンプ場アクセス
【東京方面から】
中央自動車道(河口湖IC)→国道139号線:約25分→キャンプ場
【関西方面から】
名神・東名高速(富士IC)→国道139号線:約40分→キャンプ場
【甲府方面から】
中部横断道(増穂IC)→国道52号線→国道300号線:約40分→キャンプ場
※日帰り車での訪問の場合、水遊び後は比較的疲労しやすいので運転にはご注意を。
こまめに休憩をはさんだ水遊び計画を練りましょう。

⑰夕焼け

日帰りでも楽しめるが、夕方も楽しみキャンプ場で夜の闇と付き合い、早朝の凪をいただける素晴らしい季節がこれからやってくる。

⑱最後

本栖湖いこいの森キャンプ場にて
スタッフ吉森氏(左)と筆者(右)

「本栖湖いこいの森キャンプ場」ホームページ
「本栖湖いこいの森キャンプ場」Facebookページ

この記事を書いた人

水主(櫓や櫂による舟の漕ぎ手・「かこ」と呼びます)

NPO法人 横浜シーフレンズ理事(日本レクリエーショナルカヌー協会公認校)
帆船日本丸記念財団シーカヤックインストラクター
水辺荘アドバイザー
横浜市カヌー協会理事

糸井 孔帥

東京海洋大学大学院(海洋科学)在学中に、東京や横浜で海や港のフィールドワークをシーカヤックを通して学ぶ間に街中の水辺の魅力に引き込まれ現在に至ります。 大都市の水辺は、多くの旅人が行き交い賑わう場所で、また自然と対峙するアウトドアでもあります。 水辺をよく知ることが、町や歴史や国を知り旅の深みを増す契機となり、 また水辺の経験により自己を顧みる機会となります。 日本各地において水辺の最前線で活動しているプレーヤーの紹介を通して、水辺からの観光、地元の新たな魅力、 水辺のアウトドアスポットに触れる機会を作っていきたいです。 シーカヤックインストラクター(日本レクリエーショナルカヌー協会シーシニア)、一級小型船舶操縦士、自然体験活動指導者(NEALリーダー)。趣味は、シーカヤック・SUP(スタンドアップパドルボード)スキンダイビング・シュノーケリング・水中ホッケー・カヌーポロ・ドラゴンボート、そして島巡り旅。

過去の記事

> 過去の記事はこちら

この記事をシェアする