2017.03.02

水辺のユーザーエクスペリエンスを探るーミズベリングテーマ会議#07「東京水辺ラブストーリー」【レポート】

水辺デートでミズベのユーザー・エクスペリエンスを探る!

毎回ユニーク且つタイムリーなテーマを軸に、有識者や専門家のプレゼンテーションを交え、会場に集まったみんなでトーク・セッションする「ミズベリングテーマ会議」。これまで「高架下」、「初めてのエリマネ」、「水辺のアクティビティとタクティカル・アーバニズム」、「水辺の広告」といったテーマを元に、水辺で展開された活用や可能性などについて、アツく議論を展開してきました。
そして通算7回目となるミズベリングテーマ会議が、1月23日に大手町3×3ラボフューチャーで開催されました。なんと今回は「東京水辺ラブストーリー」と銘打ち、水辺でデートのロケ撮影を敢行したという画期的な企画のプレゼンテーションでした。
この日は、1日がかりの撮影ロケに参加いただいた、旅ブロガーでwebコンテンツ運営代表のRemiさん、撮影で大変お世話になった寺田倉庫から不動産グループ森さん、そして東京ウォータータクシーの木村さんにもお集まり頂きました。水辺デート・ソムリエのクリス滝さんがナビゲートした「水辺デート」の撮影裏話も紹介しながら、世代による価値観の違いによるジェネレーションギャップをも越え、笑いを交えつつ、ユーザー側の視点や感性から利用する、水辺空間の魅力について語らいました。

冒頭2

東京ではかつてバブルの頃、ベイサイドで多くの愛が生まれていた

ミズベリング・プロジェクト事務局・山名プロデューサーがかつてのバブル時代の水辺を振り返ります。
「水辺に果たして愛が生まれるのか?
街はどんどん発展して移り変わっています。東京のベイサイドではかつてバブルの頃、水辺という名の下に、多くの愛が生まれていました。でも、ミズベリングを初めて3年。これまでやって来たけど、ミズベリングから何かが生まれるなんてことはなかった。なのに恋が生まれるかも、と言ったらこんなに人が集まってきたので大きな流れが来ているとしか思えません。
街づくりと水辺ってものすごく密接なんじゃないかと。ミズベリングのメンバーは、建築家やライターといった地味な連中なんだけど、ミズベリングの人ですかと言われてモテ始めたんですね。それまで誰も見向きしなかったのに。でもたった3年で水辺の未来を語ることになってきて、女の子に声をかけられるようになってきた。どうやら史上空前のモテ期に突入した訳です(笑)。水辺の未来を語ること、街づくりをすること、水辺周りの仕事をすることでどうもモテるらしい、と気付いてきたんですね」

冒頭

これまでのテーマ会議と大きく異なり、今回主役となる視点はあくまでも生活者=ユーザー。

このテーマ会議では、水辺でデートするという『東京ミズベラブストーリー』をリアルに体験した感触を出演者に聞いて行きながら、関係者なども意見を言い合う場として設定されました。山名P「今回はシュミレーションとして、ブロガーのRemiさんに出演してもらい、本当に彼女が自分振り向いてくれるのかやってみるという挑戦でもあります。滝澤君の公私混同を応援しようということになりました。モテない男が、なんとモテ期に入ったので、さらにここでモテようと不純な動機を聞いてみましょう(笑)。ですが、この水辺デート上に、もしかしたらビジネス上の産業とか街づくりの未来の可能性があるかもしれない、そんなヒントも適当に掴んでもらえたらと。いま、新しい出逢いに産業とかビジネスとかに賑わいが生まれてくるかもしれない、そんな気配が日本各地でしています。国交省の田中さんいかがですか?」
国交省・田中さん「私たち作ることは得意なのですが、人が来てくれるだろうと作った水辺に実際は来てくれていないということが全国各地であります。今日このテーマで過去最大の集客になった訳ですが、水辺の可能性が広がっていくのではないかと感じます。今まで違う方達がいらしているのでまた新しいつながり作っていただければ」

