2014.12.02 Tue

ダムで女子ヨガ in 奥出雲

ダムで女子ヨガ  in 奥出雲

「ダムの魅力をもっと一般の人に知ってほしい」と20代の女子が中心のイベントがある……。
そう聞いて、島根県は雲南市にある尾原ダムに行ってきました。

非日常空間な水辺でヨガ!
島根県奥出雲でダム女(ジョ)と集う会

ダムで女子ヨガ in 奥出雲

「ダムの魅力をもっと一般の人に知ってほしい」と20代の女子が中心になって企画したイベントがある……。
そう聞いたので、島根県は雲南市にある尾原ダムに行ってきました。

出雲市から車で約30分行くと、緑深き山合いの間を澄んだ斐伊川がゆったりと流れる雲南市が見えてきます。雲南市は、日本最古の歴史書「古事記」ヤマタノオロチ伝説の舞台として有名な地域。巨大な怪物ヤマタノオロチが山から下りてきては斐伊川で暴れていたが、スサノオノミコトによって退治される……という有名なあの神話です。

尾原ダムに行く道中、地元の人に話を聞くと「ヤマタノオロチ」は斐伊川のたとえ話だったという説があるとか。斐伊川は毎年のように氾濫して村の人々を困らせていたので“暴れ川”と呼ばれて怖れられていたそうです。そのため尾原ダムや周辺地区の治水事業を<現代のオロチ退治>と捉えている人も少なくないとのこと。なるほど。ヤマタノオロチは8つの頭を持っていたと言われているから、そのたとえっぷりだと、相当な洪水被害だったんだろうな……。ダムの利点だけではなく負の側面もクローズアップされる昨今、いま改めて<川との共生>ってどういうことなんだろう?とぐるぐる考えていたところで、尾原ダムに到着。ダムに来たのって、何年ぶりだろう。

▲尾原ダム。雲南市と奥出雲町にまたがるダム湖「さくらおろち湖」 ▲尾原ダム。雲南市と奥出雲町にまたがるダム湖「さくらおろち湖」

午後1時に尾原ダムに到着。20〜40代の女性参加者10人と一緒に、まずは説明を聞いてから、ダム施設内の見学からはじまりました。えっ!中に入れるの?

▲「尾原ダム」の構造の説明を受ける平野さんと参加者 ▲「尾原ダム」の構造の説明を受ける平野さんと参加者

 

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案内をしてくれたのは、ダムをこよなく愛する「ダム女(ジョ)」を自称する尾原ダム管理支所の広報・平野由紀子さん。ダムの一番高い堤頂からクレストゲートを点検する階段を下りながら下流を眺めた後、堤体内のエレベーターを使って60メートル下へ降りていきます。

真っ暗でひんやりした通路を歩きながら「遊園地のアトラクションみたいだね」とわくわくする人も。 真っ暗でひんやりした通路を歩く。「遊園地のアトラクションみたいだね」とわくわく。

ダム直下に降りると、実際のダムの大きさを感じて、圧倒! まずは記念撮影。

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再び堤頂に上がってくると、こんな標識を発見しました。

 

▲ 観光庁が認定した日本初の「歩いて楽しい、走って気持ちがいい、自転車で心地よいコース」 ▲ 観光庁が認定した初の「歩いて楽しい、走って気持ちがいい、自転車で心地よいコース」

尾原ダムは、観光庁が認定する「歩いて楽しい、走って気持ちがいい、自転車で心地よいコース」の日本で初めて認定を受けたコースだとか。年間を通じてボートや自転車レースや市民祭りも数多く行われているようです。確かに、晴れた日に湖面周辺を走ったら、とても気持ちよさそう。次回は自転車を輪行して訪れたいものです。

非日常空間をたっぷり堪能した後、午後3時すぎに、ダム湖を見下ろしながら、大自然の中でのヨガがはじまりました。ヨガで大切なのは呼吸法。丹田を意識した深い呼吸をゆっくりと何度も繰り返すため、澄み切った空気の中でヨガができるのは、想像以上に気持ちがいい体験でした。特に尾原ダムは芝生の上でくつろげる空間がふんだんにあるのです。ただ、あいにく小雨が降って来たので、施設の屋内に移動……。

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気持ちよく体を動かした後は、地元のスイーツとハーブティをいただきながら、ヨガの先生から美容と健康に関するお話を聞きました。体質別のセルフケア方法や忙しい時にも手軽に身体を癒すことができるハーブの効用など、ためになるお話がたくさん。

▲ 地元スイーツとハーブティを美味しくいただきました。 ▲ 地元スイーツとハーブティを美味しくいただきました。

「ダム見学」と「ヨガ」と「スイーツ」いうまさかの組み合わせでしたが、水辺との共生を改めて考え直すきっかけになった盛りだくさんの一日になりました。

▲ 企画者したのは、こんな女子たち。(左より)鈴木佑里子さん(雲南市役所)、田頭志保さん(出雲河川事務所)、品治幸さん(出雲河川事務所)、高橋七絵さん(雲南市商工会) ▲ 企画者一同(左より)鈴木佑里子さん(雲南市役所)、田頭志保さん(出雲河川事務所)、品治幸さん(出雲河川事務所)、高橋七絵さん(雲南市商工会)

