2016.11.27 Sun

サード・プレイスのつくり方 ”TOKYO ART FLOW 00″二子玉川 ミズベリング・スペシャルインタビュー

サード・プレイスのつくり方 ”TOKYO ART FLOW 00″二子玉川 ミズベリング・スペシャルインタビュー

「ミズベリング・スペシャルインタビュー」第一弾は、二子玉川で行われた”TOKYO ART FLOW 00”を通してサード・プレイスのあり方を考えます。

サード・プレイスのつくり方 ”TOKYO ART FLOW 00″二子玉川 ミズベリング・スペシャルインタビュー

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東急電鉄都市創造本部開発事業部副事業部長:太田雅文さんインタビュー

kyohei
TOKYO ART FLOW 00というアートイベントを、なぜ二子玉川でやろうとされたのでしょう?
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ライズの開発も終わって、次の情報発信のフェイズの手段として、コンセプチュアルなもの、クリエイティブなものをやりたいと思っていました。特にアートでなくてもよかったのですが、ライブ感のあるコンテンツをやりたいと。
kyohei
公共空間の使い方の実験という意味もあったのですか?
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はい、そういう場作りをやりたいなと。玉を投げてみて、これに賛同できる人をキャッチしたいと。別に地域の人でなくても良くて、川の空間を使ってみたい人を集めたいと。その中で駅と川の関わりも深めたいと考えました。
kyohei
東急電鉄としては、二子玉川をどう位置づけているのでしょうか?
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いろんな人に住んでもらいたいのです。その結果、まちで、何か新しいものが生み出される。そんなところに興味を持つような大企業が現れるような。
kyohei
住民も企業も。
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田園都市線は、郊外からワーカーを都心に運ぶ鉄道です。
kyohei
郊外はベッドタウン、都心は働く場所という区分があったと。
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ええ、そういったいわば旧来の鉄道のビジネスモデルと違うものをやりたい。それは、まちの中に職住や店舗などが混在して、まちが多様化していくという方向です。
kyohei
単機能ではない、ミクストユースというわけですね。

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そういうことです。長野県の善光寺の若者が始めた不動産屋があって、まちがリノベーションで盛り上がってクリエイティブな人が集まっているような状況などはいいなと思います。
kyohei
エリア・リノベーションの事例として有名ですね。
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はい、二子玉川でも「コミュニティ・リビング」などサードプレイス的なものの提供をしたり、それがオフィス的なものと繋がっていくなどを狙っています。媒体的な人材が集まって、いろいろな事業アライアンスが組めるような状況になれば面白いなと思います。
kyohei
ライズには楽天が入居されていて、colabなどのコワーキングスペースもありますね。
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楽天はIT系大企業で、これからずっと一緒に地域を盛り上げていきたい、と思っています
kyohei
同時に、ITは事業環境の変動が激しい業態ですね。そうすると、常に入居の可能性がある企業を惹きつけていく必要がありそうですね。そこがクリエイティブ・シティというコンセプトにも繋がっていると。
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二子玉川は、従来のオフィス立地ではないのです。クリエイティブ・シティであるために、QOL(クオリティオブライフ)的にプラスになることをやりたい。それを地域に根付かせるための社会実験をやっていきたいと考えています。「TOKYO ART FLOW 00」もその一環です。

二子玉川は川向うと川手前をつなげる場所

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二子玉川には、多摩川を挟んで川向うと川手前という区分があるんです。で、川の手前がオフィス街の拡張限界になっている。
kyohei
彼岸と此岸。川がまちのキャラクターを変えているんですね。