クリス滝さん登場

滝澤ディレクターならぬクリス滝さんが登場し、会場では水辺総研・岩本氏による突っ込みを交わしながらも東京ミズベラブストーリーについて紹介。

デートコース・ソムリエのクリス滝さんが登場

クリス滝「デートコース・ソムリエのクリス滝です。今日は東京の水辺がとても素敵なデートコースだと共有したくて参りました。そもそもデートコースはどういうものかと説明します。まず、デートコースとは、エンジョイと喜びが外せないものです。次にサプライズ、驚きをどう伝えるかが大事。ただ、驚きとおののきは結構ボーダーラインで、“突然暗がりに連れてこられても驚くけど怖いよ”、みたいなところもあったりするので、それをどうケアするかが3番目のポイントだと思います。1エンジョイ、2驚き、3ケアの3点がデートコースの基本かなと。満たされているかどうかはプレゼンテーションをみてご判断ください。
ところで、デートコースを作ろうとすると制約条件が結構あります。時間が限られていること、女の子が帰るまであと何時間しかないとか、男性陣はそれをクリアするのにがんばってプランを考えます。あとお金も限られているので、この時間とマネーのX軸とY軸の中で、どこに持っていくのかが課題なのです。お金はたくさんあればクリアされるけど、ない中でどう考えていくかが重要です」

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時間とマネーの関係はX軸とY軸にあり。

クリス滝「そこで実際の今回のプランに落としこむ中でひとつのソリューションとして…」
岩本D「ソリューション?!www」
クリス滝「デートコースはショートトリップ感があるという定義の元にありまして、トリップするのは日常から非日常に行き来することを大事、と考えました。デートスポットはいくつもありますが、点をうまく線で結び繋ぐということ。交通手段をどう選ぶのかが重要なのです。例えば、車で来るなら家の前まで来て、という方も中にはおられるのですが、どういう手段でその方をお連れして、5分だけでも富士山が見える湖の前を歩くとか、そのために高速で移動するオープンカーに乗ってみたりとか。様々な工夫や演出も必要になります。
今回は水辺ということで、舟を使おうと思いました。歩いても楽しい街として、清澄白河と天王洲と浅草蔵前エリアを選びました。これらのエリアではカルチャー・コンプレックスが集積されているのが魅力です」
岩本D「段々デートソムリエに見えてきましたね」

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SNSでは、青い水辺の写真に多くイイネがつく

クリス滝「それでは出演頂いたレミさんをご紹介しましょう」
Remiさん「はじめまして、love旅ブロガーのレミです。私はlove旅というブロガーサイトを運営していて、その他にもトラベルライターとして活動しています。出身は広島でして、東京には大学から上京したので、既に10数年経っています。大学中に海外旅行にたくさん行ったり、TV番組の“あいのり”に出させていただきました。その後商社に就職したのですが、独立してlove旅を運営しています」

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クリス滝「love旅はほかにもブロガーさんがたくさんいるんですか?」
Remiさん「20台後半から30台の女性をターゲットとしたメディアですね。ライターが20人ほどいるのですが、主にインフルエンサーと言われる発信力のあるメンバーです。例えば、元AKBだったり、あいのりやテラスハウスに出ている子だったり、今TVで活動をしていなくても自身で発信を続けているような。実際に旅に出て、撮ってきた写真や感じた気持ちなんかをいろんな経験をしてブログやSNSに書いています。キュレーションというより、ブログに情報を追加させたような形です」
クリス滝「旅と水辺って関係性はどうですか?」
Remiさん「皆さんインスタグラマーなので写真を発信している方が多いのですが、青い写真、水辺の写真がいいねがつきやすい、というのが私たちの中であります。例えば海とかビーチを入れたりすると多いので、旅と水辺は親和性がありますね」

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クリス滝「確かにfacebookでは青い写真があるといいね押したくなる衝動がありますね」
Remiさん「旅に関することはどこでも行きますが、今後やって行きたいのはお子さん連れやご家族の旅行で、日本の地方の魅力を伝えていきたいなと思っています」

