2015.08.27

「かいぼり記~汗と泥をかきまくる~」

普段あまり耳にしない「かいぼり」。実は、ため池の保全にはとっても重要なことなんです。
今回は、そのかいぼりに関する簡単な説明と、筆者の汗と泥の奮闘記をご紹介します!

「かいぼり」とは

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先日、私自身約1年ぶり3度目のかいぼりに参加してきました。タイトルの通り、汗と泥をかきまくってきました。この体験を紹介していきたいと思います。と、その前に…

みなさんは、「かいぼり」という言葉を耳にしたことはありますか?初めて聞く方も多いかもしれません。かいぼりとは、農業用水などのため池に堆積したヘドロや土砂を取り除くことをいいます。2014年には井の頭公園(東京都三鷹市)でもかいぼりが実施されました。たくさんの人が参加して、楽しみながら池の大掃除を行ったようです。つらつらとかいぼりの基本情報を紹介させていただきました。ここからは筆者の実戦(もはや泥との戦いでした…)報告です。

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写真は、かいぼりを行ったため池から水を引いている田んぼです。ここは人を含めた生き物たちの集合場所です。

■日時:6月28日(日)9:00~12:00
■場所:埼玉県所沢市(西武ドームの近く)菩提樹池
■参加者:約60名(近隣住民、市役所、NPO法人、大学生など)
■目的:ため池に溜まった泥をかき出す。ウシガエルやアメリカザリガニといった外来種
の生息確認

菩提樹池では数年に1度、かいぼりが行われていました。機械を導入するのではなく、昔ながらの方法(人力)で行いました。胴長を着用して、泥の中を駆けずり回りましたが、体力勝負なところもあり、やりがいと極度の疲労を感じました(笑)

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このため池をかいぼりんぐ。一見そんなに広くなさそうですが、泥の中に入ると何故か広く見えてくるという不思議。なかなか足が進まないからか…?泥をかきだしつつ、生き物を発見したら一次的に避難させます。

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避難中のドジョウです。この日発見された生き物は、主にウシガエルのおたまじゃくしやアメリカザリガニでした。他にも手のひらサイズのカメも捕まえられました。

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かいぼり中の様子です。 木製レーキで泥をかき出しています。中継としての役割を担っている中盤部隊。前衛陣が掘削した泥を後方の排水口に運搬します。いかにリズムよく泥を流すかが鍵となっているため、この部隊の働きは重要です。

ため池内全てのかいぼりを行うことはできませんでしたが、たくさん汗をかき、とても充実した体験ができました。保全活動は多くの人々の協力のもとで成り立っています。自分の住んでいる近くのミズベに目を向けてみて、そこでの活動に参加してみてください。きっと、ミズベが新しいつながりを創ってくれることでしょう。

おしまい

この記事を書いた人

水環境に関心がある。今後も地域の環境保全等に積極的に関わる予定。 出身水系:赤川水系 よく行く水系:多摩川水系

五十嵐裕之

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