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はい。さらに、面白いことに、多摩川を挟んで、両岸に野毛とか丸子とか同じ地名があるんですよ。
kyohei
等々力も多摩川沿いに、世田谷と川崎の両方にありますね。瀬田や宇奈根なんかも両岸にありますね。
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よくご存知で(笑)。あと、二子玉は、高台と低地でまた住んでいる人のキャラクターが違いますね。高台は昔から住んでいた人たちがいる。
kyohei
低地は多摩川の氾濫原で、昔は流路を頻繁に変えていたらしいですね。近代に入って治水が進み、堤防で流路を固定するようになってから、ひとつのムラが、彼岸と此岸に分断された。ムラといっても、土地利用はほとんど水田ですよね。
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いまは、川を境界にして行政区も違うんですよね。
kyohei
低地は、もともとは氾濫原という同じアイデンティティを持つ場所だから、「多摩川区」という区を作っても面白いかもですね。
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ああ、なるほどですね。現在の二子玉川では、川向うには、シングルやDINKSが住んでいて、川手前には子供持ちや、家族が住んでいる傾向があります。川向いには、独身でクリエイティブな人が住んでいるかもしれない。
kyohei
江戸時代、隅田川の川向うの墨東に、北斎や広重などのアーティストが住んでいたみたいな感じですね(笑)
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そうそう。われわれとしては、そういうクリエイティブ層が、川を渡ってこちらに来て欲しいんですよ。川向うのシングルも結婚したら川手前に住むのかもしれないし。
kyohei
東急電鉄の東浦さんがミズベリング・ジャパンでプレゼンされた「二子玉川ペデストリアンデッキ(歩道橋)構想」というのも、そういう背景があったんですか?
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そうですね。多摩川にある程度幅をもった歩道橋を架けて、自転車と歩行者が両岸を余裕を持って行き来できて、川向いと川手前がつながるようにする
kyohei
橋の上で、マルシェやライブなんかもやって、水上のにぎわい空間になるといいですね。

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そういうこともできるといいですね。二子玉にはかつて、渡し船があったんですよ。舟運もやりたいと思っています。二子玉の下流に堰があるので、そこまで船で来て、あとは堤防の上を水陸両用バスで走って、二子玉まで来るみたいな。
kyohei
それは、面白いですね。ぜひ実現していただきたいです。今回は、ラング&バウマンの作品が246の橋脚に一時的に出現しましたが、ああいいうのも継続的にやることは考えておられないんですか?
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今回は、時間がなかったのですが、有識者委員会をつくって、公共的な占用を道路管理者と詰めれば使えるようになると思います。
kyohei
東急さんも主要メンバーとして参加しておられる、「二子玉川エリアマネジメンツ」では、どのようなことをされるのでしょうか?
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河川空間と道路空間の活用というのがテーマのひとつになっています。そういう許認可をとりまとめる組織になりたいと考えています。社会実験として河川敷でのハナミズキカフェや、アートフローではキッチンカーの運営などをエリマネで行いました。堤防の利活用もやりたいと思います。二子玉川のまちなかに旧堤防があるんですが、そこを駐輪場に活用するなんかもアイディアレベルであります。

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街なかの多摩川旧堤防。大正7年(1918)着工の多摩川改修工事にて昭和8年(1933)に完成した

kyohei
あの堤防は治水要件としてまだ必要なもののはずですので、堤防のマルチユースならできそうですね。今回、「tokyo art flow」で使った河川敷の管理者は、京浜河川事務所ですか?
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あそこは、兵庫島公園となっていて、世田谷区が河川から借り受けて管理者になっているんですよ。
kyohei
公園用地なんですね。営業的な利活用など、協議が難しいとかはありませんか?
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二子玉川エリアマネジメンツにも世田谷区がアドバイザーとして入っているので、話はしやすいですよ。
kyohei
そうでしたか。これから二子玉川の水辺でワクワクすることが起きていくことを期待しています。

高台と低地、川向うと川手前など、意外にもブラタモリのようなトークがでてきて楽しい展開でした。
多摩川がオフィスエリアの限界になっていて、東京の拡張というマクロな分節・境界設定になっているという話はポートランドの都市成長限界(urban growth boundary)のようですね。二子玉川というまちのポジションは、都心の中ではエッジ・シティであって、それを企業がどう捉えているかという視点が伺えたと思います。水陸両用バスも含め、今後の展開も楽しみです。
続いて、二子玉川エリアマネジメンツ代表理事 佐藤正一さんです。

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