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オンデマンドな水上移動!東京ウォータータクシーさん

クリス滝「本日はロケにご協力頂いた、東京ウォータータクシーの木村さんにもいらしていただきました」
木村さん「一昨年の11月から舟2隻ではありますが、事業を開始しています。タクシーですからオンデマンドの方法を元々目指していて、これからも目標として運行します。最近よく問われるのが、水上タクシーは交通なんですか?観光なんですか?と。あくまで移動手段で、どう利用するかはお客さまが決めて認識することです。できれば水上にどんどんお客さまの思い入れをジオタグのようにつけてもらいたいです。うちだけではなく、舟に携わる皆さんの思いだと思います。今日はとにかく、うちをフューチャーしていただき大感激です!これからもたくさんの方に体験頂きたいと思います」

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岩本D「1月17日から500円のワンコインタクシーをやってらっしゃるんですよね?」
木村さん「夕刻以降ですが、田町~天王洲間を小さな舟でダイヤを作りました。この地区だけでなくいろいろな場面でそういう魅力的なシーンを作っていければと思います。まだ2艘ですが、ゆくゆくは60艘を目指しています」
岩本D「今回、船長さんが女性の方で、女性目線の水辺を盛り上げたいと言っていたのが印象的でした。思ったのですが、女性の感性や視点が、今の水辺空間の利用におおいに必要なのではと感じています!」

水辺環境を感じてもらう、天王洲エリアの魅力開発

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クリス滝「寺田倉庫さんから、不動産事業グループで天王洲ご担当の森結紀納さんがいらしています」
森さん「寺田倉庫自体は本社が天王洲にある倉庫会社でして、天王洲を拠点としていろいろ水辺周りにお客さまが来ていただけるような形で、アートやイベントなどを誘致しています。水辺環境を感じてもらうためにハードの部分を向上したり、皆さんに親しみを持っていただけるような施設のあるエリアにすべく仕事をしております」

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クリス滝「やっぱり倉庫の使い方はいろいろありますが、建築模型を入れたりアーカイブすることが面白そうですね」
森さん「ずっと天王洲のエリアで倉庫を営んできましたが、建築模型を預かる倉庫兼、ミュージアムみたいなものを開設したり、時代の流れで倉庫を次の使い方をするということに取り組んでいます。タイソンズ&カンパニーのT.Y.HARBORは倉庫をレストランにリノベしたものですし。それ以外にもSLOWHOUSEというインテリア系のお店を誘致したりですとか、さらに皆さんの生活に中に身近に感じていただけるような取り組みを推進してきています」

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「ウォーターフロント」→「ミズベ」。点と点をつないで行くことで生まれる魅力に期待。

山名P「ワールドワイドな場所に出かけられているレミさんですが、この東京の水辺デートはいかがでしたか?」
Remiさん「正直、初めて訪れるところはほとんどなかったところですが、初めて水辺から見る角度だったので、新しい発見がたくさんあり楽しかったです!あと、カフェの存在は知っていたのですが、まさか水辺で受け取れるとは思わなかったので、そんなことできるんだ、というサプライズがありました」
山名P「なんか全体が初々しい感じで非常によかったですね。バブルの時代、木村さんはウォーターフロント時代にはあそこで有名なレストランを経営されていたりとか、東京ではかつて東京湾ベイエリアはウォーターフロントと呼ばれていて、デートスポットとして花ざかりの時代があった。そこから20年経った今は、ウォーターフロントと言う言葉を使わずに、水辺を使って新たなデートスポットが生まれるというのがいいですね。ユーザーのひとつの楽しみとしてぐるっと回る視点は今までなかった。完全にユーザー視点で見て、物語を作ってみて、こういうのをもし雑誌とかの場合、どんなコースになるかとシュミレーションしたわけですね」
Remiさん「点と点を線で結ぶという感じで、スポットだけを紹介するのではなくこういう流れで紹介するのはいいですね」

