2016.03.21

春、幸せを呼ぶ黄色いドジョウ

「春は出会いの季節」

私は幼い頃、川は大変身近な遊び場として親しんできました。私にとって川は、上から覗くものではなく、中に入って生き物を捕まえる場でした。そして、今でも川の中の生き物が大好きです。

3年前の春、何故かお花屋さんで、瓶に入れられた小さなヒドジョウが売られているのを見かけました。しかも、「幸せを運ぶ黄色いドジョウ」と瓶には明記されていました。「胡散臭い」と思い、ふとそのドジョウに目をやると、じぃーっとこちらを見ていて、結局購入してしまいました。

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始めは3センチほどの大きさしかなかったのですが、食欲旺盛で今では10センチほどの大きさになりました。友人が自宅に来るたびに、「いつ食べるの?」と言われるほどです。当然、食べる予定はありません。

「男の子でした」

ちなみに、名前は「ドジョオ」と大変安易な名前を付けました。ドジョオが小さい頃は雌雄の判別が付かず、一か八かで付けた名前でしたが、大きくなり、ヒレの形等から奇跡的に雄であることが分かりました。しかし、最近では「ドジョ」と呼んでしまっています。

ドジョウの雌雄の見分け方のポイントは、胸鰭(むなびれ)です。丁度人に例えると、手に当たる部分です。この胸鰭が丸みを帯びて小さいのが雌、細長く尖っているのが雄です。他にも、背びれ付近の出っ張り等でも見分けが付きます。

今後、ドジョウを見る機会があったら、是非胸鰭に注目してみてください。ひょっとすると、あなたの近くに「ドジョオ」と言う名の雌のドジョウがいるかも…

「そんなに見ないで…」

そんなドジョ、自分よりも先に私がご飯を食べていると「じぃーっ」と私のことを見つめてきます。この無言の催促を無視し続けると、暴れます。

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もう待ちきれないのか、口が半開きになっています…

じっと見られたままでは、こちらもご飯を食べにくいので、ドジョにも餌を与えます。
ちなみに本日の私の夕食は魚でした。ドジョの口が半開きになっていたのは、こっちの理由かも知れません…

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「川での出会い」

ドジョウの寿命は10年程度と言われています。
ドジョウが幸せを運ぶだなんてと思っていた私ですが、ドジョを見ていると何故か幸せな気持ちになります。今後もきっとドジョは幸せを運んできてくれると思います。

今回紹介したドジョウは購入してきたものですが、今まで川を上から見たことしかない人も、この春に川の中を覗いてみてはいかがでしょうか?草の隙間、石の裏に、きっと運命的な出会いが隠れているかも知れません。

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この記事を書いた人

丸山 瑛奈

東京学芸大学修士課程修了。現在は、博物館に勤務。学生時代は高校生と共に河川調査を行い、生徒の河川の捉え方の変容に関する研究を行っていた。また、同時期にアルバイトとして、都内の河川でカワトンボの調査を行っていた。新潟県の山間部出身で、幼少期は信濃川で友人たちと泳いだり、生き物を捕まえて遊んぶという、生粋の元野生児。

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