2014.03.03 Mon

東京運河21km SUPツーリング

東京運河21km SUPツーリング

いま話題の、ボードに立ちながらパドルで漕ぐSUPに乗って、迷路のような東京の運河を回ってみた。

東京セントラルイーストの運河を行く。

東京運河21km SUPツーリング

ライター:糸井 孔帥
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再びの隅田川、そして江東内部河川という迷路へ

神田川の河口は、すなわち隅田川です。またもや隅田川を横断しなければなりません。
その前に東京の新たなランドマークである東京スカイツリーをよく見えるので、ちょいと写真撮影を。

29.神田川河口再び隅田川ここから折り返し。東京スカイツリーに見つめられて横断へと。

さて、横断と意気込むと、気づくと隠密のようにやってくる物体があります。TOKYO CRUISE社のヒミコ。遠くから見てもまったく気づかずヒミコ通航前に横断を始めるところでした。観光船は乗るのは楽しいですが、同じ航行する立場になると楽しいというよりも事故を起こさないよう細心の注意を払います。おそらく我々だけでなく、ヒミコの船長さんも同じことを思ったはず。「なんだ、あの乗り物は」と。

30.隠密ヒミコ浅草から東京へと人々を運ぶ水上バス。同じ目線だと脅威となり得る。

ヒミコ通過後に広い隅田川を一気に横断します。
隅田川は直角護岸に囲まれているため、船の引き波が護岸に当たって反射波となり、その繰り返しが延々と続く三角波スポットなので、膝立ちに切り替えて落ちないように悠々として急ぐわけです。

31.三角波にもまれる隅田川膝立ちになりながら隅田川を横断。前後ろ横真下から波が襲い掛かる。これが三角波。

さて、ここで問題です。
これから我々は南下を始めてスタート地点に戻るのですが、ルートが2種類あります。
①超特急便だけど大荒れの水路(隅田川をそのまま南下)
②少し遠回りするけれど安全な水路(江東内部河川を使用して南下)
さぁ貴方はどちらを選びますか。

32.隅田川or静水コース

我々が選んだのは、②少し遠回りするけれど安全な水路(江東内部河川を使用して南下)です。なぜかというとSUPで三角波に翻弄されながら焦って漕いでゴールするのが粋でないと思ったからであります。

33.江東内部河川北風に乗って迷路を往く。

その結果、これから江東内部河川が始まります。
ここは、荒川と隅田川に挟まれた江東三角地帯を流れる江東内部河川と言われ、古くから舟運が盛んで今もカヌーやカヤックなどの手こぎボートでたくさんの人々が水辺を利用している水路です。そのため、自主ルールや標識があり、それに則って通航をすれば、安全にツーリングを楽しくことができる水路なのですが、この江東内部河川を大きく二分することができます。その基準は扇橋閘門の存在です。この閘門という水門により荒川方面の旧中川から北十間川などの水路と、今回ツーリングする大横川などの隅田川ほう面の水路に分けることができます。

34.江東内部河川全体図

35.江東内部河川の自主ルール例北十間川での例。カヤックや手漕ぎボード、小型船舶など多くの人が使う水域でのガイドとして有効に機能している。2012年11月旧中川と北十間川との交差路にて撮影。

ただ、気をつけていただきたいのが、水の迷路となっているためツーリングの際はぜひ地図を持ってきていただきたいということです。
我々は今回迷路の入り口である堅川へ進入してオリエンテーリングスタート。

さぁ、まずは東西まっすぐ1.7kmの堅川です。上空は首都高速7号小松川線が通り、大横川との交差路である突き当りの護岸まで入り口からよく見えます。ここは、静水域でのストレートコースではパドリングのスキルが試されるので、気持ちよくスピーディに漕いでようやく右への曲がり角。