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岩本D「ところでRemiさん、ウォーターフロントって言葉は知っていましたか?」
Remiさん「知っていましたが、使ったことはないですね」
岩本D「僕の世代も実はウォーターフロントって知らないんですよ。大手のゼネコンさんが描いてる感じと言うか…」
Remiさん「そうなんですよね、マンションとかの広告にありますね。私としては使う機会があまりないです。キザな感じと言うか」
山名P「完全に世代ですね。ウォーターフロントと言っていた時代では確実にモテていました。それこそ木村さん達がやられていた、松井雅美さんという有名なインテリアデザイナーが初めに水辺にレストランを開業されたことで、ゴールドというディスコがあったりと水辺で遊ぶということが東京で重要な時代があったんですよ。そこから20年越えて、僕らにとっては再び水辺というだけで新しいまちづくりというか、歩む物語が生まれるというのが画期的で文化的なことが起こっているのを実感していますね。本日会場にいらしている東京大学の公共政策大学院の辻田先生は非常に詳しいと思いますのでお話を聞いてみましょう!」
辻田先生「その時若かっただけですが…たしかにそういえばと。東京ラブストーリーは男女七人。つねに川をはさんで両側にいたり、木更津と東京をフェリーで行き来したり。ロングバケーションとか、水辺ってドラマのコンセプトの設定にいいんですよね。境界があるというか川と水を挟んだ両側で世界が違う。そこを詰めるのが橋だった。
最近だと砂の器でも菅野美穂が、湾岸のマンション群と下町の月島の間で行き来して、おさななじみと会うのは常に橋の上、だとか。ちょっとステレオタイプと言えなくもないのですが。川や水を挟んだ演出がラブストーリーの演出としていいのかなあと思いましたね」
岩本D「1995年に茨城から出てきたときはそんな雰囲気はなくなっちゃってて。なんかずりいなと」

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森さん「天王洲はどうしてもバブルのイメージを持たれてる方は多くて。ドラマで使われていたとか。それこそ20年前に再開発して、当時は最先端なエリアだったけど、それがどんどん衰退していって水辺に意識が持たれなくなった、というのはあります。ですが水辺エリアに対して皆さん来られると雰囲気いいねという方が多いんですね。それって川があって、何となく穏やかで、水辺の周りには緑があって、非日常な雰囲気だよねと。その部分をもっと知っていただきたいので、気づきのあるような新しい取り組みをしていきたいです」

森さん「天王洲にあるお店はよく雑誌でオトせる店特集などで掲載されることがありますが、運河沿いに客席をならべて、みんな川を眺めて並んで過ごすって言う雰囲気がよかったり。夜は屋形船が通って海がキラキラしてドラマティックな景観ですし、昼間はさんさんとして雰囲気が良いということでデートに使っていただくことが多いです」
クリス滝「実は森さんは海洋大学ということで、天王洲でお過ごしになられたということですが学生時代はいかがでしたか?」
森さん「倉庫街で毎日トラックが入ってきて、土方のお兄ちゃんとかがいたりとか、そもそも倉庫街だったので、コンビニも週末はしまるような状況でした。その中でT.Y.HARBORだけがぽつんとあって。当時はT.Y.HARBOR行くとその他に行くところが無くてタクシーで品川行ったり芝浦行くか、見たいな単純に点でした。今回これを見て、点を結べる手段を考えさせられたなあと思いました。色々できそうでいいなあと!」
クリス滝「それではメイキングを見つつ、皆さんからご意見を聞いてみたいと思います」

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清澄白河と言えばご存知ブルーボトルコーヒー。週末は並ぶほどの集客だそう
ヨーガンレールのセレクトショップ“ババグーリ”や、港を感じるカフェ“ポートマンズカフェ”などあり、街歩きが楽しい

清澄白河-街に住み、街で生活するリアルな住民が発信するおしゃれな雰囲気を持つ街

Remiさん「コーヒーの街だと聞くと面白いですね。船着場も駅から結構近かったので、水上を移動するというのが斬新だなと思いました」
岩本D「この桟橋は僕も使ったことのないんですが、昔は水上バスが運航していた時使われていました。でもずっとクローズしていたのが最近になってオープンした桟橋なんです。今回東京ウォータータクシーさんで使わせてくださいとなったら、このおじさんが待っていて開けてくれました。そういう仕組みになっていて。通常は鍵が閉まっているので、人がいないと使えない場所です」