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「ダムはインフラ機能だけじゃないんです」
「その魅力を女性にも知ってほしくて」

今回のイベントを企画した出雲河川事務所の品治さんと田頭さんに(国交省に入省してまだ半年!)話を聞きました。

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このイベントを企画しようと思ったきっかけを教えてください
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雲南圏域(雲南、奥出雲、飯南の1市2町)の地域活性を狙った「おくいずも女子旅つくる!委員会」の取り組みを知って、地元の人が自ら故郷を熱くアピールされている活動に感銘を受けました。その場で「尾原ダムの魅力を伝えたいので、ぜひ仲間に入れてください」ってお願いしたのがきっかけです。
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雲南圏域の良さを伝えるために町の人たちが伝える体験プログラムを企画する「okutabiむふふオータム」という企画があって、一緒にコラボレーションすることが叶いました。女子向けのイベントにしたのは、まだまだ土木の世界は女性が少ないけれど、少しでも女性の皆さんに魅力を知ってほしくて。ダムは機能だけじゃないんだってことを伝えたいと思いました。
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ダムの魅力をどう伝えるか、企画案はたくさん考えましたね。ダムの堤頂を毎夜ライトアップしているのがとてもステキなので、ダム・キャンプだとか、ダム湖でダム・カレーを作ったりするイベントとか。
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ダム・カレーって何ですか?
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ご飯でコンクリート部分を作って、ダム湖はルーなんです。あと、堤体の壁にプロジェクトマッピングをするという案も出ましたね。でも女性の視点から見ると、ダムは大自然の中でお散歩したり、ぼーっと座ってリラックスできる癒し空間でもあるということを伝えたくて、最終的にヨガにしました。
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大自然の中といっても、尾原ダムは特に一般の人がアクセスしやすいように道路や駐車場などの設備が整備されているのでアクセスしやすく、それも女子向きだと思いました。
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ヨガにした決め手は何だったのでしょうか?
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単純に私たちがヨガをしたかったからかも(笑)
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でも当日はそれどころじゃなかったのですが……(苦笑)
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おつかれですね(笑)苦労した点を教えてください。
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通常の職務内容と並行して、イベントの準備を進めるのが大変でした。私たちは普段は河川の安全を守るために堤防をつくる工事の発注とかしているんです。周囲がそういう仕事をしている中で、私たちはヨガマットやスイーツメニューの発注の電話をかけたりするのも、やりづらかったです。でも楽しかったです。
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途中で雨が降ったりして、段取りがよくなかったのが反省点です。でも大変だったので、終ったぶん、達成感はありました。参加者の方からいただいたアンケートが好評価で嬉しかったです。尾原ダムの魅力を初めて知ったと書いてくださった方もいて、地元の方でも地元のことを知らなかったりするんだなと改めて思いました。
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おふたりは県外のご出身ですか?
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島根県はまだ住んで数ヶ月です。でもだからこそ、出雲や雲南市の素晴らしいところがわかるというか。先日東京のミズベリング会議に行った時に、東京の川は、施設や取り組みは素晴らしいのに、水質や景観はあまりキレイじゃなかったので、もったいないなと思いました。それに比べて島根県は、松江市の歴史的な街並みや宍道湖の夕陽などステキな景観もあるし、水もとてもキレイなので、すごく恵まれていると思います。それで県内外の人にその魅力を知っていただく取り組みができたらと改めて思いました。
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私たちが所属する出雲河川事務所の人からも、「一回だけで終るのはもったいない」と言われているので、もう少ししたら次回のイベントも考えるかもしれません。次は自分も楽しめる余裕を持って企画したいです……
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でも今回「おくいずも女子旅つくる!委員会」に参加できたことで、農家やレストラン経営者の方など、地元のいろいろな職業の方と仕事ができたことが、とても楽しかったです。また地元の人たちと一緒に企画ができたら嬉しいですね。
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最後に、ピンクのヒゲには、どんな意味があるんですか?
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ピンクのヒゲをつけることで、ぐっと親しみやすさが沸きますよね。普段見慣れている景色や地域の魅力も、見せ方を変えることで、もっと楽しめるんじゃないかと思って企画しました。ヒゲをつけた被写体が写った写真と動画を先月まで募集していました。

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Writer's Profile
鈴木沓子
編集者・ライター

新聞社を経て独立、主にアートやメディア、都市の公共性をテーマに、編集・執筆・翻訳をおこなう。愛車SURLY パグスレーで、川沿いや浜辺など水辺ライドをゆくのが楽しみ。共訳書に『海賊のジレンマ』(フィルムアート社)、『BANKSY YOU ARE AN ACCEPTABLE LEVEL OF THREAT【日本語版】』(パルコ出版)、『BANKSY’S BRISTOL Home Sweet Home』(作品社)など。

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