36.ストレート堅川一之橋、二之橋と、きれいに区画された直線水路を漕ぐとデジャヴに陥ってくる。

角を曲がると水路は大横川となります。この川は南北をまっすぐ結ぶ川ですが、特徴の1つに河岸の歩道沿いに現在地んもマップがあります。また、フェンスはありますが歩道との距離も近く、緊急時は上陸(エスケープ)も可能な高さです。
大横川は途中小名木川という隅田川から荒川まで東西を結ぶ水路の要と交差します。交差路の東を見ると、扇橋閘門がありますが、今回は時間がないため通航もしません。
ずんずんと南下して行く頃には、予想通り南風から北風に変わってきたためまた追い風で楽にツーリングができるのです。

37.大横川南下北からスカイツリーに見つめられ夕凪の水路を南下

夕暮れの中、地元の子供たちに「がんばって~」「わたしもやりた~い」「ばいば~い」と声をかけられながら次の交差路へと辿りつきました。
ここには茂森橋という東京で最も低い橋があります。もう少しで干潮の時間であったため、橋と水面との空間は少しあり、我々は腹ばいになって通過。潮が高い満潮の時間であったら通れないため貴重な体験です。

38.茂森橋でドはまり東京でも最も低い橋を通過し、とおせんぼにハマる青年

茂森橋通過後に木場が見えてきます。木場は貯木場として機能していましたが、現在はその機能を少し東の新木場に譲っています。その夕暮れの木場で迷路に迷わずに豊洲運河へと抜け出しました。

39.豊洲運河まであと少し夕凪と共に活動を始める屋形船の巣。

豊洲運河では夜の屋形船の活動が始まっていて、その引き波に翻弄されながら水門を抜けると、夜の東京が一望できます。貯木場跡に生息する鵜たちが不気味に鳴いていますが、この景色は美しい。ただ、夜風で体が冷える前に、夜景に見とれて落水する前に、なんとかスタート地点である中の島公園までゴールすることができました。

40.夜景東京ゴールへ景色は美しい。しかし夜は冷える。これが冬の始まりの水辺。

総ツーリング距離は21km。時間は5時間半かかりました。
中の島公園はすでに釣り人がいなく閑散としていました。スタートの満潮時とは異なり、ゴールのときは干潮に近い時間であったため上陸に少し手間取りましたが、無事に東京の水路廻り達成です。
東京の課題は、桟橋が多くある中で上手く活用していない、うまく活用できない体制にあるところですが、こういった自力で漕ぐ水辺ツーリングをしていくと、東京でありながら、江戸の遺産に思いを馳せることができるのですね。地元の水辺や働き先に近い水辺という身近な非日常空間で楽しむというのも、1人1人の観光場所として深みを持ってくるのではないでしょうか。
おっと、終わったら後片付けが残っていましたね。

41.東京SUPコース図内訳スタートから神田川経由のゴールまでを振り返る。

日本橋防災桟橋

Writer's Profile
糸井 孔帥
水主(櫓や櫂による舟の漕ぎ手・「かこ」と呼びます)

NPO法人 横浜シーフレンズ理事(日本レクリエーショナルカヌー協会公認校)
帆船日本丸記念財団シーカヤックインストラクター
水辺荘アドバイザー
横浜市カヌー協会理事

東京海洋大学大学院(海洋科学)在学中に、東京や横浜で海や港のフィールドワークをシーカヤックを通して学ぶ間に街中の水辺の魅力に引き込まれ現在に至ります。
大都市の水辺は、多くの旅人が行き交い賑わう場所で、また自然と対峙するアウトドアでもあります。
水辺をよく知ることが、町や歴史や国を知り旅の深みを増す契機となり、 また水辺の経験により自己を顧みる機会となります。
日本各地において水辺の最前線で活動しているプレーヤーの紹介を通して、水辺からの観光、地元の新たな魅力、 水辺のアウトドアスポットに触れる機会を作っていきたいです。
シーカヤックインストラクター(日本レクリエーショナルカヌー協会シーシニア)、一級小型船舶操縦士、自然体験活動指導者(NEALリーダー)。趣味は、シーカヤック・SUP(スタンドアップパドルボード)スキンダイビング・シュノーケリング・水中ホッケー・カヌーポロ・ドラゴンボート、そして島巡り旅。

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