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清澄白河駅から徒歩数分、小名木川に設置された高橋乗船場

榊原「じつはこの清澄白川ですが、カフェとか街が充実してまして、“まちぶら”だったり“ROUTE”だったり街で配られるフリーペーパーを街で配られています。カフェなどで手に取ることができます。こういうふうな文化があるのも魅力のある街ですね」
この“まちぶら”は、清澄白河を主役にしたフリーペーパー。学生が制作に携わり、東京を中心に紹介している取り組みだそうです。“ROUTE”と一緒に手に取って清澄白河をぶらつくにはとても便利なツールです。

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岩本D「これ手をつないでいるのはどういう意図があるんでしょうか?」
クリス滝「舟は手をつなぐ良い機会なのですね。乗る瞬間は正当性を持って手を出せると言うことです。揺れてる時に手を差し伸べる、つまりエスコートです」
岩本D「日本男児は手を差し伸べるという文化がないと思いますが、イタリア人になれということですね」
山名P「なんか変な気持ちは…」
Remiさん「しなかったです。差し出していただけないとさみしい気がしますね」
クリス滝「一度差し出すと大丈夫になりますよ!」

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水上ならでは、理屈のいらない気持ちよさを堪能

Remiさん「水辺から見ると風景が違いますね、お天気もよかったので」
岩本D「二人で、突き詰めて話をしなくてもいい感じがしていいなと思ったんですが」
Remiさん「会話が途切れることが無かったというのもあるのですが、見るものがたくさんあるので、話さなきゃっているプレッシャーがまったくなかったです」
クリス滝「男って勘違いしてうんちく話したらモテるんじゃないかってところあるじゃないですか。そう言うの全部忘れて、きもちいいね~とかいいネーとしかいわなくてもよい状況になるんです。変な理屈がいらない、そこが水辺のデートの魅力ですね!」

クリス滝「で、最初の見せ所といえるのが、なんと、船からパンとカフェラテを買える八丁堀のCawaii Bread & Coffeeさん。実際にはなかなか手が届かなかったので、取るのがちょっと大変でしたけど、それも男が頑張ってる演出かな〜って」
山名P「お〜!これはいいね。他にも船から買える所ってあるの?」
岩本D「神田川の河口にある昔の船宿さんで、三越にも卸している佃煮屋さんがあります」
山名P「イスタンブールでは有名なサバサンドてあるんだけど、舟から買うんですね。観光客向けに。舟から買うという普段とちょっと違う行為が面白いという。特別感がありますね。これスリルあるね」
クリス滝「ここでお金のやり取りでスリルがあったんですが、実はお釣りが出てしまって。持ってきてもらうことになったんですね」
岩本D「釣り銭ないようにっていわれたんですが、やり取りにはご迷惑をおかけしました」
クリス滝「トレードの原点、みたいな感じがありますね」
山名P「舟から運ぶとか、人を運ぶだけでなくて、熱々のピザが出てきたりとかあるといいね!」

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舟って不思議なのですが、陸の人に手を振るとみんな返してくれるんですね!

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>ここは昔河岸だったそうです。まさにトレードの場!

Remiさん「舟の中にはお手洗いもあるので安心でした」
クリス滝「コストは30分で5200円。この体験できて5,000円なら。ヘリよりも安いですよね。二人だけの貸し切り空間を楽しめるんですよ」
Remiさん「タクシーも貸し切りがたしか30分5,000円です」
クリス滝「1時間半乗って、1万5千円。それぐらいのコストはいいかなと…」

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クリス滝「東京って冬の季節渡り鳥がたくさんいて、見るだけで和みます」
岩本D「後ろからうらやましそうに追っかけているのがオレなんですが。撮影船で二人の姿を追いかけました。アッチは楽しそうだな〜と」

もともとボートピープルの岩本さん、めっちゃ舟似合っていますね!

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天王洲ピア。中川特殊鋼さんが2013年に設置された桟橋

岩本D「ここの桟橋はカードで開けられる桟橋で、スイカ決済ができます。設備投資されている場所。無人管理している中川特殊鋼が作ったのですが、スタッフに問合せしなくても舟の運行管理者が鍵を開けて使えるという画期的なシステムです。使いやすいスマートな桟橋ですね。ぜひこういった新しいサービスが普及するといいなあと思っています」

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ライフスタイルを提案するACTUSがプロデュースするレストラン“SOHOLM”。ジビエ料理も楽しめます

東京で唯一な場所、天王洲

森さん「ここはできて3年目、元々は音楽スタジオでした。閉鎖的で、テラス席も音楽スタジオを利用する人の喫煙場所でした。四方向海に囲まれている場所なので、運河をもっと知ってもらうために解放して、お店も誘致してBtoCのような形にしたら、一般の方や地元の方なども来ていただけるようになりました」
Remiさん「ペット連れができるのでよくここは来ています。テラス席も予約できたりするのでいいですね」
森さん「寺田倉庫のエリアをどこにも無いような場所にしたいと言い合っています。よくポートランドやNYだよねとか言っていただくのですが、やっぱり東京の中で唯一なところを目指していますね」

普遍的な心地よいもの、を揃えたコンセプトストア“SLOWHOUSE”

森さん「TYまで舟で来て食事してまた舟で帰る、といったサービスを以前はしていたんですよ。最近では、国交省の社会実験の時、さっきの桟橋に舟を停められていました」
クリス滝「その時にお弁当を売っていたのが、寺田倉庫の杉坂さんです」
杉坂さん「国交省の社会実験の時に、天王洲に15分だけ停泊していたのですが、楽しんでいただきたい気持ちがあり、テイクアウトのお弁当屋さんにお願いして、私が売りました。カレーとかコーヒーとかビールとかご希望の方に買っていただくことを、移動中のリフレッシュとして演出できたと思いました」
あるとないとでは印象が変わるんだな、とも仰る杉坂さん。舟の上ではある意味隔絶された空間なので、行商ならぬサービスを提供すること自体、エンタテイメントともいえるのかもしれませんね。

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芝浦アイランド桟橋から乗船します

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リムジンボートで過ごす、ラグジュアリーな時

岩本D「芝浦へタクシーで移動して、リムジンボートで浅草に向かうルートです」
Remiさん「また違う形で乗れると思わなかったのですがワクワクしました」
クリス滝「ちなみに、チャーターが2万円、ここまで舟を持ってくる回航代が6,000円、スパークリングワインが6,500円…ワイン持ち込みはダメだと言われたので。コップは用意しました」

実はこのリムジンボート、元々は羽田空港と都心を舟で結ぶ目的で作られたそうです。
Remiさんとクリス滝さんは、ウィリアム王子と舛添前都知事が座った席にも座りました。
山名P「VIPが自家用ジェットで来たらこの舟に乗るってイメージですね」
岩本D「で日本橋いってマンダリン泊まるみたいな」
山名P「スーパーセレブみたいな」
クリス滝「そんな2万円ちょっとで味わえるのがいいので、ぜひ夕暮れ時にデートに使ってもらいたいですね」

山名P「小山薫堂さんだと天体望遠鏡を持ち込んで、星を見るというシチュエーション作ると思う。『今日、君のために明かりを点すよ』、『特別に東京タワーのイルミネーションの色を変えるよ』みたいな。そういう風な設定ができるので舟を使ってどう演出するというのも工夫すると非常に面白いことができると思いますね。ロマンティックな視点を入れたりとかね」
岩本D「それ僕漫画しか見たことないので、世代的な違いがあると思うんですが(笑)」
クリス滝「君のためにレインボーブリッジの色を変えるよ!っていわれたらどうですか?」
森さん「ちょっとバブリーだなあと思います(笑)」

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森さん「でも舟で星を見るっていいですね。東京湾のちょっと沖まで行けたら舟の周りのライトも消してもらったら、思ったより星がきれいに見えそうですね。それはロマンチックかなと思いました」
Remiさん「大勢の方がいると他の人の目が気になるので、二人きりの非日常のところだと、普段聞かないセリフを聞いたら受け入れちゃうかもしれませんね」
山名P「時間の経過が感じられるのがいいよね」

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吾妻橋桟橋で下船、リムジンボートとはここでお別れ。

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隅田川リバーサイドは実にフォトジェニックな場所です

クリス滝「隅田川の河川管理でキレイにした遊歩道ですね」
Remi「ほのかなライトで居心地がよかったですね。夕方になると女性はメイクが崩れたりしますし、男性はひげが伸びたりとあるので、こういうところは暗めの方がよいかなと思います」

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クリス滝「段々ライトアップがまぶしくなってきましたけど」
岩本D「水辺クラスターにとっては実はこれって画期的なことなんです。吾妻橋から蔵前まで歩けたのは。隅田川ルネッサンスの取り組みで、スゴいおしゃれになったんですよ。これができて3年だそうです」

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山名P「夜の時間を楽しむとか、手をつないだり肩を抱いたりして歩くこととか、テレのないことをやると風景になる。僕は前から言っているんだけど、海外から来た人たちに自分達が風景になるってことがスゴく大事。それを見て素敵だなと思う人がどんどん増えてくるはず。そういう時代になっているから、テレずにどんどんこういうのやっていけばいいと思う」

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隅田川リバーサイドテラス沿いにある蔵前のMIRRORビル

隅田川リバーウォークのロマンティックな風景にとけ込む

山名P「ここはもともと会員制の場所で葉巻にコニャックが飲めるところだった。今は解放されたけど、そういうバブルの精神が込められていたのですね。花火大会のときはふたつの席3万円でしたがすぐに売れちゃったの。そういう特別な時間をどう売るか、どう切り取るかが重要で、ロマンチックな時に、このお店でこの角度でこの位置でシャンペンを飲みながら、水辺の時間を売っていたのが長けていたんです」

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クリス滝「この雰囲気の良い7階をゴールに設定しました」
Remiさん「テラスで食事でしたが電気毛布やヒーターがあって快適。景色がきれいで特別感がありますね」

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MIRRORビル最上階にあるルーフトップバー“PRIVADO”

山名P「昔は屋上を使っていたんだけど、近所から騒音で苦情が入りやめてしまった経緯があるんです。当然うるさいかもしれないけど、みんながどういう街にして行きたいか、ただうるさいだけでなくて、いろんな了解をしたり、近所の人たちと一緒に作って、ちょうど乗り越えてきている段階。
僕らがなんで今こういう場を作っているかというと、せっかくプロポーズしたり楽しんだりする時に、無粋なことを言う親父がいないように、穏やかに二人で手をつないでいるのをよかったなあって、やさしく眺めるカルチャーが生まれるような新しい関係性が必要になってきていると思う。
タバコが分煙化されたりマナーもできてきて、水辺を過ごす時間もお互いの理解で変わって行く気配がするし、そこで果敢にビジネスに挑む人がいたり、そこでトライする人がいたりの時代なのだなと思いますよ」
岩本D「デートしている大人の姿を、冷やかしている感じがあったんだけど、それ自体が街の魅力につながってるってどっかで気付けるといいなと思いますね」

水辺をより快適で素敵に過ごすには、女性目線に発見があるはず!

笑いあり、感動あり?な撮影を振り返ってみて、出演頂いた方々に感想を伺ってみました。
クリス滝「レミさんにいわれてはっとしたのが、初めてデートするのもいいけれど、旦那さんとか彼氏とかもっと親密な関係での人と、二人の顔をみるだけでなくて、共通の風景を見て共有するような、水辺をたたずむというか、その在り方がとてもいいねと言っていて。
男性目線では水辺でどうオトせるのか?ってなりがちですが、風景の中にとけ込むとか街の水辺の風景にいるのが居心地いいなあと思いました。天王洲はカルチャーコンプレックスがあって、水辺に集積している面白さを価値として改めて知りましたね」

Remiさん「行ったことがある場所だったのですが、水辺から見る景色が違ったりとか、TYとか今まで何度も行っているので、ボートで到着するというのがアミューズメントパークみたいな刺激があり楽しみ方があった。風景にとけ込むと言うのがありますが、時間軸を感じながら行くのがよかったですね。都会のデートって気がついたら真っ暗だったことよくありますが、昼の明るいときから夕方の暮れて行く空を見て、自然の空の移り変わりや景色を限られた時間で最大限に楽しめたなと思いました」
岩本D「時間軸を感じるっていうのが水辺の魅力だっていうのがスゴいイイ話ですよね。そういうのを体験できるのが水辺の魅力ですね!」

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森さん「水辺まわりに元々倉庫があったのも、日本は島国なので舟でモノを運んでいたから。その流れの中で、港湾エリアとか、水辺周りに大型の倉庫や古い倉庫が残っている。そこを活かして新しいものに変えて行っている流れの中で、水辺をつないでくれるものがたくさんできてくると、水辺の魅力がもっと身近になるのでは思います。そう言う形でいろんなあたらしい水辺周りの使い方が模索できるなと思いました」

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寺田倉庫が運営するTERRADA ART COMPLEXにて
岩本D「実はこの撮影、もっとドタバタするかと思った。でも東京の水辺はちょっとお金払えば行けるぞ!と言う感じを持ちましたね」
山名P「舟で行くというのが素晴らしいですね。愛妻家協会でもぜひ活用できそう」

また会場にいらした方々にもご感想を伺ってみたところ、Remiさんのお母様から「広島に住んでいますが、東京は高いビルがあるイメージでしたが、低い水面からの視界には開放感がありますね。水面からみる視点がいいなあ」と、舟での移動体験に面白味を持っていただけたようでした。また水天宮生まれの方からは「舟のコースを体験している人の声が聞けて面白かったです」とのこと、当たり前の風景を、人や視点が変わることで違う意見に出会えることの気づきがあったようです。

山名P「これって知られざる東京のイメージが知れるということですね」
岩本D「いろんな人に気付きができたのではと。こんな目線を持つことで東京の舟運とか他にもいい影響を及ぼすといいですね!!」

ミズベはいろいろな出逢い=アイデアが作られる

なんと、ミズベで結婚式をあげたとのお話を、二子玉川エリアマネジメンツ小林さんにご紹介頂きました。結婚式は246が通る二子橋の下で行ない、少し上流から新郎新婦が2艘の舟でやってくるというもの。お二人とも胴長を着用し、一緒に二子玉川の街づくりをした人々や水辺関係者が見守る中、結婚宣誓式とパーティを決行。乾杯は地ビールのふたこエール!
「二子玉川は世界一美しい水辺の街!二子玉川は市民による自発的なアクションがあった。こういったモノが生まれやすい街なのかなと思います」

3月3日はミズベリング・デアイデアズが開催します!

田中さん「私が二人をつなげてしまいました。水辺っていろんな出逢いを作っているんだなと。ミズベリングを始めて、いままでつき合ったなかった人と出会えて、色なことが始まっているなと実感しました。じつはその出逢いがあればアイデアが生まれると言うイベントを開催します」
岩本D「3/3にスカイツリーのスペース634で開催します。全国の水辺のお盛り上がりを体験頂ける機会です。次回のテーマ会議もありますのでご期待ください。皆さんにとって水辺の魅力を再確認していただけたらと思います!」

さて、今回のテーマ会議、東京ミズベラブストーリーはいかがでしたでしょうか?
ぜひ、日本全国にある魅力的なスポット同士をつないで、水辺デートとなるよう実践して欲しいと思います。相手の好みにあわせて多様な水辺の過ごし方があり、その魅力は地域毎で異なり、そして過ごす時によって違う顔を見せてくれるはずです。否応でもミズベのこれからに、ますます期待が高まりますね!

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「ね?ミズベっていいでしょ?」

本編の「東京水辺ラブストーリー」はこちらでどうぞ

この記事を書いた人

榊原あすか

本職はPRコンサルタント(フリーランス)。 PRや広報周りの企画から情報発信、制作まで幅広く行なっています。 ミズベリング・プロジェクトは2016年春から参画して、広報業務をお手伝い中。 キャリアのスタートが百貨店だったせいか、ファッションやモノコト場所など有形無形のグッドセンスを見つけたり体験したりするのが好き。素敵な水辺の楽しみ方を見つけて発信して行きたいです。 その他通年で携わっているおシゴトは交通安全キャンペーンの「おもいやりライト運動」、アウトバウンドPR「マカオ観光局」など。

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